骨とワタの無い身だけの秋刀魚の塩焼

  

サンマ塩焼(骨なし)の作り方

骨とワタの無い身だけのサンマ塩焼

サンマの塩焼きを子供にも食べさせたい
でもハラワタや骨を嫌がって好んで食べなくなった

こういう話をする奥様がけっこう多いです。

「秋刀魚はあのワタのほろ苦さがいいんじゃねぇか」
「骨くらい自分で外せない様じゃ将来ロクなモンにゃならねぇよ」

これじゃ話が終わってしまいますな(笑)
なので、こんなトウヘンボク的返事はしない事にしてます。

秋刀魚の塩焼きは丸ごと姿焼きにするのが旨いのは当然。


さんまの塩焼き

けどですな、ハラワタが苦くて小骨がうっとうしいのも事実です。そもそも姿の魚ってのは食べられる可食部分は約40%。残りは皿に散らばり残飯になる運命です。

「ワタが旨い」というのは謂わば大人の屁理屈。当人はそれで結構だが子供などに押し付けるのはよくない。もっと魚嫌いになるだけです。

身は美味しくて骨もないので子供でも喜んで食べますよね。そうやって「食べ慣れて」行くうちにやがて大人になり魚好きになる事も。

小さい時に無理矢理苦いワタとかを食わせたり、骨が喉に掛かったりしてトラウマにすると、その可能性をも摘んでしまい、大人になっても魚嫌い人間になります。

魚の旨さと栄養を失う人生は馬鹿げてますよ。とにかく思い込みによる「強制」はいけません。

そこで完全に骨の無い身だけのサンマ塩焼きの出番です。これは小さい子供さんとか病人食にも良いですよ。



サンマ塩焼(骨なし)の作り方

(1)さんまを捌く

新のサンマも口の先が黄色くなり脂ものって来たようです。

捌きましょう。
「サンマのさばき方」を参考に三枚おろしにして下さい。

こういう感じで生ゴミ入れをセットしてるとサバキがスムーズ。

出たゴミをその場で始末する料理のやり方です。料理が完成した時点で洗い物さえ無いのが理想。そこまでは難しいでしょうが、とにかく調理作業は「段取り」です。

先へ先へと思考を動かし「次にやること」を自動的にやれるのが段取り。【ちらかし放題ゴミの山】ではいけませんよ。

「三枚おろし」状態です。次に腹骨も取ってください。

サンマの三枚おろし

(2)サンマを骨なしにする

中央の「血合い骨」の部分を切り取りましょう。背の青い部分と腹の白い部分に切り離すのです。

そうしましたら12%くらいの塩水に30分ほど浸けます。
(いちいち計量するのが面倒なら、塩をひとつかみ入れて、「少しショッパイな」くらいで結構)

時間が来たらザルにあけ

ていねいに水気を拭き取ります。

白い腹の部分から行きましょう。

皮をまな板に付けて身の方を包丁でスーっと開きます

内側に向けてクルクル巻き込みます

巻き終わりを竹串で刺して止めます

こんな感じ。

次に背の青い部分を螺旋巻に

竹串で端を刺し

クルクルっと

巻き終わりを刺して止め、こんなふうに

サンマ串を盆ざるに並べて、扇風機で風を1時間ほどあてます。

風が真っ直ぐに当たるように、盆ざる、扇風機、両方の下に本か何かをカマせて斜めに。

※水分を飛ばし旨味を凝縮すると同時に形を安定させます。
要するに「干物の作り方」の応用です。

元々「塩焼き」とは魚に塩味をつけておくのが常道で、塩を振って焼くものは正確には「白塩焼き」なのです。

風を当てている間に「大根おろし」を作りましょう。

ついでに中骨をカリカリ揚げにしておきます。

中骨に粉をつけてじっくりと揚げる
揚げるのが面倒ならフライパンに少量の油(大さじ1程度)でも出来ます。フライパンの柄を持ち上げて斜めにすればいいのです。

時間をかけてカリカリにし、せんべいのようにポリポリ食べれるようにします。

(3)骨なし秋刀魚を焼く

サンマを焼きます
オーブントースターなどを使って焼くとよろしいでしょう。

焼き上がったら盛り付け
盛り付け方はお好みで

たっぷりの大根おろしにすだち。
焼魚の上には丸ごと冷凍したレモンのすりおろしをどうぞ。

骨なし秋刀魚の焼き物
骨なし秋刀魚の焼き物
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※しょう油が一番ですが、工夫したつけたれを数種用意してもいいですね。ポン酢、コチュジャンを加えた韓国風タレ、中華ふうチリソース、クールブイヨンと白ワインを使った洋風ソース、市販の焼肉のタレにケチャップを忍ばせたタレ、アイデアがあれば何でもどうぞ。


串を抜きやすくする策
焼き上がったら串を抜くのですが、ひっついてなかなか抜けません。無理に抜くとせっかくの焼魚がボロボロになります。焼いている途中に一度取り出して串をクルクル回しましょう。

皮が破けたり身が爆ぜたりしない策
薄皮を剥いておくと大丈夫ですが、それでは焼き魚特有のパリパリ感が少なくなってしまいます。「針打ち」をしておくといいでしょう。串の先などで表面になる箇所をブツブツと刺しておくのです。



血合い骨が気にならないのなら、片身をそのまま焼いても

下のように金串を打って焼くといいでしょう。

さんま串打ち

これを「つま折串」といいます。
妻折り串の打ち方
この場合は塩を振って焼けばよく、乾燥させる必要もありません。

こうした焼き方は「茶懐石料理」からの応用です。
和食の作法を順守して魚の姿焼を食べるのは大変に難しい。小骨が多い魚は特に苦労します。

なので、板前は「お客さんの手間を省く」工夫をします。あまりに面倒だと「おもてなし」もへったくれもありませんのでね。「箸で食べるにちょうど由」ってのが板前の心ってもんでしょう。
著者:手前板前 魚山人
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