せん切り(細切り)
小口切りのひとつです。
材料の姿形が違うだけでやり方は同じ。
要領も注意点も同じ。
切り幅によって色々と名前が変わります。
アバウトに、
マッチ棒くらいの幅に切るのが細切り
1ミリ以下の薄さに切るのが千切り
そう考えればいいでしょう。
※千六本、極千、白髪などなど色々な呼び方があるが意味は同じ。
材料に厚みがある、厚みをつけたままにして切りたい。そんな場合は「薄切り」にします。
和食ではネギやショウガ、ゴボウなどを、一般的にはキャベツやニンジンやピーマンをせん切り・細切りにします。基本的には繊維に沿って切りますが、料理目的・素材によって微妙に変化しますので注意して下さい。繊維に沿うと歯ごたえが残るし、切断すれば柔らかくなります。
例えばピーマンを縦に切るか横に切るか迷う事があるでしょう。生サラダ系には横から切って繊維を切断、炒め物には縦切りにして繊維を残しシコシコに。「あれ、これって逆じゃなかった?」そういう迷いが出るかも知れません。
はっきり言うと「どちらでもかまいません」
人の好みはみな違うからです。
サラダには歯ごたえを出したいので縦に切って繊維を残しますが、タマネギなら非常に食べ難いものになる。タマネギは横切りしてサラダに加えます。一方でニンジンを横切りにしてサラダにすれば歯ごたえは消えるので縦に切る。
だからと言って逆では食べられないというわけではありません。
よく分からぬうちはレシピに従えばいいですが、結局は自分の好みになってくるということです。
青椒肉絲(チンジャオロース)のピーマンを縦切りか横切り(繊維切断)にするか。一般的には横切りですが、これはコック長によって違いますし、違うからといってそれは間違いという意味ではないのです。
南瓜の粗千切り。画像右は薩摩芋の細切り。

キャベツの千切り
キャベツは切り口で鮮度が分かります。
中央の芯のカット部分を見て下さい。
ここが瑞々しいものなら問題なし。
古いものは変色しています。
春キャベツは緑が濃く柔らかく巻き込みがゆるいものを
冬キャベツはしっかり巻き込んだずっしり重たいものを
カット販売のキャベツは葉と葉の隙間をみます。ここがゆるくないものを。
主にコールスロー(サラダ)にする細切りです。

和食系ではトンカツの添えとしてお馴染ですね。
・キャベツは傷んだ葉があれば剥ぎ取っておく
・中央の固い芯を、包丁をV字に使ってくり抜く


・半分にカットされたキャベツも同じです

半分に切り、白い部分をポコンと取り出してください

それをさらに3つくらいに分けます(手でくり抜く)

凹んだ部分を下にして上から軽く押し潰します

端から細く刻んでいきます

非常に口あたりの良い千切りができます


青い部分も使う場合は、芯の固い部分を切り取り

同じようなサイズを数枚重ねて刻みます。
※ロールキャベツにする場合、この芯は出っ張った部分だけを削ります。
その他の料理ではここは白い個所にくらべて口あたりが粗くなるので「ざく切り」にして炒め物や味噌汁の具にした方がいいです。
→キャベツの葉をむく
※千切りを水にさらすとパリパリするのは、細胞膜のペクチンが硬化するため
※キャベツには「抗かいよう性因子」が含まれています。これは胃潰瘍や十二指腸潰瘍に効果があるとされる物質。この成分は水に溶けやすく、加熱に弱い。なので、粗い千切りを生で食べると効果的
ピーマンの細切り
輪切りにしたい場合はヘタ周辺から1センチくらいの箇所から切り落とす。

その他は横から半分に切る。

輪切りは、包丁先を突っ込んで白い部位と種を除去
肉など詰め込む場合もこのやり方でいいです。

そのまま横にして小口から細切り

縦に切ったやつは手でもワタは取れますが、庖丁でグルリ


突っ込むようにして重ね並べ、

端から切ります

慣れれば5~6個をいっぺんに刻めます。
繊維に沿って縦に打つ場合です。
これは歯ごたえが固くなるので、用途と目的を明確に考えなきゃいけません。

みじん切りにする場合、上の状態のまま90度回転させて小口から刻む。