椀のあしらい


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椀のあしらい

「あしらい」は和食の料理すべてにおいて重要な役割を果たします。
ここでは汁物と煮物に共通するあしらいを紹介しておきます。

煮物や椀には主役があり、椀の場合は【椀種】がそれです。
主役に添える脇役として【つま】をあしらいます。

椀づま

ツマ(妻)は【青み】【さしこみ】の二種類が基本。

青み

和の料理には「緑」が欠かせません。
彩りになる緑色の野菜を「青み」といいます。
青菜類、絹さや・いんげん、青豆など。

あらかじめ茹でておき、仕上がり直前に加えます。
又は地に浸しておいて盛り付け時に加える場合もあります。

いずれも鮮やかな緑を活かして料理全体の色彩を映えさせ、それによって盛り付けを引き締めます。ある意味で和食の盛り付けは青みが左右すると言っても過言ではありません。

さしこみ

青み以外の椀妻を「さしこみ」と呼びます。
主材料に対して、脇役となる副材料です。
麸、湯葉、蕗、独活、蕪、鱧に添える松茸など。

吸い口と天盛り

汁物以外の料理、例えば煮物、和え物・酢の物などを山形に盛り込み、仕上げに一番上に添える「香り物」を【天盛り】と呼びます。

汁物の場合、これに相当するのが【吸い口】です。
多くの場合、この「吸い口」と「天盛り」の材料は共通しています。
(それのみにしか使えない例外もありますが、稀です)

柚子

もっともよく使う香りもの
初夏は「花柚子」、夏は「青柚子」、寒い季節には「黄柚子」

切り方は「みじん柚子」「へぎ柚子」「あられ柚子」「松葉柚子」「輪柚子」など
おろし金ですりおろし、「ふり柚子」にもします。

山椒

山椒の若芽が春の代表的な香物である【木の芽】
初夏に開く花【花山椒】
夏場の【実山椒】
実が熟す秋の【割り山椒】
皮を粉末にしたものが【粉山椒】

胡麻

よく使うすり胡麻は油が出ますので、口にする場合は下記のように。
【切り胡麻】いり胡麻を包丁で切ったもの
【ひねり胡麻】いり胡麻を指でひねり潰したもので、「つまみ胡麻」とも

つゆ生姜

おろししょうがをガーゼ等で包んで絞った汁
「絞り生姜」「生姜汁」

溶き芥子

洋芥子や和芥子をぬるま湯で溶いたもの
和芥子は苦味があるのでアク抜きする

・和芥子のアク抜き
器に粉芥子を適量入れる
40°Cくらいの湯で芥子を溶いて練る
(湯は数回に分けて少しずつ)
器の上に和紙(懐紙など)をおいて蓋をする
紙の中央を指で押さえ、凹ませると同時に中身と付着させる
凹に水を少量、
そこに、火をおこした熱い炭をおく
ジューとなり炭火が消えるまでおく
紙・水・炭を取り除き、仕上げ練り
器をふせおき、使う直前に練り直す

その他

●三つ葉・結び三つ葉
●茗荷
●白髪ねぎ(白ネギ)
●洗いねぎ(青ネギ)
●針しょうが・針わさび
●蘭花





手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人