さんまの捌き方・さんま刺身の作り方

サンマのさばき方

サンマをさばいて刺身にするまでを、画像を使って詳しく説明します。

秋刀魚は塩焼きが一番ですが、何本か買ったうち余りが出たりしたら、刺身にしてみるのもいいですね。食卓が華やかになります。

★刺身は新鮮なサンマで
最も簡単な鮮度判断は、「腹を見る」ことです。腹を指で軽く押さえてみて、ぶよぶよしたのは鮮度が低く、腹が破れて内臓が見えるようなサンマは絶望的。
腹に触れて、ある程度の硬さを感じるようであれば刺身でも大丈夫です。
また、寄生虫害の確率は極めて低いのですが、不安であれば冷凍ものを使ってください(24時間冷凍すればOK)

良いサンマは一目でわかる

まず言いたいのは、家庭で刺身を作るときは、難しく考えないでもいいって事。料亭で出す一品じゃありませんので、少々失敗しようが気にする必要なんかありませんよ。「私にだって簡単にできるんだ」。そう思って下さい。



(1) 水洗いする

ウロコ・頭・ハラワタを除去し、水で血や汚れを落とし、余分な水分をふき取るまでの手順を「水洗い」といいます。

頭を落とす

秋刀魚のカマ下から庖丁を入れて頭を落とします。

ハラワタを取る

頭を落とした包丁をそのまま逆さにして肛門まで切る

血合い部分に切り込みを入れて、

内臓と一緒に血合いもかき出す

包丁を血合いに当ててグルリと回すようにすれば、内臓も血合いも同時に取れます

水で血や汚れを洗う

水で綺麗に洗った後、水分を拭き取れば水洗い終了

水気が残らないよう腹の中もキレイに拭くようにしましょう



(2)サンマのおろし方(三枚おろし)

3枚におろしたサンマ

秋刀魚は通常の三枚おろしをせずに、大名おろしで三枚にします。もちろん丁寧な普通の三枚おろしでもかまいませんが、小さく細長い魚は大名でおろしの方が適しているからです。

下身をおろす

大名卸しはここから庖丁を入れます。

腹を下にして庖丁を中骨の上に沿わせる様に

慣れない方は庖丁を上下に動かしながら(ノコギリ引き)。そうすれば中骨を切ってしまったり、身を切ってしまう失敗をしません。

下身がおろせました。

上身をおろす

残り半分(右側=上身)もおろしましょう。
ここから庖丁します。

刃を気持ち下向き加減にしますと身を切ったりしませんよ

画像左の尻ヒレが見えますね、ここで骨と接続しますので注意しましょう。

段差になっているので庖丁がひっかかりますし、ヒレの付け根を残すと後で皮引きが難しくなってしまいます。ヒレ付け根は残さないよう丁寧におろしてください。

※下の「皮を引く」で理由が分かります

秋刀魚の三枚おろしが出来ました

中骨も食べられます

大名おろしにしたので、骨に肉がたくさん残りますが

ここは美味しく食べられます。

カリカリに揚げて肴にしましょう

※揚げ鍋ではなく、簡単にフライパンに少量の油で炒めるようにして揚げてもかまいません

(3)腹骨を取り、小骨を取る

腹骨を取る

腹骨をすきとります。

ヒレの付け根が残っていればここで切り取っておく

秋刀魚の腹身は薄いので、神経質に残す必要はありません。ですから手早く取る下の様なやり方もあるのですが、これはプロ向け。
サンマの腹骨を手早く捌く方法

腹骨を取ったおろし身

小骨(中心の血合い骨)を抜く

骨抜きを使い丁寧に抜くのが理想的です。

しかしサンマの小骨は抜き難いし、時間もかかります。なので、ここでは庖丁で取り去る方法を紹介しておきます。

中心にある血合い骨の両側からV字に庖丁を入れて取り去ります。

中央にある血合い小骨の両脇に斜め包丁

左右の包丁が皮スレ付近まで達していれば、引っ張るだけで血合いごと小骨が取れます

※下まで切らない様にして下さい、下まで切ると皮を引いたら上下が割れてしまいます。
もし切ってしまったらこちらをご覧下さい
魚の小骨が抜けない時は

皮を引く

頭側から引く場合、指と庖丁の刃を使って角をめくります

背(皮)を上に向けて、頭側の角をめくる

皮剥きで一番大事な場面です。この時に身まで一緒に剥がすと、薄皮はむけません。無理に引っ張るとボロボロになってしまいます。

以下の写真をよく見て「薄皮」とはどういうものかをしっかり確認しておきましょう。薄さや質感が分かれば、最初に剥がす時にミスをしなくなります。

数センチ角をめくれたら、そこに包丁を当てます

まな板に置いて

包丁を斜め上に動かす感じで押す

ここで庖丁をグルンと反転させ、庖丁の背を下にする

※そのまま刃で引いても構いませんが、慣れないと薄い皮を刃で切ってしまうのです。ですから刃を上に向けて刃のないミネで引きます。これを「ミネごき」と言います。
ミネゴキのやり方

庖丁をまな板に押し付ける感じで右に流して引きます

この時にヒレの付け根が残っていればその部分で皮が切れてしまいます。なので、三枚におろす時にヒレの付け根を残さない様にさばくわけです。

これは頭側ではなく、尾から引く場合

青と銀が光ってるのがサンマの特徴。
きれいに残して薄皮を引きましょう。

サンマ皮引きが出来ました

(4)サンマの刺身

ここまで来ますと、刺身はもう出来たも同然です。

下のように簡単に切ればOK

ひと手間かけるなら下の切り方も参照してください。

木の葉作り

2センチ幅に切ったものを「背を上腹を下」にして重ねる

それを縦中央から1センチ幅に真っ二つにし、横に倒す

そのまま中央を合わせれば「木の葉造り」

自分の切りたいように刺身を切って、ショウガしょう油で召し上がりましょう。

握りすしにしても美味しいです。

サンマの握り

秋刀魚は安さと栄養豊富さ、そして美味さを兼ね備えた文句なしの『国民的魚』です。冷凍技術の進化で、秋に獲れた旨いサンマを急速冷凍して保管したものを、年中食べる事もできるし、その鮮度は獲れたてと遜色ありません。(だからといってそれを「鮮魚」として販売するのはちょいと疑問ですが)かといって、季節感が消えたわけでもなく、いまだ「秋もの」として旬のメリハリを持ってるってのは偉ぇし、今後もそうあって欲しいもの。

サンマの旨さの特徴は「脂肪分」の多さ。だいたいの魚は「たんぱく質」が旨味をきめてるんですが、サンマは脂肪。でも「アブラ」だからって心配いりません。悪さをする「アブラ」じゃなくて、タチの良いというか、身体への健康作用を知られる「不飽和脂肪酸」がほとんどだからです。ビタミン類も豊富。それでも脂肪分は「酸化」するのが常、食べる時は鮮度に配慮して下さい。酸化するまで鮮度の落ちたのは味覚の面からも、栄養の面からも避けるべきでしょう。

秋刀魚は南日本で生まれ、北海道まで上ります。そこで脂がのり、翌秋にまた南下を開始。そこを漁獲されます。それでどうしても北日本で獲れたものが脂が豊富って事になります。とくに「回遊魚の宝石箱」と言うか「回遊魚の銀座」というか、やはり三陸沖のが良いです。中でも三陸、宮古産はちょうど程好い味。岩手宮古港は非常に良い場所に位置にしてるからです。

著者:手前板前 魚山人