魚の燻製の作り方  

魚の燻製の作り方

 

干物よりもさらに保存性を高めるのが燻製。
干物では抑え切れない「脂の酸化」や「細菌の発生」
これを解決してくれますし、燻製にしかない風味や味わいも加味されます。

燻製の製造は大きく分けて、
・低温で長時間燻煙する「冷燻」
・少し温度を高めて短い時間で燻煙する「温燻」
・80度以上の高温で短時間いぶす「熱燻」
この三種があります。

「熱燻」はイギリスのニシンの薫製などがそうですが、保存性はあまりなく、ほとんどこれをやる事はありません。

「温燻」が最もよく使われる方法で、家庭でもこのやり方をします。
スモーク・ジャーキーやベーコンも「温燻」であり、保存性は高いです。
温度は30度から60度。燻煙時間は数時間~一日。

「冷燻」は15~30度でいぶす生ハムやスモークサーモンが代表。
これは設備と細かな管理が不可欠で、家庭では不可能な方法です。

他に工場製品によく見られる「液体燻製」というものがあります。
木酢液(もくさくえき)などに漬けて乾燥させる方法です。
しかし市販の木酢液は大部分が食品向けではなく、有毒。
この方法も「冷燻」と同じく家庭製造には向いていません。

したがって、家庭で燻製を作る場合「温燻法」を使います。
実際には「温燻ベースに熱燻もプラスした方法」が多くなりますね。

燻製の作り方

魚は干物と同じく何でもかまいません。
適した魚は脂のあるアジ・サバ・サンマ・イワシなどの青もの。
川魚ではニジマスやヤマメ・イワナ類。

燻製にする魚のさばき方

ほとんどの魚は干物の作り方と同じく開きます。
干物の作り方

ニジマス・ヤマメ・イワナなどは丸のままで作りましょう。

エラとハラワタを出し、血を残さぬ様に丁寧に洗います。
血合い部分は歯ブラシなどで落とすといいでしょう。

燻製の場合は下の部分を切らないようにします。

洗った魚は水分をいったん拭き取っておきます。

燻製の手順

① 漬け込み液(ソミュール液)を用意します。
市販の溶液がありますが手作りできます。

15%の塩水 10
白ワイン   1
酒      1
コショウ 適宜
ローリエ 適宜
その他用意できるハーブ類を少量
タマネギ・ニンジンのみじん切り適宜

これらをひと煮立ちさせた後、隠し味に醤油少々
液は完全に冷ましておきます。

② ソミュール液に魚を漬けて冷蔵庫へ
約20時間ほど

③ ソミュール液から取り出し流水で塩抜きします
数時間かかります。
この塩抜き加減で味が決まります。
抜けてないとしょっぱくて食べられません。
抜き過ぎれば味わいが無くなります。

だいたい2時間が適当ですがこれは経験でしか分かりません。
なので、途中で魚を切り取り、焼いて食べてみてください。
自分の好みの塩加減になるまでそれを繰りかえします。

④ 味が決まったら水気を拭き取り頭か尾にフックを付けます。
フックで引っ掛けて陰干しにします。風通しのよい場所で。

※外気温が18度以上ある日は外に干さないこと。
冷蔵庫に入れておき、気温が低下する夜に干す。
干し時間はまる1日(24時間)くらい。

⑤ 陰干しした魚をスモーカーへ
※スモーカーは下段で説明

スモーカーを屋外に出して燻煙開始

上に魚を吊るし、中ほどには脂受けのバット
下段はスモークウッド

※開いてない丸の魚は、楊枝を2センチ長さに折ったものを腹の中央に当てて腹を開き、煙の通りと乾燥を促します。

ウッドに火を入れる

端の方から点火するようにしましょう
スモークウッドは中央部分を数段にし中間が熱くなる様に配置
ゆっくり4時間くらいかけて温度を65度くらいまで上げる
そこからじりじり温度が下がる火加減にする
温度の調節はスモークウッドの量を加減すれば出来ます

※温度計があったほうがよいです

分かり易く簡単な加熱方法
40度で3時間 その後80度に上げて3時間

また、2~3時間で仕上げる方法もあり、
(熱燻。保存性は低下する)
これは120~140度の高温で燻煙します。

魚の色が焼ける寸前の黄金色になれば完成です。


スモーカーがない場合の簡単ソフト燻製法
 

スモーカーを使わずとも鉄の鍋と網で燻製を作れます。
中華鍋やフライパンや天ぷら鍋で可能です。
(テフロン等は不可。鉄製の鍋を使います)

① ソミュール液に30分漬け込む
※液は大別して塩味か醤油味、好みで調整するといいでしょう

② 水気を拭きザルに並べ冷蔵庫へ半日

③ 鍋にチップを敷き中間地点に焼き網をはめ込む

④ 網に魚を乗せてフタをする

※蒸し物の要領でフタに箸をかませて隙間を作る
したがってフタはその鍋にピタリと嵌る専用でなくても構わない

⑤ 弱火にして15~20分いぶし焼きにする

※かなり煙が出ますので換気を十分にするか屋外で
※普通の干物もこの焼き方をすると違った美味しさになります。


スモーカーについて

スモーカーはアウトドアの店やネットで購入できます。
燻製を作るスモーカー

また、自分で簡単に作れます。
材料は石油缶やサラダ油の一斗缶がよいでしょう。
近くに寿司屋があればガリの一斗缶を貰ってきましょう。
ガリ缶はフタがあるので最適なのです。
上部に錐などで穴を開け、三本くらいの金串を差し込むだけです。
その金串にフックで魚を吊るします。

チップの原木はサクラ、ナラ、ブナ、カシワ、クルミなどです。
原木の種類で香りが微妙に違ってきます。
チップにハーブ類を加えて香りを加工するのも面白いもの。

棒状に加工されたスモークウッド/スモークチップバーは火をつけるだけで使えます。長時間一定の煙を出すようになってますので使い勝手はよいですね。

木屑状に削られたチップは別の熱源が必要です。

ソミュール液は燻製の地液として市販されています。
これに好みで塩・砂糖などの調味料や香辛料を加えてもいいでしょう。

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