サケとマス

 

鮭と鱒は別種だと普通思われています。一般に秋に川を遡上するのが鮭、春が鱒。頭が小さいわりに胴体が太くウロコが小さいのがマス。魚体もウロコも大きいのが鮭。などがいわれますけども、この両者を分ける明確な区分はありません。ヤマメやイワナやいわゆるマス類も鮭・鱒と同一です。

サケ科の種は沢山いますけども、国内のサケの源は北陸・東北・北海道になります。サケの語源はアイヌ語の「夏の食べ物/サクイベ」からだとも、身が裂けやすい魚であるからだとも云われます。

サケのさばき方

基本的なさばき方は他の魚と違いません。
魚のさばき方

鮭は塩がきいており、塩のない冷凍生の場合でも脂が強く庖丁が入り難いもので、そのわりには身が脆いです。あまり魚体を動かさずに大名におろし、そのまま返さず中骨だけを梳いて三枚にします。

 

詳しくは 鮭の上手なおろし方・保存方法・鮭料理 (外部サイト)

切り身にするときは「ハネ切り」にします。
魚の切り方・ハネ切り

しかし、身から庖丁するこの切り方より

こうして皮から庖丁をした方が良いでしょう。

この場合、庖丁は押す様な加減で使います。
庖丁では例外的な押し切りです。

これは身の締まり具合や皮の硬さなどから、引き切るよりも押す方が庖丁が安定するからです。安全で確実ということですね。


生サケの場合

生サケもさばき方は同じですが、生のサケは通常〆てから使うのが普通です。身が脆く脂がきついですからね。半凍り状態のルイベですと身が脆くても構わないのですが、それは限定的で少量の場合だけです。

下の様に三枚におろしたあと背と腹の節にします。

大量のベタ塩で数十分〆て

洗い流します。

それからさらに酢で〆ます。これも数十分

サケはこうして〆ても、ほぼ生の状態を保ってます。
(脂や魚体の大きさから)

この後でも充分刺身として食べられるのです。

鮭の皮の美味さは際立っておりますので、焼き霜作りがおすすめです。


焼き霜作り

イクラの作り方

メスの鮭には生の筋子が入っています。

お湯の中に入れて柔らかく揉み、筋を除いてバラバラにし、ザルにあけます。

このままお好みの量の塩を振って、ザルを動かし混ぜて保存すればイクラになります。
醤油、味醂、酒などの地に漬け込むと醤油漬けになります。

鮭の内臓その他

頭を割り、鼻先から頭の付け根にかけての軟骨部分を横から薄くスライスして塩を振ったあと酢にすれば『氷頭なます』(ヒズナマス)として肴になります。ユズなどを天に盛り食べます。残りは汁物や焼物に。

白子

オスの精巣です。酢の物や汁物に。

胃と腸

内容物を扱いて塩辛にすれば『チュウ』になります。ホルモン焼きにも汁物にも。

腎臓

中骨の血合いの部分。これを洗って塩辛にしたものが『めふん』

肝臓

きも和えやその他色々な料理でコクがあります。

ちょっと他に比較するものが無いほど鮭の皮の味は秀逸。カリカリに焼いて食べると最高の肴です。

氷頭なますの作り方
まず口先を上にして安定させ、鼻と眉間の部分を切り落とします。それを薄くスライスして、酢に漬けるだけです。酢に砂糖と塩を加えて甘酢にし柚子と千切りしょうがを入れて漬けたら【氷頭みさご漬け】です。コリコリした歯ざわりで旨い酢の物です。

鮭の種類


しろざけ

サケとは普通このシロザケを指しています。
身に赤身が少ないので白鮭。

新巻しゃけ

『新巻鮭』はシロザケを沖獲りにした一塩ものを指し、強塩は『塩引き』です。

秋あじ

『秋あじ』は秋に獲れるサケで成熟近くの固体。
まだ婚姻色が出る前の鮭で秋鮭の代表です。

銀毛

『銀毛』は沖で獲れる産卵前の鮭。綺麗な銀色のウロコが特徴。

めじか

『めじか(目近)』は秋あじ漁が終わる頃に獲れる固体。

ときしらず

『ときしらず』は日本の川が故郷ではないと考えられる婚姻色が全然出ていない若い固体。夏場に北海道沿岸で獲れる。『とき』『時不知』または『大目マス』ともいいい肉質が良い。

けいじ

『けいじ』はトキシラズよりも若く外見から雌雄の区別がつかない固体。『鮭児』と呼ばれ非常に漁獲量が少なく高価。

シロザケ類と紅鮭の画像元

ブナ 川に入り産卵前の状態を「ぶな」といいます。
川を遡る順に
Aブナ→Bブナ→カワブナ→ホッチャリ
川を遡上するに従って産卵が近くなり、オスは徐々に鼻が曲がり雌雄とも魚体に赤斑が表れ皮が厚くなり価値が低くなっていきます。ホッチャリは産卵後で商品価値はありません。

紅鮭

色が鮭類の中で最も赤いのでベニザケ。旬はシロザケと同じ。
湖のある川を故郷とします。見栄えも味も抜群です。


ますのすけ

2メートルにもなる大型を『マスノスケ』っていいまして、『キングサーモン』のこと。「すけ」とは「大きい」の意です。


ぎんざけ

養殖や輸入で安定して比較的安く入手出来る鮭が『ギンザケ』(ギンマス)。スーパーに切り身で並んでる鮭のほとんどがこれです。


たいせいようさけ

主にノルウェーで養殖されている鮭。『大西洋サケ』(ノルウェーサーモン)です。

あとは、カラフトマスとかサクラマス(ヤマメが海に出たもの)などがあります。

美味いサケの選び方

鮭にはいろんなラベルが貼られてます。
このステッカーで鮭の良し悪しが判断できます。

『丘』 川に入って捕獲されたもの
『定置』 網で大量捕獲されたもの
その他『銀』や『特』など色々なラベルがありますが、
『釣』 『沖』 『紅』
この三つの文字に注目して下さい。
この三つが全部あれば極上品です。
意味は、沖で一本釣りされた紅鮭って事です。
特に大事なのは『釣』と『沖』です。

鮭児

食いたくてもなかなか食えない魚に、葉山の根サバともう一つ、知床のトキシラズ(時鮭)と鮭児(ケイジ)があります。普通鮭は4~5年で産卵の為に戻って来たモンを獲るんですがね、たまに子供のままで戻って来ちゃうヤツが1万分の1くらいの割合で混ざってるんですわ。正確にはアムール川生まれなのに北海道に迷い込んだはぐれ鮭です。

産卵したら死んじゃう親鮭と違い、脂ののりがまるで違う。食味は極上です。
鮭児の脂はマグロで言う大トロで、値段もそれに匹敵します。

「一万匹に一匹。究極の“幻の魚”鮭鱒系最高峰の魚」
こんな文句が並ぶ鮭児なんですがね、確かに美味いことはうまい。

 

しかしこの値段。
正直言って、刺身一切れの原価が千円を超えます。

売価は店により異なりますが、安くて1500円から高い店だと5000円以上。握り寿司でもそのくらい。おいらも客商売、お客さんからの注文は断りきれませんので、稀に鮭児を仕入れる事もありますが、自分で食べてみての感想って言いますと、「マグロのトロ」ですねぇ。

証明書まで入ってます

話の種に一度くらいは食べておく魚ってところでしょうか。

国産サケと輸入サケ

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