柵をどう取るかはこのページを御覧ください。
→マグロブロックのカッティング
血合いを取ったマグロのロインやブロックに残った骨などを掃除しておきます。

「テンパ」という赤身部分を最初にハネます。
これが天端(テンパ)マグロ最中央の赤身です

次に、皮ぎしから上の高さがヒトタケ(約10センチ)になるまで、横から水平に赤身を削ぎ切ります。
庖丁を寝かせて水平に。

※魚体が小さい場合はテンパの扱いを変える時もある
→テンパを出さない切り分け方
皮ぎし部分がヒトタケになりました。

※赤身部分を切り取った状態で、これを「座布団」といいます。
残った血合いなどを掃除してやり

今度は包丁を立てて垂直に切り込みます


こんな感じですね。

座布団を垂直に切り取っていけば、自然に短冊形になるわけです。
赤身の部分も短冊型(サク)にしましょう。

きれいな長角型になるように考えながら包丁し

サクにしていきます。

赤身部分のサク

皮ぎし(中トロ)のサク

どうして上の手順でサクドリするかといいますと、このやり方をしないと筋目がおかしくなるからです。サクというのは刺身を切る土台であり、すぐに小口からカットして仕上げるようになっています。この段階で筋目が狂っていれば刺身が出来ません。
筋の向きがこうなっていなければダメなのです。

サクの筋をこの向きにするために、昔からマグロのサクドリは手順が決まっているのですね。
中トロの「血合いぎし」などもありますので、注意して上手に切り出すようにしましょう。
画像の円内が血合いぎしの中トロ。美味い部分です。

※血合いぎしの中トロの切り出しは、冷凍マグロのサクドリ編を御覧ください
大トロやその他の部分
マグロの顔に近い腹ロインの部分を「腹上」といい、ここの座布団から「大トロ」を切り出せます。
大トロ部分

切り方は上の座布団と基本的に同じであり、刺身幅をとって垂直に切り出していけばいいのです。
ただ、マグロの腹部分は少し複雑な構造をしており、大トロにも二種類あります。
まず、カマ直下あたりにある「霜降りの大トロ」

先端付近にある「蛇腹」(ハラモ・砂ずり)

このへんは、最終的に刺身になった時のイメージを頭に描きなら、上手にサク取りしていきましょう。
筋の粗い蛇腹などは、刺身に切る時にバラけるし、順目に切っても筋があたる。そのへんをよく考えつつ状況に応じて判断します。

頬肉
カマからそのまま頭に部分に行きますと、頬の肉につながります。カマの霜降りと似た感じの「頬肉」がありますので、頭を商品にしない場合はここも忘れずに切り出しておきましょう。

マグロのヅケ
マグロはとにかく肉量が多く、江戸時代などは冷蔵庫がありませんので、保存の為に赤身を醤油に漬け込みました。これが「漬鮪」、所謂ヅケです。大とろ部分は醤油を弾いて漬かりませんので江戸庶民から敬遠され、人気なのは赤身。
ここから鮪の赤身を通称「ヅケ」呼ぶようになったのですね。
鮮度などに問題がある場合、赤身を「ヅケ」にしてみるのもいいですね。生醤油では角がありますんで、昆布を加えたり、煮切り酒等で丸くすれば良いです。

湯引きしてから漬けるのが昔ながらの方法です。


→ヅケの作り方
① マグロのおろし方(1)(めじ)
② マグロのおろし方(2)サク
③ 冷凍マグロのサク取り(1)赤身
④ 冷凍マグロのサク取り(2)トロ
⑤ オチとネギトロ
⑦ マグロ刺身の切り方
マグロの種類など