牡蠣のむき方



牡蠣

牡蠣の旬は一般的に冬で、これは寒牡蠣です。
その他、夏も食べれる「岩ガキ」があります。


岩牡蠣

冬ガキも夏ガキも、むき方は同じです。
むき方を簡単に説明します。



牡蠣のさばき方

注意点

殻付きの生ガキは、割れたグラスを素手で握り締めるようなもの、怪我しないよう細心の注意が必要です。

貝を保持する左手は、軍手をはめるか厚手の布巾でしっかりと巻き込み、素手は避けて下さい。

カキをむく道具

ツバの付いた専用のナイフが良いんですが、無ければテーブルナイフでも出来ます。貝柱を切断できればいいのです。

むき方

殻付き貝のほとんどは、「貝柱」を切断すれば簡単に口を開きますが、やっかいなのは石のように固く口を閉ざしているケースで、カキもそうです。

でも、貝柱の場所さえ分かれば口を閉じていても大丈夫です。

この場所に貝柱があり、

ここにナイフを入れます。

固く閉じてますので、ねじり込むようにしながら。

カキはブーメラン形に湾曲してますので、凹んでいる側面にナイフを入れる。そこに貝柱があるので、柱の付根を切断するんですね。

柱を切断できたらナイフをクルリと捩じり開く

1.ナイフを入れる
・牡蠣の丸い方の殻を下に、平らな面を上に
・凹状に湾曲した側面を手前に向ける
・その底辺部分に閉じ口と水平に差し込む
・先が少し入ったら捻ると入りやすくなる

2.貝柱を切って身を取り出す
・上側の殻に沿うようにして刃を入れて上側の付け根を切る
・切れたら上側の殻を手で取る
・次に下の丸い殻の柱も切断
・身を取り外してよく洗う

中身を取り出し、

水道水でよく洗って、破片などが残らぬようにして下さい。 大根おろしで洗うとよいって話もありますが、そこまでする必要はありません。綺麗に洗えば充分ですよ。

よく洗ってザルにとり、軽く水切りしたら、殻に戻します(生食の場合)

柑橘類を搾って召し上がってください。ポン酢が合います。

牡蠣の養殖は著しく衛生管理が行き届いておりますので、生食に関しての心配はほぼありません。殺菌海水や人工海水を使っていますので細菌を排除できるのです。

天然でも紫外線照射などを行っています。だだ、自分で採取して食べたり、購入後に室温で放置したりなどはいけません。

水温が20℃を超える時期などには採取しても生で食べるのは避けて、また購入したものでも違和感があれば必ずしっかり加熱してから食べましょう。

購入される時に「生食用」と「加熱調理用」があると思いますが、フライや鍋などの目的なら加熱用が良いです。生食用は滅菌のために一定期間エサを与えませんので、身が細いからです。

牡蠣のいろいろ

食材の歴史をみていますと、たまに不思議な気分になってきます。古代の人間達の知恵に驚嘆するんですね。

例えば牡蠣です。
現代では科学的にその栄養満点さが分かっているんですが、ローマ時代から養殖が試行されていたと云います。

単純に考えればそれほど美味しい食べ物だからって話なんでしょうが、欧米人は伝統的に魚貝を生食しません。それを牡蠣だけは例外的に生食してるんですね。

牡蠣はビタミンやミネラルを抜群の配分で含有し、タウリンやコラーゲンまで豊富な、まさしく「海のミルク」に相応しい超優良食品。しかし、ビタミンの多くは加熱調理で破壊されますし、その他の栄養素も変質します。つまり生食が一番良いんですよ、身体に。

ローマ古代書にその栄養に関しての記述がある事もしばしば。

「その肉は当然。中の汁に滋養あり、飲むべし」

知っていたんですね。
驚きです。しょっぱい汁に豊富な栄養が含まれてる事がわかったのは比較的近年ですから。

勿論科学分析なんて事じゃなく、経験の積み重ねによる「観察」なんでしょうが、それにしてもって感心するんです。

日本でも古代から食べられています。
縄文、そしてそれ以前の人々は、シカやイノシシを狩猟するのは簡単な事では無いでしょうし、広葉樹や照葉樹の実だけじゃ栄養が不足します。氷河が一段落して海が前進してきた沿岸で、岩にへばり付いて動かない貝を食べたのは必然でしょうね。貝塚が集落跡であることは、はっきりしてますし。
室町時代から養殖にも手をつけています。
(それ以前からとも考えられる)

Rのつかない月は牡蠣を食べない

R のつかない月、May、 June、July、 August (5、6、7、8月)は牡蠣を食べてはいけないと云われます。

この時期には精巣と卵巣が肥大して食べられません。これもかなり昔からの知恵ですが、今は夏場が旬の岩牡蠣が盛んになってますし、夏でも生殖巣が発達しない【3倍体牡蠣】まで開発されて市場に出ています。

ノロウィルスはとんでもない風評被害でしたが、貝類が食中毒の発生しやすい食品なのは事実です。しかし、その原因と対策は今はほぼ万全です。一般的な注意を怠らなければ心配する必要などまったく無いんですよ。


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