和食用語「文銭」



文銭(ぶんせん)

文銭は江戸時代の通貨である「寛永通宝」のことで、江戸庶民に馴染みが深かった。この銅銭は円形で中央に四角形の穴が開いたものだったことから、これに似せて作った料理に文銭という名を使う。

飾り巻きすしの「文銭巻き」の他、中央を四角形に抜いた「文銭きゅうり」「文銭うど」「文銭たけのこ」などがある。「文銭たまご」は茹で卵の中央を四角に抜いたもの。いずれも横から適宜に包丁して文銭模様を見せ、椀種などに使用する。

また、文銭卵には下のようなやり方もある。

文銭卵、又は「黄身返し」「逆卵」

1 生卵の上部に小さい穴を開ける
2 その穴から身を抜き塩か砂糖で味を
3 黄身と白身を分け黄身だけ穴から戻す
4 大根を長角に切り穴にさしこむ
5 固定させて蒸す
6 大根を抜く
7 抜いた穴に卵白を入れる
8 再び蒸す
9 冷まして殻をむく
10 小口から切って盛る

文銭人参

・長方形に切った人参を茹でる
・卵に白身だけを戻す
・茹でた人参を中央に刺す
・そのまま蒸す

これを切ると芯が赤、周りが白になる。
縁起が良いので祝儀などに。


風味漬け 風味焼き 深川飯
富貴豆 吹き寄せ 袱紗 福田味
福茶 含め煮 ふくらげ ふくろ
藤作り 節取り 節盛り 伏せ出汁
二身焼き 蓋を切る 縁高 粒切り
葡萄煮 船盛り ぶりかげ 振り味
振り洗い 振り塩 振り海鼠 振り分け
風呂吹き 文銭



手前板前.魚山人:The person who wrote this page筆者:文責=手前板前.魚山人