マゴチのさばき方と刺身の作り方



真鯒(マゴチ)

真鯒

マゴチの旬は6~8月。

真夏の魚というわけです。

これは活けの真鯒
マゴチ

夏の河豚と称されるほどマゴチの刺身は旨いものですが、もちろん河豚はフグ、コチは鯒、やはり味は違います。

外見はグロテスクですが、淡白な白身はクセが無く、どんな料理でも美味しく食べられます。洋食でも好んで使われます。とは言えやはり刺身が美味しいので、刺身の作り方を簡単に紹介しておきます。



①マゴチのさばき方

マゴチは鋭い背鰭がありますので、出刃で削ぎとってから捌くんですが、

刺身の場合使うのはおろし身だけですので、そのまま捌いても問題はありません
(アラ汁などにオチを利用するなら取っておいた方がよい)

鋭い背鰭も三枚におろせば問題なし

滑りを落としたら、腹を上にして胸鰭下から包丁し

頭を落とす

そのまま大名おろしにして三枚に

おろし方はホウボウと変わりありませんので、ホウボウのさばき方を御覧下さい。

ホウボウのさばき方

マゴチの小骨は非常に抜きにくいです。
魚の小骨の抜き方にて説明しておりますのでご覧下さい。
小骨の抜き方

②マゴチ刺身の作り方

上身にした真鯒の身

皮を引きます

魚の皮の引き方

薄作りの切り方

締まった白身魚ですので、薄作りにします。
フグやマゴチ等は丸っこい魚体をしてますので、そのままでは巧く薄造りに切れません。

サクを下の様に二枚にヘギます。

こうする事で薄い刺身を安定して切れるわけです。

そしてもう一つ大切なのがこれです。
刺身サクにした身を、サラシ等でくるんで半日ほど冷蔵庫で寝かせます。

こうすると、締めたばかりの身よりも旨味が回りますし、刺身も引きやすくなります。

これはフグやコチばかりでなく、ヒラメや鯛など白身魚すべてに共通します。こうした刺身を食べますと、いくらピチピチしてるからって、何故活き造りのゴムみたいな魚を食わなきゃならないのか疑問になるかと思います。

薄造りは以下の様な感じで包丁します。

左手の指先をうまく使って下さい。
指先の感覚と庖丁の先を巧く利用するのがポイントです。

身が透き通って包丁が見えるように引きます。

 

引いた身の端を妻折りにしたり、角をつけたり
(菊造り、牡丹造り)

あるいは中央から折り曲げる(浪造り)

牡丹や、鶴や孔雀、蝶々も基本は同じです。

 

皿を右へ右へと回しながら重ねていきます。

一般的な薄造りは、耳を向こうに折畳む「ツマ折り」にすると簡単で早いです。「平目の薄造り」「カワハギの薄造り」などなどに使えます。

刺身の基本技術 薄作り

③フグ作り

河豚造りは耳を強調するといいでしょう。

刺身包丁又は河豚引き包丁の長さを利用して

引き切る

耳を鋭く立てれば簡単に菊造りに出来ます。

盛り込みながら切っていく

節の整わぬものは、いったん引いた後、さらに切り開いて二枚にする「二枚包丁(二枚引き)」にするといいですね。

薄作りは刺身包丁のソリを使う





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