竹の子の茹で方・焼き方/筍料理


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春野菜 竹の子の料理

竹の子は筍とも書きますが、これは10日(一旬)で竹になってしまうその成長の早さからです。なんといっても春野菜の代表は竹の子。

一般的なのは美味しくて太い孟宗竹でして、これが早くから出回ります(2月)少々遅れて赤紫の破竹なんかが出てきます(4~5月)

水煮は年中ありますが、掘り出した生にはとうていおよびません。竹の子ってのは魚と同じく鮮度が命。

「朝堀りをその日に食う」それがベストですね。
魚と同じく刺身が最高ですが、これはまだ地下にあるものを掘り出した「白子」でなければ駄目。その味は絶品です。

少し早めの竹の子料理もいいですね。桜の終わりに出回るのが普通ですが、早掘りは市場に姿を見せています。

竹の子の下ごしらえ

生の竹の子はアクが強く、普通は米ヌカで炊き込んでアク抜きをしないといけません。

筍下処理手順

1 外皮を何枚か剥いてよく洗う。
2 先を斜めに切り落とす。
3 底の固い部分の汚れを削りとる。
4 縦にして、真ん中に切り目を一本入れる。
5 鍋にたっぷりの水と米糠か米のとぎ汁を入れる。
    (カップの一杯程度でよい)
6 そこに筍と赤唐辛子2~3本を入れる。
7 落し蓋をして強火に。
8 沸騰したら弱火にして約1時間。
9 中心まで竹串が通れば出来上がり。ザルにとり、冷ます。
10 姫皮まで剥いてよく洗い、イボをこそげ落とす。
11 しばらく水にさらす。
10 適当に包丁して各種の料理に。

冷めた後、包丁を入れた部分から外の皮を剥いて、このような状態にすればOKです。

これを普通はくし形にカットして使います。
竹の子の切り方

※竹の子のエグ味(アク)はシュウ酸やホモゲンチジン酸などによるものです。米のとぎ汁や、水の2割程度加えるヌカが、これらの成分を水に溶け出させます。加えてヌカの酵素には竹の子を柔らかくする作用もあります。ヌカのデンプンにより竹の子の酸化を防ぎ、白く仕上がります。

※皮ごと茹でると、皮に含まれる亜硝酸塩の作用で竹の子の繊維をほぐして柔らかくする効果があります。

 

皮もムダにしない

先端部を包んでいる柔らかい皮を「姫皮」とか「甘皮」とか「絹皮」などと呼びますが、よくアク抜きした姫皮はどんな料理にしても美味しいです。




外の固い皮も乾燥させて保存しておけば使えます。
「竹の皮焼き」等の料理や寿司等。

可食部分も用途に合わせて使い分けますが

クズになったところも残さず料理に使うようにしましょう。

竹の子ごはん
竹の子ごはん 作り方

底の固い部分は、塩を振ってポテトチップの感じにして揚げると、良い茶うけになりますよ。

含め煮にする事が多いですが、

竹の子はカツオダシとの相性が大変に良いので、濃い出汁を吸わせるとよいです。出汁は濃厚に作りましょう。



追い鰹すれば更に美味

若竹煮と土佐煮 作り方
若竹煮と土佐煮 作り方

焼き竹の子

以上の様にかなり手間がかかりますが、この手順をすっ飛ばして手早く食べる方法があります。それが「筍の姿焼き」です。

縦に二つ割りにして

このような切り込みをいれます

フルーツ切りのパイナップルボートの要領


それをホイルに包んで、

焼き網かオーブンで焼き

たけのこオーブン焼き

塩か土佐醤油(だししょう油)で食べます。
ホイル焼きの注意点は火力です。いわゆる「強火の遠火」では蒸し焼きになってしまうし、弱火では水分を失くすだけの乾いた焼き物になりますね。直火に当てて焼くのが良いでしょう。バーナーにあてて短時間で焼き上げます。

九州産の早掘り筍を焼いて食べてみました。

筍と春山菜

竹の子料理と木の芽

竹の子料理にどうしても添えたい「あしらい」があります。それが香りの良い「木の芽」です。

山椒の若芽ですね。
この香りが竹の子と良く合いますし見た目も美しい仕上がりになります。完成した料理の上にのっける時、手のひらでパチンと叩くと一層香りが出ます。
たけのこ木の芽和え

春野菜

ついでに春の香りがする他の野菜も紹介しておきます。

フキ
特有の香りと苦味、美しい淡い緑色のふき。
貴重な日本原産野菜のふきは和食でよく使いますし、これも今が美味しい季節。

フキは茹でる前に「板ずり」といって、粗塩を振ってまな板で転がす様に擦っておきますと、皮をむきやすくなりますよ。

フキと姫竹

根曲がり竹 姫竹

ワラビ

万葉集で「いは走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」と志貴皇子が詠んでます様に、古代から日本人に親しまれた蕨。これも春の野菜です。

下はアクやクセのない「こごみ」

皆様も、色々な竹の子料理に挑戦して、春の食卓を華やかに演出なさって下さい。

春山菜を使った春のお弁当
竹の子山菜弁当


山菜
たらの芽・蕗の薹・菜花

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手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人