サバのさばき方・サバの三枚おろし

 
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鯖の捌き方

生サバ

サバは美味しくて栄養満点な魚です。
簡単な三枚おろしを覚えておくと料理の幅が広がるでしょう。

良いサバを入手するには、店選びが大事。魚屋の場合、良い店ってのは売れてる店です。スーパーの鮮魚コーナーでも同じ事。品物の「ハケ」が早いってのが条件です。閉店近くに大量の魚が残ってる店は駄目。年配のおかみさん達で賑わう店頭が良いですね。それと魚のアラを販売してるかもポイントになります。パックでもかまいませんけど、アラを売ってる店がいいです。

品選びですが、一番大切なのが「目」です。黒目がはっきりして濁ってないのが新鮮。魚体のツヤやハリも大切ですが、目だけは誤魔化しようがありません。魚も人間と一緒って事です。

安いからといって「痩せたサバ」を買うのはやめときましょう。安物買いの銭失いになります。出来るだけ丸々肥えたハリのあるものを買いましょう。

パックの切り身の良し悪しですが、おいら達は切り口なんかを見れば瞬間的に分かりますが、慣れが必要。誰でも分かる見分け方は、「血合いの色が赤に近いほど新鮮」、「身が筋にそって割れているのは扱いが悪いか、魚が古い」、この二つです。良い切り身は当然弾力もあります。

それと、釣行とか漁港への観光とかで新鮮なサバを入手した場合、刺身で食べたくなるもんですけども、注意が必要です。

たいがいは真鯖(ほんさば・ひらさば)か胡麻鯖(まるさば)になるんですが、ヒラサバの一部は生で食べられません(時期にもよる)。これの区別は素人には無理ですね。

サバの種類~見分け方

サバのアミノ酸にはヒスチジンがあり、死んで時間がたつとアレルギーを起こすヒスタミンに変化します。それにアニサキスの問題もあります。「あたる」可能性があるってことです。魚の専門家が太鼓判を押せば別ですが、素人判断で生サバの刺身を食うのは避けるべきだと思います。

締めさば含む生食にするのでしたら、魚屋で「刺身用」と明記されている物か、自分で釣ったものであれば三枚にして24時間冷凍する。それ以外は加熱調理が安全です。

サバの冷凍

生サバのさばき方

身崩れを防ぎたい「みそ煮」とか長時間煮込んで味を浸透させる「甘辛煮」などにする場合は「筒切り」にした方が良い場合もあります。

※今はみそ煮や煮つけ等も三枚おろしを適度にカットして作るやり方が主流です。骨がなく食べやすいし、早く火が入るので時間短縮になるからです。

筒切りも含めてカットの仕方は下のページを参考にしてください
魚の切り方

ここでは下処理と三枚おろしだけを紹介します。

サバの水洗い

①薄いウロコが多少ありますので包丁の先で取ります。

②ヒレ下部分から斜めに包丁を入れ

③両側の胸ヒレから斜めに切り込みます。

④頭を落とし

胸ヒレ上から直線的に切り落とした方がキレイに見えますが、ヒレ周囲含むカマ部分は食べられない箇所が多くてどうせ残すことになります。どんな料理にするにも、食べるときに邪魔になるものが無い方が食べる人に親切です。

⑤腹を肛門まで切り開き

⑥包丁で内臓を右に寄せて血合いに刃先で切り目を入れ

⑦血合いごと内臓をかき出して下さい。

⑧腸の付け根を切り、内臓を落とします。

⑨水道で汚れと残った血合いをきれいに洗います。

水気を拭き取り水洗いは終了。
サバキに移ります。

サバの三枚おろし

①腹と背に中骨まで骨に沿って深く切り込みを入れます。

 

まず腹を切り込み

返して背の方も切り込む。

②切り込みを入れたら、尾の部分に包丁を貫通させます。

切り離さない方が後の作業が簡単です。

③庖丁をクルリと返して切りこんだ尾の部分を左手で持ち、
包丁を骨にそって一気に滑らせます。

そのまま頭側を切り離す

※日本料理のプロは逆に頭側から身をおろす人が多いです。どちらが正しいといった種類の話ではありません。流儀の違いです。(身の柔い魚は尾から、しっかりした魚は頭側からという意味もありますが)

④片身をおろせたら、尾を切り離します。

この状態が「二枚おろし」です。

⑤返して反対の身も同じ様にすれば、

三枚おろしの出来上がりです。

⑥腹骨をすきとれば完成です。

腹骨の取り方

小骨の抜き方

もし安全で新鮮な生サバ(関サバや養殖サバ)でしたら、この状態から刺身にしますが、刺身にするには皮を剥かないといけません。下記を参考にしてください。
サバの薄皮剥き

新鮮なサバなら頭と中骨を味噌汁の具にしましょう。

塩をしておけば臭みも抜けます。

さっと塩を洗い流して汁物に使いましょう。

昆布出汁と塩味だけの
サバの船場汁

みそ仕立て
あら汁の作り方



サバやカツオの身は、すぐに割れてしまいます

日本食ブームもありまして、外国での視察や外国人に和食を教える機会がけっこうあります。そんなおり痛感するのは、日本人の魚食文化の長い歴史とこだわりです。

意外と知られていませんが、魚を重要な食材としてる国はけっこう多いもので魚河岸もたくさんあります。しかしね、和食を外人に教える時、一番の課題が「魚の扱い方」なんですよ。

ことに魚を扱う頻度の高い寿司はそれが顕著になります。鮮魚はデリケートに扱わないといけないという事を理解してもらうだけで一苦労します。日本人は魚を傷めない触り方ってのを、遺伝的に持ってるんじゃないか、そんな感想すら抱きます。

しかし最近、築地でもサバの尾っぽを持って顔の前にかざして見ている方をよく見かける様になってきました。
そんなのは昔だったら「バカヤロウ!そんな事したら商売モンにゃならねぇ!このトウシロが」そう怒鳴られたもんですが。

サバとかカツオはね、自分の重さだけで身が割れてしまうんですよ。鯛だってそうです。尾をもってぶら下げるなんてのは問題外です。だから背を持たなきゃいけません。魚文化も失くしていかなきゃいいが、そう思います。


手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人