背開きのやり方



魚の背開き

背開きのやり方を説明します。魚の背の方から包丁を入れて開きにするさばき方で、小さい魚に適しています。

天ぷらやフライにする場合に背開きします。小型のアジやキスなどを開いて大きく感じさせるのが主な目的。

揚げ物に向いているのは、尾を残しているので揚げやすい・形が良い、揚げることで微妙な小骨などが気にならない、等の理由もあります。

腹から包丁して開く「腹開き」にしますと背ビレ等が残ってしまうので、小型魚とはいえ噛みきれなかったり、口中で刺さったりしてしまう。なので、この目的では背開きが適するのです。

この開き方を最も多用する料理は「アジフライ」です


アジフライの作り方



魚の背開きのやり方

①、アジは姿のままで売られていることが多いですね。頭突きのアジを最初からさばいてみましょう。(頭を落とし内臓を出してある状態で買った場合は⑤からお読み下さい)

10センチそこそこの極めて小さいアジなら必要ありませんが、やや大きめのアジは「ぜいご」を取っておきましょう。


ゼイゴの取り方

②、ゼイゴを除去したら、包丁を動かして軽くウロコを落とします。両側のウロコをざっと取ったら、一度水で洗ってウロコを流し落として下さい。

(下にザルを置いて水をかけるなどすればよろしいです。また、新聞紙を敷いておいたり、ビニール袋の中でやると周囲を汚しません)

③、頭を落とします。
腹を上に向けて立て、腹ヒレの下から包丁を入れ

くるりと包丁を立てて半分程度切り込み

魚を回転させるようにして横から切り落とします

※このやり方は、できるだけ「口にあたるような固い部分」を残さない為です。面倒であれば、横にしたまま一発で切り落としても構いません。

④、腹を切り開き、内臓を出して水洗いします

水洗いのやり方

⑤、水洗いしたアジを軽く拭き取って、背開きの開始です

背を手前にして、中骨の上に包丁を入れ、中骨にそって切り込みを入れていきます

⑥、腹骨の付け根は少し堅いので、少し力を入れて切り離すようにします

⑦、そのまま向こう側まで切り進める
慌てる必要はありません。ゆっくりとやりましょう。

⑧、刃先を立てるようにして完全に開きます
皮一枚残すようにしてください。
切り離したら、開きではなく「おろし」になってしまいます。

⑨、裏側です
開いたままひっくり返し、背を手前に向けて同じように切る

引っかかったりしてしまうかも知れませんが、慌てずに切り口を確かめつつ包丁を進め、切り離します

⑩、中骨を切断
尾の手前の方で包丁を立て、中骨を切り落とします

⑪、腹骨(すだれ骨)を取り去る
左右の腹骨をすき取るようして切り取ります

※「魚の向きを変える」、「包丁を左右から入れる」
どちらでも構いませんのでやりやすいようにします。
上の画像はアジを動かして包丁の位置は同じ(右)です。

※水洗いする時に、通常は腹を切って内臓を取り出してから洗うのですが、頭を落とすだけで腹は切らず、頭の切り口から内臓を引っ張り出すようなやり方もあります。

こうしますと、開いた時に腹に切れ目ができません。つまり「破れてない袋状」になります。腹に詰め物などをして揚げたりするケースにいいですね。

下の画像の右がそうです。切り目が見えません。

通常のフライは腹を切った左のほうで。




手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人