【スズキのさばき方】水洗いから三枚おろしまで

  

スズキのさばき方

スズキのサバキ

鱸は活締めが理想 ↓

鱸の下処理(水洗い=エラ・頭・内臓) ↓

鱸を三枚におろす ↓

洗い・刺身は活か鮮鮮魚

スズキをさばいて三枚におろす手順ですが、その前に肝心な事は、食用にするズズキは、釣ったその場でまずは締めておかないと美味しい洗いができませんということです。活〆です。

頭の付け根部分の切り込みが延髄をカットして〆た痕です

魚の締め方

この様に身がビラビラ柔らかい状態を「活かっている」と言います

これは要するに「死後硬直が始まる前の肉が生きてる状態」です。身肉がこの状態でないと「洗い」にはなりません。

ですから、持ち帰るならば必ず釣り上げたその場で活け締めにしておきましょう。上手く〆ておくと、半日くらいは「活かった状態」が続くのです。

「ノジ」(自然死)ですと自宅までの帰路で硬直が始まるのは確実でして、氷入りクーラーに放り込む事がそれにあたります。それでは洗いになりませんので、必ず生きているうちに締めて血抜きをしましょう。



鮮度の見極め

※刺身というのは本当はこの「活け」状態よりも「硬直」まで待ち、熟成させた方が美味いです。フグやヒラメがそうですが殆どの魚でも同じ。しかし活き造りと洗いは身が活けの状態で作ります

※死後硬直の後(古くなって)も身がビラビラ柔らかくなりますが、これはもう刺身にすらならない悪い状態ですのでお間違いなきように。

※活け締めでなければ刺身にならないという絶対条件ではありません。活〆でない場合はできるだけ新鮮なスズキにしましょう。透明感があるうちはなんとか刺身でいけます。(洗いは活け〆でないと無理)

※鱸は鮮度が落ちると身がズブズブになります。ロウソクみたいな色になり、指で押しても跳ね返りがないようでしたら、刺身はもちろん、加熱料理でも食べられません。

鱸の水洗い

水洗い(1)

最初にウロコを丁寧に隅々まで引きましょう。ウロコ引きが無ければ出刃庖丁で引けます。

ウロコ引きの注意点
※下に書いていますように、鋭いエラブタのほか「背びれ」「腹びれ」なども危険ですので、指を刺さないように気をつけましょう。雑菌だらけなので感染化膿してしまう恐れがあります。

台所を汚して奥様の顰蹙をかわない様にポリ袋や新聞紙を利用して「キレイ」な仕事をしましょう。つまり「良い仕事」です。すぐにまな板周りがゴミだらけになる様では美味しい料理は期待薄。

※鋭い刺に注意
締める時もそうですが、鋭いエラブタに注意しましょう。「スズキのエラ洗い」で獲物をばらした上に指まで刺されたら話になりません。

①エラ蓋を開けてエラの付け根を切断

エラはそのままにして、内臓を潰さない様に腹を一文字に切ります。
(内臓も食べられますが、釣れた場所に疑念がある場合は廃棄)

② エラを掴んで引く


すると内臓も同時に取れます。

スズキは血合い部分に内臓を包む白くて固い膜があります

少し庖丁して、そこから指でベリベリ剥がして下さい。

この後「ササラ」で(歯ブラシの古いもので可)血合いを洗い流します。
全体をキレイに洗って「水洗い1」は終了。
次は頭を落としておろせる状態にします。

水洗い(2)

魚のおろし方は全種がほぼ共通しています。
特に『スズキ型』と俗にいわれるほど、ズズキは典型的な魚らしい魚体をしていますので、あらゆる魚の雛形だと言えます。従ってスズキを卸す事が出来れば、おろし方をマスターしたと思って結構です。

① 水洗いしたスズキの頭を落とします

カマ付ならここから切断しますが、

だいたいの場合カマはどうせ落としますし、どちらでも同じなので最初からカマ下に庖丁します。腹を上にし、頭に向けて斜めに中骨まで包丁して下さい。

② 斜めに包丁する

スズキを横に向けて、背側にこの向きで庖丁を入れます。

『く』の字の逆の形に切り込みが入るわけです。

③ 頭を切断

反対側も同様に切り、そのまま中骨を切断し、頭を外す。

これで頭がなくなり、後は卸すだけの状態になりました。
(水洗い完了)
魚を保存する場合、通常はここまでやってから包んで冷蔵します。

続いて三枚おろしを紹介します

鱸のおろし方

スズキを三枚におろす

① 三枚おろしにする前に水気をよく拭き取る。

② 下身を上に向けて、ここから庖丁

③ 返して背を手前にし、背から庖丁します。

④ ガンバラ(腹骨)の付け根を切ります。

ここは固いので力が必要、失敗しやすい部分。コツは庖丁の向きです。骨を一本ずつ切る感じで「下向き」にしておくと良いです。

⑤ 固い付け根部分を切れたら、中骨の形にそって切り離していきます

出刃包丁の形を利用して切り進め

尾鰭付け根あたりで切り離す。

(②の前に切込みを入れておきますと、画像のように切り離し口が直線的になりますが、そのまま包丁で切り離してもかまいません)

他の魚は尾から頭に向けて卸しても構いませんが、スズキはこの骨の付け根部分が特殊な形状をしてますので、頭から尾に向けて卸すほうが良いのです。

詳しくは 三枚おろし

⑥ 反対側の上身も同じようにして卸します。

腹側を切り込み

背も切り込んだら

包丁を走らせて身を切り離す。

三枚おろしになりました。

料理にできる基本的な形態です。
ここから目的に応じて「切りつけ・切り分け(カット)」します。

ここでは刺身と洗いにしますので、皮を引いて刺身ザクにするまでを次項で紹介します。

魚のおろし方は、教える人や教本等で微妙に違いがあります。漁師、魚屋、板前など職種でも大きな違いがある場合もあります。これはどちらが正しいという種類の話ではありません。たんに流儀が違うだけだからです。

おいら自身も上で紹介したおろし方だけではなく、他に何種もおろし方を使い分けています。※別のおろし方例・セイゴ
ここでは最も基本に忠実で失敗の少ないやり方をご紹介しています。

著者:手前板前 魚山人