包丁の研ぎ方 失敗例

  

間違った包丁の研ぎ方(1)

きちんと包丁を研げない板前が本当に多い。

やり方を知っていても、面倒がってやらない。あるいは最初から知らない。



まともにやってる板前は三分の一もいないんじゃないか。

せめてこれから板前を目指す人は、おかしな包丁磨きは板前としちゃ恥なんだって意識を持ってほしいですね。

よく見る間違った研ぎ方の代表

■水道を流し放しでとぐ

★砥クソをすべて流し去ってしまいます。砥石の事をまったく理解していないやり方。

■砥石の全体を使っていない

★すぐに中心だけがへこんだ、いびつな砥石になります。そんな砥石は正しく研ぐ人には使えません。

※砥糞
大まかに言うと、鋭い刃をつけたい場合に砥クソを利用。滑らかなキメ細かい仕上げの刃にならす場合は砥クソを流し去る。

■包丁を均等に研ぐ事が出来ない

★切れ味が戻ればそれで良いという考え方。一時しのぎで、手入れとはいえません。

以上の研ぎ方をしてると、包丁は元の形を失くしてしまいまして、真ん中のへこんだ、あるいは「ソリ」や「シノギ」の変形したみっともない形になっていきます。

真ん中が凹みだして、反りも残っていない悪い例。

どう研げば良いのか

上にあげた悪い例の逆をすれば正しく研ぐ事ができます。

反りと刃線が崩れていない正しい形。

下は使い込んだ包丁。

いくらかマシとはいえ全部正しい形とは言えません。

このブログを始めた頃に書いたのですが、プロの料理人でも包丁を正確に美しい形を保ったまま研ぐというのは難しいことです。特にプロが愛用する本焼包丁はその扱いが大変で、いったんひずみでも出ようものなら、まず料理人では修正できないでしょう。専門家に直してもらうしかありません。そういった事も理由のひとつとして、立派な本焼を持っていても、普段は霞焼で仕事をする板前が殆どです。

研ぎ方を知りたい方はこちらを御覧頂くとして
おいらの経験から少し言わせてもらいますと自分の包丁を変な形にしちゃってる職人は、簡単に言えば「研ぎ過ぎ」ですね。

特に荒砥を使いガシガシやってる職人の包丁は可哀相なくらいで、最悪の場合刃先から切っ先にかけてまるでコンコルド状態。もっとひどくなると、鋼がなくなってしまってる。現実にそんな職人がゴロゴロいます。

きちんと手入れしてれば荒砥など使う必要はありません

ではどのように砥いだら正しいといえるのでしょうか。

簡単です
購入した時のままの形を保っていれば、正確に手入れ出来てると考えてよいでしょう。勿論切れる様に砥いで、毎日使用しながらですが。

それと、包丁の事ばかりに意識がいき、砥石の重要さに気が付かない板前が多い。真ん中のへこんだ砥石なんかじゃ絶対に正しく砥げません。包丁が大事なら、まず砥石を大切にしなけりゃ話にならないですね。常に水平に面直ししましょう。

幾つか注意点をあげれば、刃先から切っ先は[しの字]を描くような特殊な研ぎ方をしますが、あとは「部分を研がずに全体を研ぐ」という事と、「左手は常に砥石の上にある」事が大事だと思います。

魚山人専用包丁色々


*煙草の箱は、サイズの目測用に置いてあります


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