河豚の捌き・てっさ(ふぐ刺)

  

河豚の捌きから刺身まで

フグを捌くには資格が必要です。身欠けは別ですが丸河豚を解体するには各都道府県が定めた『河豚調理師』の資格が必要になってきます。二年の実務経験と資格試験に合格する事が条件。人の生命に係る資格ですからそう簡単な試験でもありません。
※下段 フグの調理技術 調理資格 を参照して下さい

資格を定めて無い県もかなりありますけど、半端な知識で捌いて人様に食べさせれば大変な事になります。このページは「こういうふうに捌くんだ」って興味本位、又は資格試験を目指している本職調理師さんの参考資料として見て下さい。くれぐれも素人考えで丸フグを捌いたりはしないで下さい。

本文のサバキ手順も意図的にボカしてありますので、この通りにさばいて食べると危険です。一般の方は絶対に真似をしてはいけません。軽い気持ちで料理をして、もし人死でも出したら人生が終わりますよ。猛毒であることは誰でも知っている常識なので言い訳も出来ません。慎重に願います。



フグの捌き方

一般的に河豚料理は写真の虎河豚(とらふぐ)を使います。

河豚は活け物を使用しますので、包丁の峰で眉間を叩いて、静かにさせます。 包丁を入れるに先立ち、天然物の場合は寄生虫の「うみちょう」がいないか確かめ、 汚れ等を綺麗に水洗いします。

先ず最初に背ヒレを切り取り、左右の胸ヒレを切り落とし、尻ヒレを切ります。 目の手前あたりの箇所に、頭の左右から切り込み、平らに置いて、上から切り回し、頭の先の部分を切り落とします。 それから皮を剥がします。 カマとオサの部分の処理が済んだら、えらをつかんで内臓と一緒に剥がします。

河豚の皮引き

河豚のサバキでやっかいなのは皮の処理です。
カワハギとの違いは、この皮引きの難しさだと言えましょう。ハギは簡単ですが、こちらはそう簡単ではない。






黒皮(背皮)を剥き

腹皮(白皮)を剥く



鰓・目玉・内臓を出して身欠けに

 

有毒部分は選り分けておく。

ともかく大切なのは水洗い。
これを怠ってはいけません。

身欠きになったフグ

※この状態の「身欠ふぐ」も販売されており、それなら資格がなくても調理可能です。

さらにバラして

ドレスに

ふぐ刺(てっさ)

「身欠」の状態から

おろす

おろし身

おろし身の「身皮」を引く

身皮

これも湯引いて使います。

サラシ等で包み冷蔵庫で寝かします。

一日以上寝かせたほうが熟成して旨味が増し、てっさも引きやすくなります。

ふぐ刺(てっさ)を引く

刺身は薄く作られた専用の「ふぐ引き包丁」を使います。

基本形はそぎ作りで、この場合は「ふぐ造り」です。

引いて角をへこませたり、妻折にしたり、 また、一枚引き、二枚引きなどの方法があり、 盛り込みには、「鶴盛り」、「菊盛り」、「孔雀盛り」、「牡丹盛り」 等があります。 皿の模様が透けて見える様に薄く引くのは、 フグの身が弾力に富んでいるため。

河豚造り・薄造りの切り方

ふぐ皮の処理

フグの特徴は、もちろんテトロドトキシンとパフトキシンで知られる毒を持つ事ですが、皮が食用として珍重される魚だという点です。

近年、皮むき機械なる便利な物ができたんで市場関係者は大助かりですが、フグの調理で一番難しいとこでして、試験の実技ではこれで失敗しやすんですよ(あと毒の選別)

簡単に言えば河豚皮は三層構造でして、まず内側の粘膜(とうとう身)を剥き、次にそれをまな板に貼り付けて外側の棘のある皮を削ぎとります。それプラス身に付いている薄皮(身皮)

魚の内皮粘膜を「とうとう身」と呼ぶのは、それが身皮(三河)つまり遠江国をひっかけたモンだって教わりました。(確認はしてませんが)

てっさ(刺身)と並んでもっとも難しいのがこの皮引き

皮ひき(棘削ぎ)

とうとう身分離

湯引いて水に晒す

刻むと

ふぐ皮ポン酢の一品に
ふぐ皮

あるいは煮凝りなどにも

河豚ヒレと同じように、板に貼り付けて乾燥させる仕方もあります。これは『鮟皮(あんぴ)』と呼ばれます(関西では鉄皮〈てっぴ〉)



河豚ヒレ

落としたヒレは肉部分などを削ぎ落とす。
大きい物は2つに割る。

塩磨きして板など貼り付け

そのまま乾燥させます。

完全に乾いた状態。

これを炙ってカンに加えたものが「ひれ酒」です。

ふぐ白子

河豚のキモは美味だといわれますが、猛毒があります。毒があると分かっているのに毎年中毒者を出すのは主にコレが原因。

個体差などもあり、時々「大丈夫」なケースがあるので、食通とかいう人種は無理矢理にでも食べようとするのですね。

「俺は絶対に大丈夫だから」
「もし当たっても迷惑はかけないから」

この依頼を断りきれない調理師がキモを出し、その結果営業停止になるという具合です。なにが「迷惑はかけない」のやら。

片や命をかけ、片や店の営業権をかける。そうまでして食べるモノなどこの世にあるのかよって話ですわな。

どんなに評判が良い美味い料理だとしても、行列に何時間も並んでまで食べる気にはなれない自分には理解できません。おいらは長い行列を見ただけで逃げ出し、もう二度とその店には行きません。何が悲しくて行列待ちしなきゃいけないのか分からないし、客をそういう目に遭わせて平気な店も分からないからです。

食いもんより大事なことが他にあるだろうに。そう思うのですよ。

そんなわけでキモはアレですけど、その代わり白子はOKですよ。
これもかなりの美味。

どんな料理にしても美味いですが、焼くと特に美味

河豚調理の資格など

毎年必ず50名前後の中毒者が出ます。そして必ず数人の死者を出しています。素人さんが中途半端な知識で捌いて食べるのが原因。(それか上に書いたキモが原因)

フグは種類によってあるいは季節によって毒のある部分などが微妙に違いますので、専門の資格をもった河豚調理師以外は捌くと危険です。

テトロドトキシンの毒性は青酸カリの1000倍。この神経毒は加熱しても消えません。

現在食用が認められているフグは22種類。(これ以外のフグを提供すれば食品衛生法に違反する可能性あり)

それぞれに特徴が異なり、有毒部分も違う。次のページで確認してください
 厚生労働省HP・ふぐ毒

ふぐを捌くには各都道府県のふぐ条例が定める免許が必要です。この免許は国家資格ではなく、都道府県単位ですので、資格を取得した自治体でしか有効ではありません(それぞれの自治体で違うので当地で問い合わせること)

ただし、ふぐ調理師が処理した無毒部分の使用には特に資格はいりません。資格者が処理した身欠けを購入して刺身にするのは問題ないということ(これも自治体に確認しましょう)

また、資格試験はなく講習のみの自治体もあるし、ふぐ条例の無い自治体もあります。こちらで確認してください
 ふぐ調理師 ウィキペディア

参考書・フグの調理技術 調理資格