刺身の角を出す切り方  

刺身の「ヤマ」

刺身ですが、皆様が普通に見る切り方は魚屋がやっておりますように、長い刺身庖丁で小口から切って次々に右へ送り並べていくというのが一般的でして、あれを「平作り」と呼びます。右へ流さずに引き切るのが「引き作り」です。

さて、プロの世界では刺身にも「よしあし」がございましてね、ポイントは「切り口の鋭角な線」です。つまりシャープな陰影でして、角が峻険な北アルプスとかの稜線に見えますのでこれを「ヤマ」といいます。

ですが、先にあげた「平作り」ですとどうしても〈平板〉になってしまうわけですよ。輪切りにした野菜やコンニャクみたいで、「メリハリ」、要するにヤマはできません。

平作りの角ではヤマにならない

そこで板前は平作りの時に庖丁をこうして「送る側と反対方向」に寝かせます。

別の言葉でいうと「刃を外向き」にするんです。
そうしますと、並べていっても稜線が出るわけですね。

 

へぎ作り

和食板前の大半は「平作り」ではなく「そぎ作り」で刺身を切ります。 その理由は柵の形に関係なく簡単に「ヤマ」を作る事ができるからです。

たとえばこんなサクはデコボコしてますので、普通に引くと「かまぼこ」みたいになってしまいます。

そこで右へ流さずに「そぎ切り」にして

屋根が出っ張る形に積み上げます

それをまとめてくるりと転がしますと、

山の稜線が出るって事になります。

ブリで見てみましょう。
同じく重ねて、下に刃先を入れ

向こう側に反転させますと

こうして鋭い稜線が出るってわけですね。

そして刺身の盛り付けは、「山の尖がった稜線」を意識して盛る様にします。

なぜそうするのか。
それは日本国の自然の風景を切り取って表現するのが和食だからですよ。

※刺身の切り方盛り方は流儀や親方などによって微妙な違いから大きな違いがあります。また、サク/節の形状の違いなどによっても引き方を変える場合もあります。
上で紹介してる「反転させる」も、誰でもやっている基本ではありません。一般的には下左の画像にあるように自然に並べて下さい(自然送りで反転させていません) 基本の切り方が優先しますので誤解なきように願います。










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