タコの柔らか煮


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タコの桜煮・柔らか煮

タコは、本来歯ごたえがよく噛めば噛むほどに味が口中に広がる、そういうものでした。現在は食嗜好の変化で、柔らかいものが好まれていますので、ミズダコが幅をきかせてます。

しかし「柔らか煮」の系統はマダコで作るのが普通ですね。やはり味の深さはマダコが勝るからです。

タコを煮付けた事がある方はご存知でしょうが、皮がグズグズに剥がれたり、身が硬く煮上がってしまったり、失敗しやすいものです。

煮物には相性というものがありまして、例えばイカを煮るときは畑のもの、大豆や大根なんかと一緒に煮込みます。互いの相性がよく、イカは柔らかく、野菜はイカの滋味を吸い込むからです。

それでタコですが、小豆と抱き合わせて煮ますと具合がいいですね。板前は『桜煮』と言っております。アズキはタコを柔らかくしてくれるだけじゃなく、タコの色までも鮮やかにしてくれるんですよ。

タコの調理は塩もみから始めるんですが、おいらは桜煮で柔らかく煮上げたいとき、塩もみしません。味醂も使いません。両方とも身を硬くする作用があるからです。

酒、醤油、黒糖でコトコト長時間かけて煮ます。およそ2時間は煮込みます。

また酒肴用の煮タコは蜜を抜いて塩味にします、この場合隠し味に味醂を用いますね。

その他、和食でよく使うタコ柔らか煮のテクニック
★塩ではなく米ぬかで揉んでヌメリをとる
★足を一本一本空き瓶で叩いて組織を壊しておく
★炭酸水で炊く
確かに効果がありますが、自分はあまりこれ等の方法を使いません。仕上がりを食べてみて工場製品のような違和感を感じる時があるからです。表現し難いのですが「違う」という味ですね。タコを食べてる気がしないのです。なので、昔ながらの方法でやっております。
しかし、これ等のやり方を否定してる訳ではありません。
それはそれでいいんじゃないでしょうか。





手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人