昆布締めの作り方

  

白身魚でこぶじめ

こぶじめにした白身魚

コブジメの作り方を簡単に説明します。

新鮮な白身の魚が手に入った、でも全部食べきらねぇんで残っちまう、冷凍するのも勿体無いし、だからと言って冷蔵庫じぁすぐに傷んじまう、そんな経験ありませんか?

そんな時は、食べられる分だけ刺身にして、残りは【こぶじめ】にしてみましょう。

コンブジメにすると、余分な水分が抜け出てしまうので日持ちします。冷凍にした白身と違い、細胞が潰れないので、刺身の食感を何日も楽しめますよ。魚によっちゃ生刺身より味が良くなったりもします。



昆布締めの作り方

魚を昆布で締める場合、料理店では、おろし身を昆布で挟んで作ることが多くなります。つまり上身や節の状態で作るのです。
「上身」「節」とは

しかし、〆てしまうと、これを刺身に切るのが非常に大変になります。それこそ本焼の刺身包丁が必要になってしまうでしょう。出来上がる量も家庭向きとは言えず商売向きですね。

ですから「切ってから昆布じめにする」方法が良いと思います。以下その手順を紹介していきます。

(1)魚の下ごしらえ

魚を捌いて(もしくはおろし身で購入したもの)、下のような状態にします。

タイのさばき方

ヒラメのさばき方

スズキのさばき方

サヨリのさばき方

カワハギのさばき方

「白身でこぶじめ」とありますが、赤身の魚でも、貝でも海老(生食用)でもイカでもコブジメは可能で、手順も同じような感じです。ただやはり白身が最高ですけどね。

しめさばの作り方

アジのさばき方

海老のさばき方

イカのさばき方

貝のさばき方

(2)昆布を用意する

刺身に切ってからコブジメしますので、本当は「白板昆布」が良いのですが、普通の板昆布でかまいません。

バットのサイズに合わせて昆布をカットします

酢を付けた布巾で拭き、昆布に湿り気を与える
(※白板ですと拭いて汚れる落とすだけですが、板こぶは固いので酢拭きします)

それをバットに敷いておきます

(3)魚を切る

先ほどの身をそぎ作りで切りましょう

そぎ作りの切り方

小さなまな板か何かに薄塩を振り、その上に切った身を並べ、
上からも薄く塩を振ります

このまましばらく放置しておきます

室内の温度や湿度にもよりますが、20~30分ほどそのままにしておくと、水分が表面に出てきます

水気をふき取れば塩〆は終了です

サヨリとかキスなど身の薄い魚は、塩をあてる代わりに立塩(3%くらいの塩水)にさっと潜らせて水気を拭くといいでしょう

(4)切った魚を昆布でサンドする

先ほどのバットに並べましょう

上にも昆布をのせて

魚を挟みこみます

ラップをして冷蔵庫へ

諸条件で異なりますが、最低でも数時間、普通は一晩、冷蔵庫で〆ます。

重しをしておくと早く締まりそうですが、漬け物ではありません。魚の身を傷めるだけです。魚の水分が昆布の成分を引っ張り出し、それが粘着剤のように魚を吸い寄せ、魚側も昆布のうま味を吸い取るという作用でもってお互いに粘着しますので、重しは不要です。

数時間経過

吸い寄せあって魚の水気が失せ、良い加減です

このようにべっ甲色(飴色)になれば完成

形を整えながら

盛り付けましょう



昆布じめ

『昆布〆』は、元々富山県の料理です。富山では昔から所謂『北前船』にて北海道から昆布を取り寄せて沢山使っており、その使用法の一つが昆布〆です。

ご存知の様に北陸は魚処であり、新鮮な魚介が豊富。刺身の旨い魚や貝が沢山あります。干したり、塩や糠を使い保存する方法も発達してますが、刺身の美味さを知っていればこそ、できれば刺身に近い状態で食べたい、あるいは旨い刺身をもっと美味しく食べたい。そんな感じで『昆布〆』は生まれたと想像します。

また、昆布〆は関西でも独自に発達してます。こちらは一晩も昆布を挟む事はなく、ほぼ数時間で〆ます。つまり「香りを移す程度」の軽い〆ですね。

ヒラメやアワビ、それにキスやサヨリといった『品』を大事にしたい造りはこちらの方法が良いかも知れません。こうした小型の魚を品よくシメるには関西風を取り入れた以下の方法でシメるといいでしょう

★身に薄塩を振り10分ほどおき、布巾で拭き取ります
★白板昆布を布巾で綺麗に拭き、2枚でサンドします
★冷蔵庫に入れて2時間くらい寝かせる

白板昆布を使うと香りが薄く、身に昆布の色も移りません。

白板昆布

よく昆布じめにする魚

 

小鯛(春子など)もよく昆布じめにする魚です。


春子

小鯛を背開きにして締めている様子です

小鯛のほか、キス、サヨリといった魚は皮をつけたまま昆布締めにすることが多いです。皮目が綺麗だし、小魚なので〆ると皮が気にならないですから。

マダイ、ヒラメ、スズキ、アマダイなどの昆布じめは有名ですが、そうした中型の魚やもっと大きな魚ならば三枚におろしてから〆ます。

ただ上身のまま〆ると、昆布〆は水分が抜けて身が強烈に締まるので、血合い骨の処理などが大変です。ですから大き目の魚は「節」にして〆るのが普通です。

また大き目の魚は〆る前に皮を引いておかないと、皮引きも難しくなります。引けないことはないのですが、美しく引くのはまず不可能。先に引いて美しい皮目を出してから〆ます。

魚の皮を上手に引く

真鱈(マダラ)

そして巨大な天然大ヒラメです

大きすぎ(5キロ)ですので、エンガワも一緒に昆布〆にしておくのです。

ひらめのえんがわ

昆布〆の保存性

昆布じめは長く〆れば良いというものではありません。


2~3日〆た昆布じめ

飴色(薄い黄色みを帯びた黄金色)になっていれば最高です。このように締まりますと、魚の水分の大半が抜けて日持ちが良くなり、保存性が高まるのです。

しかし、干物や燻製ではありませんので水分はかなり残留しています。腐らないわけではないので注意します。冷蔵保存で1周間、冷凍で2ヶ月、そのくらいが限度です。

腐るのはむしろ昆布の方なのです。

昆布が水分を吸い取り、吸い取ったエキスが昆布内部の旨味と融合する。魚と昆布の旨味が融合した「新たな旨味」が、また魚の身に再吸収される。この循環によって「昆布じめ」は出来ます。

これによって昆布は魚の水分と雑菌をも吸ってしまい、まず雑味が出て粘り出し、そのままにしておくと腐敗が始まります。この昆布でいつまでも魚を挟んでおきますと、昆布の雑味(臭み、ネバネバ)が魚に移ってしまいます。色が出た時点で昆布は捨てて、身だけをラップして保存しましょう。

昆布〆に使った昆布

※昆布締めに使った昆布は、魚の臭みを吸い込んでいますので、基本的に再利用は不可です。使う場合は下を参考に。

使用した昆布は、魚の塩分と水分を吸って非常に柔らかくなりますので、そのまま食べられます。昆布締め刺身に添えるか、ハサミ等で細く切り、酢の物などに使用しましょう。魚介の料理に合わせた方がよいでしょう。

そういう使い方があるにせよ、「その場限りの使い切り」と考えてください。余ったら通常は捨てるものです。ただしあまり劣化していない場合は加熱によって水分を飛ばすと再利用できないことはありません。

昆布が固めの場合は火を入れてから使います。湯に通すなりして水にさらせばニオイもある程度は抜けます。その後色々な炒め物、汁物、揚げ物など様々にお使い下さい。

日持ちさせたいなら「塩吹き昆布」などがよいでしょう。
塩吹き昆布の作り方

昆布は腐ります

乾燥してる間は別として、水分を吸うと昆布は日持ちしません。これはだし昆布と同じで、昆布〆に使った昆布も同様です。納豆みたいなネバネバが出るのは、ムチン質の作用で腐っている訳ではないので大丈夫ですが、腐敗臭がすればもう駄目です。食べてはいけません。捨てて下さい。臭いが出る前に火入れや酢洗いなどをしましょう。