基本の剥き方・切り方  

剥き方と切り方・概要

野菜の切り方は、それこそ板前の数だけ無数にあると言ってもよいくらいあります。

そのベースになるむき方の基本は二種類。
縦むき(四・六・八方むき)
横むき(輪むき)
この二つを基本として正確に出来れば、あとは応用で様々な野菜包丁が可能になります。

剥いた後は切るわけですが、切り方には
輪切り・半月切り・銀杏切り・拍子木切り・色紙切り・短冊切り・さいの目切り・小口切り・ぶつ切り・斜め切り・乱切り・くし形切り・薄切り・せんろっぽん・せん切り・みじん切り 等があり、さらに飾り切り/細工切りもあります。

丸い輪状の野菜の表面を滑らかにしたい料理は、主に輪むきにします。

アクの強いさつま芋なども厚めの輪むきが適します。

これを極薄くむくのがかつらむきで、巧くむくコツは左手の使い方にあります。両の手首と親指の腹も大事なポイント。これはある程度の修練が必要になります。

大根かつらむき
蓮根かつらむき

かつらむきの応用
大根の網切りと大根人参の紅白千代結び、網は姿造りなどの飾りに、結びは膾にする。



六方むき・八方剥き

多用するのは縦むきでして、これはご家庭でもよく使うむき方だと思います。これのコツもやはり庖丁の持ち手だけでなく野菜を持つ手も使う事です。両手を上手く使うという事になります。納まりが良いので六方に剥く場合が多くなります。

薄く剥こうとすると巧くいきませんので、厚めに、一息に剥くのがコツです。

六方蕪
里芋六方

大根、人参、カボチャ、イモ類などを煮物にする場合は、煮崩れしないように「面取り」をします。鋭い角を切り取って、鋭角を丸くするのです。

南瓜面取り

カボチャ等の固くて安定しない形の野菜は危険ですので、安定する形に整えてから剥いたほうがよいです。整形した後、横に向けてから皮を削ぎ落とすようにします。

 

ちょっと変わったむき方(切り方)にゴボウのささがきがあります。
きんぴらや柳川、和え物などに使います。縦に切れ目を数本入れてから、鉛筆を削る要領で。

ゴボウささがき

祝いの膳に

祝料理には「結び野菜」を加えると喜ばれますので、知っておくと便利かと思います。見た目も引き立ちますが、「結び」は縁を結ぶの意で、縁起の良いものとされています。

キスや三つ葉、昆布やカマボコ等が代表で、相生結び、淡路結び、千代結び、文結び等があり、一重と二重に重ねるやり方があります。

ゴボウで蓬莱結びを、これらを添えると、祝う気持ちを表現出来ます。剥きもの道具で細かく細工する事もありますが、包丁のみで簡単に出来る切り方もあります。
細く切ったゴボウを、酢を少々加えたお湯で茹でて柔らかくしてから結びます。大根や人参は、塩水に漬けてしんなりさせてから結びます。

蓬莱結び
蓬莱(ほうらい)とは、古代中国では五神山のうちの一つで、日本や台湾を指すという説もあります。始皇帝が長寿を求めて、ここに使者を送った故事から、長寿の意味合いでも使います。


蓬莱結び

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