役割を終えた菜切り包丁


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読者投稿の包丁画像〔#14〕

役割を終えた菜切り包丁/蚊焼包丁・菜切り(蚊焼山口)
投稿者:サキ
職業:ふつうの勤労者

 ♯13・むぎわらさんの包丁に触発され、蚊焼包丁の菜切りを投稿いたします。

 この包丁は現在ほとんど使っておりません。以前はメインで使っていたのですが、1年ほど前に新しい包丁に買い換えました。
 とはいえ、手持ちではもっとも使い込んだ(というより研ぎすぎた)包丁なので、愛着は深く、今でも包丁立ての取り出しやすいところに置き、たまにリンゴの皮をむいたりしています。

 私は長らく菜切り包丁を愛用していました。この包丁は2代目です。初代は5年ほど、この2代目は7年ほど使いましたでしょうか。
 ふだん使いとしては、菜切りはほんとうにいい包丁でした。幅があるので千切りなどもしやすいですし、剛性が高いので使っていて安定感がありました。ペラペラのステン包丁には戻れないなぁと思ったものです。

 ただし研ぎには苦労しました。というか、けっきょくのところうまく研げなかったと言わねばなりません。なんせ刃線がゆがむのです。
 「両刃は表・裏を6:4くらいの割合で研ぐ」と本などに載っていますが、ヘタクソな私の感覚で研いでいると、どうしても刃線が波打ちます。研げばゆがむので、そのゆがみを取るためにまた研ぐ。しかし今度はまた別のゆがみが出てくる。そんな悪循環でした。
 私のウデじゃ手研ぎは無理だと思い、シャープナー(砥石が内蔵されたスリットに刃を差し込んで引くタイプ)をしばらく使ってみたことがありますが、そこがシロウトの浅はかさ。結果は最悪。史上最大のゆがみが出ました。切れ味もすぐに落ちるので、シャープナーはもう使っていません。

 いろいろと悩んだすえ、刃を裏側に寄せて研ぐことにしました。片刃包丁とほとんど同じ研ぎ方ですね。それでなんとか許容範囲の切れ味を保てました。刃元から見た断面も添付しておきます。

 本職の板前さんでもそうやって研ぐことがある、と魚山人さんも書いておられるのを読んで、なるほど、私の研ぎ方が必ずしもアブノーマルなわけじゃないんだと思いました。が、1年ほど前、新しく買い換えるために包丁屋さんに行ったとき、店員さんに「でも、包丁のもとの形を崩すのはよくないですよ~」と、ちょっぴりお小言をいただきました。やっぱりきちんと研いでやらないといけないのでしょうね。

 そんなわけで、ムダな研ぎをくりかえしたため、使用年月以上に刃が減ってしまっています。幅はほとんど柳に近くなり、キャベツの千切りで指の皮をそいでしまうようになったので、愛着ある包丁ながら、ふだん使いの役目を終えました。私の研ぎがもっとうまければあと数年は使えたのになぁと、包丁に申しわけない気分です。

 現在のふだん使いは鎌形薄刃です。どうせ片刃みたいに研ぐのなら最初から片刃を買っとけ、と思って購入したのですが、これが使いにくいったらもう(笑)。雑に切るとぜんぜんポテンシャルを発揮してくれませんし、マナ板のゆがみにまで気を遣わなきゃいけない包丁って家庭用としてはどうなのよ? という^^;
 しかしまあ、うまく使えるようにがんばって練習しています。ある程度慣れたら、また菜切り包丁に戻ろうかなぁと思ったりしますが、いつのことやら……。

2010/11/26





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