大間の赤身と大トロ


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大間の生マグロ

今年(09年)11月、ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)の年次総会で東大西洋・地中海のクロマグロの2010年の漁獲枠を1万3500トンにする事が決まりました。前年比4割減です。
大西洋産の本マグロ(クロ)は全体の5~6割になりますので、価格にもなんらかの影響が出るかも知れません。11年以後は資源調査の結果により決定されますが、減少が著しい場合、全面的に禁漁される可能性すらあります。

しかし国内のクロマグロはむしろ在庫増加傾向にあります。
これは景気が冷え込み、需要後退が起きたせいでしょう。それに「畜養」に新規参入する業者が増加し、畜養マグロが倍以上になってさらに在庫増加を招いている様です。結果としてクロマグロ全体の卸売価格も下落傾向になり、前年比1割強ほど安くなっています。これらの事は「中長期の供給過剰」の前兆なんでしょうか。

※中国の傾向を見れば、長期的には需要過剰になるでしょうが。

大間まぐろ 近海本マグロ

上記のマグロ事情から超然としているのが国内で獲れた「近海生本マグロ」です。なかでも津軽海峡で6月~12月末に獲れるクロマグロは別格。

北海道側では渡島半島の【戸井】
対岸の青森側では【大間】

イカを主な餌とする戸井のマグロは漁獲後の処理が素晴らしいと評判で、身質は申し分ありません。

一方、大間のマグロは一本釣りされる事が多く、餌は青魚。
この大間マグロは「日本一のマグロ」としてすっかり有名に。
築地値はキロ1万1000円ほどする場合も。

赤身は近海生ホンマ独特の渋みがあり、黒に近い深い赤色です。
あるていど熟成させた方が食べやすくなります。







手クズを少しつまんでみます。


同じくクズを握ってみました。

冷凍や他のマグロとはやはり違いますが、年配の関東人はともかく、他の地域や大勢の人達が「美味しい」と感じるかどうかは疑問だと今は思っています。昔はこれがマグロの味だと普通に感じていたんですが、関西とか各地に出向いたり、冷凍鮪を扱う機会が増えたりした現在はむしろ、インドやバチやキハダの赤身を支持する人が多いのでないかと考えています。

大間鮪の大とろ

腹の大トロ部分です。





これも普通は掻いてしまう手クズを握ってみます。


ここだけはやはり他のマグロと違う様です。
おそらくは誰が食べても「美味しい」味と言えましょう。

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