まず味噌
寒い季節は赤を濃くし強め。暖かい季節は甘めにが基本。
※味噌汁は地方色が著しく一概に言えません。こちらの調理別味噌仕立てもご覧下さい。
→調理別味噌仕立て
あらかじめ季節にあわせて赤と白を練っておきます。その時に昆布の細切りを混ぜ込んでおくとよいでしょう。(昆布は味噌の塩分で溶けてしまうので邪魔になりません)
次に出汁
二番出汁で結構ですが「濃度」を高くしたいので「追いガツオ」して作ります。味噌汁の出汁は香りよりも濃さだと考えて下さい。香りは味噌の添え程度。
味噌汁の具
水気の強い材料は汁の持ち味を阻害します。ですので、下ごしらえが肝心。例えば青菜類でしたら塩を加えた湯で軽くボイルしたあとゆるく水気を絞り、醤油洗い(二滴ほど醤油をさすだけ)します。これは味を付けるためではなく、塩分で水を抜くのが目的。また水気飛ばしの為に材料を揚げておくのもよい方法、水分はいけませんが油との相性は下記の様に良いからです。
味噌汁の手順
出汁を沸かして下ごしらえなしの生の具から入れていき火を通します。
アクが泡ぶきますのでよく取りましょう。
すべての具に火が入ったら味噌を溶きいれます。家庭用の小さな鍋ですと、溶く時に具を損なう場合があるので茶碗などにおたまで汁を移し、そこで味噌を溶かして鍋に戻すといいでしょう。漉し器を使わなくてもこれだとダマができません。
味噌を溶き終え味をみてOKなら即火を止めます。
味噌を入れた後沸騰させてはいけません。
吸い口は吸物だけのものではありません。味噌汁にも使います。
ネギ、あさつき、三つ葉、ユズ、はもとより、ミョウガ、シソ、ゴマ、カラシ、ワサビ、生海苔、魚系なら山椒とか七味や生姜汁。他にも色々。ほんの少量香り付け程度に使いましょう。
具との親和性
ワカメ・豆腐・なめこ・シジミといったさっぱり系の具には赤味噌強めが合います。イモ類や魚のアラといった内容の濃い具には白味噌を使い甘くした方がよいでしょう。
塩分が気になる
そんな方は塩分を減らすバカバカしい努力をするよりも、「カリウム」が豊富な具を沢山入れてバランスさせてみましょう。イモ類や蓮根、ホウレン草や春菊などです。
魚の味噌汁
下に作り方を書いていますが、味噌を入れる前の段階で『酒』をお玉の一杯くらい入れてみて下さい。酒は和食料理にとって『魔法の調味料』なのです。
美味い味噌汁を簡単に作る方法は
「あぶら」を利用する事です。「脂」 「油」 ですね。
動物性でも植物性でもどちらでもいいです。
人は本能的に脂が焼ける香りに、強烈な食欲を喚起されます。
ステーキや焼肉、焼き鳥、焼き魚を思い出して下さい。
殊に魚と野菜類のアブラは他の動物性脂肪と違いまして、リノール酸、アラキドン酸、リノレン酸という不可欠の栄養素を含んだ元ビタミンFまたは必須不飽和脂肪酸というヒトの身体に大切な栄養素を持っています。
*沖縄ではみそ汁の具に肉類が無い場合、ラードやマーガリンを入れる事もある様です。また沖縄における「みそ汁」は違う意味合い(一膳の料理です)もあります。肉系のアブラには少々疑問を感じるところですが、旨味が増すのは確かです。
何も用意が出来てない場合でも、油揚げを入れるだけで美味さを増す事が出来ます。
アブラの効用ですね
これはオーソドックスな味噌汁に見えますが、

ポイントは豆腐とサイズを合わせてサイコロに切った「さつまあげ」。つまりこれも隠し味は「油」
★応用例としてたとえばモヤシを具にする場合、塩コショウしてアブラ炒めにしてから味噌汁に加えるという方法もありまして、家庭の味噌汁なら絶対そのほうが旨いです。ただしこの場合は炒め油に胡麻を使用してはいけません。