三枚おろしの説明とやり方

  

三枚おろし

三枚におろした魚

これはアジを三枚おろしにしたものです。

以下、三枚おろしについてやや詳細に説明していきます。

三枚おろしとは何か

三枚おろしとは、魚のウロコを取り、頭を落とし、内臓を抜いて血などを洗った状態(ここまでの過程が”水洗い”です)にしたものを、包丁を使って、
上身
(うわみ;頭を左にして背を上に立てた状態で左になる身)
下身
(したみ;右側の身)
中骨
の3つに切り分ける事です。
三つになりますから「三枚おろし」というわけです。



三枚おろしのやり方

アジの三枚おろしで説明していきます。

まず水洗いを済ませてください

アジの水洗いのやり方

水気を拭き取った状態。

この状態から三枚におろします。

※胸ヒレから上の部分を「カマ」といいます。上の画像ではカマが付いています。これは正しい頭の落とし方ですけども、一般的ではありません。小型魚のカマは食べるところがありませんので普通は使わないからです。

三枚おろしは普通身だけを利用する為のさばき方ですので、下の様にカマ下から切り落とすとよいでしょう。

(以下の説明画像ではカマが付いてますが無視してください)

三枚おろし

(1).三枚おろしは通常下身から始めます
この部分に※包丁の先端を入れます。

※姿の魚を切る時の基本です。
丸魚を捌く際に使用する包丁の刃はほぼ切っ先三寸。したがって包丁は先っぽ(反りから切っ先)の切れ味が大切です。(詳しくは包丁の研ぎ方を) 

(2).魚の中央にある太い骨に包丁の先端がコツンとあたるまで切り込み、中骨の上をすべらせるような感じで尾の方までしっかり切り目を入れます。

(3).そのまま180度回転させ、尾を左に向け、背中が手前に来るようにします。そして(2)と同じように切り込みを入れましょう。

※(2)、(3)の時点では、尾の部分を切り離さず残しておきます

A※(2)も(3)も、しっかりと包丁が中央まで入っていることを確認しながらゆっくりと進めましょう。ここで切り残しがあると、最後の段階で失敗しやすくなってしまいます。

(4).下身を切り離していきます。尾の部分に包丁の先を突き通し、尾先は切り離さない

包丁を持った右手の上になるように(交差するように)して、左手で尾をつかみ(画像には写っていませんが)、そのまま矢印の方向へ切っていきます。

中骨に包丁をしっかりあて、包丁が浮かないようにやや下向き加減に力を入れながら進めるのがコツです。

この位置あたりで腹骨の付け根に包丁が当たりますので、少し抵抗が強くなります。なので、左手で尾を持っておく必要があるのです。

そのまま左端を切り離してください。
A※で言いましたように、しっかりと切り込んでおくとグズグズになったりせず楽に切り離すことが出来ます。

(5).ここで尾を切り離します。

2つに分かれた状態になりました。
これが「二枚おろし」です。

(6).次は上身をおろしましょう。
ここは先に背の方から切り込んだ方が良いです。

(7).背を切り込んだら反転させ、腹の方を切り込みます。

(8).切り離すと三枚おろしの完成です。

下の様に、卸した身に中骨の跡がクッキリと浮かんでいるのは、キレイにおろせた印です。

中骨に肉が残らないほど上手くできたということで、これが「肉がたくさん中骨に残る大名おろし」と、三枚おろしの違いになります。大名おろしは、肉がムダになっても速さを優先する場合などに使用するおろし方です。



三枚におろしたした後の処理

腹骨は食べる時に邪魔になりますので、切り取っておきます。

腹骨を切り取る

刺身、タタキ、ミンチなどにする場合は小骨を抜く。

魚の小骨の抜き方

同じく皮も剥いておく。

魚の皮むき方

アジフライなどにするときは背開きにする。
※小さなアジの場合です。
大きめのアジですと、三枚にしてフライにします。
極端に小さいアジは、姿のまま唐揚げなどがよいでしょう。


背開き(開いてアジフライなどにする)

加熱する料理の場合、
ここで紹介した三枚おろしよりも大名おろしの方が手早くできます。

大名おろし

頭を付けたまま開き、干物や姿寿司にする

腹開きのやり方

残った中骨などのアラは、あら汁に

アラ汁の作り方

失敗しない三枚おろし ポイント

「おろしている最中にどこかで包丁の刃が引っ掛かり動かなくなって焦る」
三枚おろしを失敗するのはこれが一番多いようですね。

で、焦ったまま慌ててしまい余計な肉を切ってボロボロに。

こういう失敗を完璧に防止するには経験しかありませんが、なぜ包丁が止まって動かなくなるのか理解すると、上達は格段に早くなります。

以下は包丁がストップしやすいポイントです。

ポイント①腹骨の付け根

(4)で触れた腹骨の付け根は、魚のおろし方で重要なポイントになります。ここを理解しておくと「コツがつかめた」ということになり、すぐにおろし方が上達します。

例えば、骨がしっかりした(硬い)中型魚であるタイやスズキですとね、腹骨の付け根は非常に太くてなかなか切れません。なので、同じ三枚おろしでもやり方を変えるのです。

この骨が思っている以上に硬くて、包丁を止めています。

上のようなやり方で、尾を持ってす~っと切り離す事も可能ですが、付け根部分で抵抗が強くなるので、このやり方では失敗する可能性が高くなります。

尾の方からささ~っと包丁を流しますと、腹骨あたりで包丁が弾かれてしまい、包丁の向きが変わって身を切ってしまうという、三枚おろしでは致命的なミスです。

ですから、骨の堅牢な中型魚は下のような感じで三枚おろしにします。

背と腹に切れ込みを入れるまでは同じですが、こういう魚は先に腹骨の付け根を切断しておくのです。

そして切り離します。

背の方から包丁を入れる場合は、付け根の骨を一本ずつ切断するような感じで切り進める(包丁の刃先を下に向け右にひねるような感じで力を入れるとミスをしません)

※流儀などの違いでおろし方は色々あり、手順はさばく人によって異なることも多いですが、基本的には「中骨の付け根の問題」であり、どうやってこの箇所に邪魔されずにおろせるかという点は共通しています。

ポイント②尻ヒレの付け根

もうひとつの大事なポイントも、腹骨関係です。
【腹骨が終了する場所にある尻ヒレの付け根】
これですね。

大型魚で見ると理解しやすいでしょう。大型魚でもヒレなどの位置関係や構造は小魚と同じです。

マグロの場合

※マグロのような大きい魚は、腹と背のヒレ付け根が邪魔になります。小型になってくると、背は無問題になり(三枚にした時点で中骨に残るから)、主に腹ヒレが妨害要因になります。

ヒレの付け根は、下のように抉り取って使う。


マグロのさばき方

上はマグロの場合ですが、小中型魚でもこの場所に気をつけないと、大名おろしにしたときに、失敗しやすくなります。また、上で説明した三枚おろしでも、初心者はここで包丁がズレて身を切ったりしがちです。

す~っと大名におろしてくると、この場所で引っ掛かる。

対処方法は、切れ込みを入れる過程でヒレの付け根部分の身が完全に中骨と分離するように、しっかり切り込んでおくこと。

さらに、皮を剥く時もこの箇所が問題になって失敗する。

失敗する皮の剥き方

手慣れているプロでも時々皮引きを失敗するのは、だいたいこれですね。皮引きでも三枚おろしでも、ヒレの付け根が原因で包丁が止まったりぶれたりするんですよ。

対処方法は下のように切り取っておくこと。