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ステーキを焼く

「表面を急激に熱してたんぱく質を凝固させ旨みを閉じ込める」
これは大昔から伝わるステーキ焼きのコツです。
現代においては色々疑問もありますけども、大筋にはこの通り。

この「伝統」を踏襲しますと、致命的な失敗をする可能性もあります。
最低のステーキにしてしまいがち。

最低のステーキとは、「表面だけ焦げて中が冷たい」ものです。

これを避けて、
「外がパリパリ、中はジューシーながら温かい」ステーキを焼いてみましょう。

☆肉を常温に戻しておく

焼く少し前に冷蔵庫から出すのはバツ。
これでは焼きムラが出来て当然です。
1時間前には冷蔵庫から出しておくこと。

☆高級肉でない場合は柔らかくする工夫を

肉を柔らかくすると言ってバシバシ叩いてはいけません。
そんなことをすれば旨味成分が流れさってしまうだけ。
筋が多いなら包丁で筋を何箇所か切ればいいのです。

・ショ糖(砂糖で良い)をふって30分ほどおく
・すりおろした果物を加えておく
パイナップル、キウイ、リンゴの酵素は肉を柔らかくする働きが
(注意:この二つは「知識」であって、実際に行う人はあまりいません)

☆焼く2分前に塩・コショー

塩は肉汁を閉じ込める働きをしますが、
早くやりすぎると逆に肉汁を引っ張り出してしまいます。
同時に固くしてしまうのです。
なので、焼く少し前のタイミングが良いとされます。

※分厚い肉を焼く場合、塩をしない方が仕上がりがよい
固くなりすぎを懸念する考えです。
食べる前に塩を振るか、ソースのみで。

☆初めから終わりまで「強火」では成功しない

多くの場合「油脂」を利用して焼きます。
アブラは自分勝手に高温になり続け、温度調整が不可能になります。
したがって火力を変えぬ限り、必ず焼き過ぎになるのです。

表面に色をつけた後は微妙な温度調整を忘れずに。
また、アブラを利用しないという手段もあります。

※肉のたんぱく質を柔らかくする酵素
パイナップル→パパイン
パパイヤ→プロメライン
キウイ→アクチニジン

これらのたんぱく質分解酵素【プロテアーゼ】は、玉ねぎにも含まれます。
フルーツに抵抗のある方は玉ねぎのすりおろしに肉を浸けておくといいですね。
プロテアーゼはすりおろした方が効果的ですので。

ちなみにゼラチンの凝固作用も「拒否」されることがあります。
上のフルールはゼリーに向きません。(酵素を止めれば大丈夫ですが)

※酢やワインビネガーの酢酸、レモンのクエン酸にも肉を柔らかにする効果があります

※安物のステーキ肉にベーキングパウダーを少々ふって焼く。
不思議と高級肉の食感になります。

筆者の庶民派ステーキ

いつも松阪牛だのといった黒毛和牛ばかり食べていては病気になります。
(本当は懐具合が寂しい? 笑)

これは安い牛肉。

脂身は問題外です。
食べる意味がありませんし、「毒」を体内に入れる気は毛頭ありません。
なので、除去。

ついでに、
もともと厚みがない肉なので、焼き具合を調整しやすい様にカット。

まずオリーブオイルでニンニクの薄切りを炒めます。
ニンニクは油が高温になってから入れてはダメ。
油を入れると同時で良い。
さらに「こげ色」を付けてはダメ。
透明感が出たタイミングで肉を焼きます。

素早く肉の両面に焼き色をつけ、すぐに「火を止める」
あとは鍋に蓋をして余熱で中心を温めるだけ。

一度取り出す。

空になった鍋だけを強火で加熱。

肉を箸で持ち、「盛り付け表」の面だけをさっと高温の鍋肌に。
「焦げではないきつね色の焼き色」がついたら盛り付け。

食べる前にさっと塩をふって頂きます。





手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人