イデオロギーなど存在しない



バランス(中庸)の保ち方

イデオロギーなど存在しない
右翼や左翼という言葉がいまだに残っております。
そんな「思想」なんぞ実はもう「無い」んですが、言葉はある。

保守的な傾向を持つ集団と個人は右
革新的な傾向を持つ集団と個人は左

そういう風に用いられてますが、実態などは無いも同然。
何かを説明するときに使用される便宜的な言い回しでしかありません。

その「現実」を、誰が読んでも分かる言葉で書いてみます。

(1)誰でも同じ
まず結論から書いてしまいましょう。
現代人は全員が「同じ思想」「同じ行動原理」を持っている。
これが真実であり否定はできない。

なので「右と左」に分ける説明は無理なんです。
前提が破綻してるってこと、この理屈は。

その例外なき「思想と行動原理」とは何か。

【経済的欲求で動く=拝金思想】です。

これに対して「違う」という人は偽善者か、嘘つきか、詐欺師です。
※もう一種類異なるタイプがいるが、それは後で説明します

我々はもう誰も「物々交換」で暮らしを立てることはできない。
生きていくにはどうしても「通貨」が必要です。
つまりお金なしでは生きていけないのです。

「右と左」とは思想の違いではなく、【お金の稼ぎ方の違い】
それが正解でしょう。
社会の中でどういう方法で金を得るか、その手法の差異なのですよ。

(2)金を得る方法論
金を得る方法は大別して2つ。

A.生産派=労働などを提供し、その代償として金を得る
B.非生産派=ピンハネする(Aの金を奪う)

世の中って奴はAとBのバランスで成り立っています。
しかし、当然ながら誰でもAからBになりたがる。
楽をして大金を得れるBになりたくて人々は支配層になりたがる。

「なりたがり」の中から上昇する者も出る。
これを社会では「成功」と呼称します。(勝組などと言うらしい)

この成功者がある限度を超えたらどうなるか。
消費経済のシステムに狂いが生じ、バランスが壊れてきます。

何故か。
成功者の中で「共食い」が始まるからです。
皆が富裕層(つまり非生産者)を目指せば、消費人口が減る。
消費の減少は下層から上層に向かう。
「成功者の椅子の値段」が高騰して行くのです。
これにより「スーパーリッチ」が誕生し、格差が二極化するのです。

非生産派は競争相手を叩き潰し利潤の独占をはかる。
Aの層から奪える金が減ってくれば必然的にそうなるのです。

「スーパーリッチ」はいわば現代の王族。
「現代の神」である通貨を独占しているので、政治家や役人、はてはメディアまでコントルール可能になっている。したがって「競争相手」と「邪魔をするもの」を叩き潰す手段を持っているからです。この手段が「王様の親衛隊」

人々は大昔から生き残る知恵として、
「長いものには巻かれろ」という言葉を伝えます。

現代における「長いもの」とは何か。
それは「資本」であり、それを握る「資本家」です。

これを守るため、これに都合の良い法体系を多くの国が採用。
政治家や役人も人間。金に弱いのでそうなります。

しかし独占にも限界があり、泡はいつかはじける。
第一次世界大戦と第二次世界大戦。
これは行き過ぎた資本の支配がもたらした戦争なのです。

信じ難い被害と悲惨な犠牲者を山のように出した。
さすがに反省した人類は、第二次大戦後に動き出した。
資本の暴走を食い止める法体系が整えられる。

数千万人の死者、焼け野原になった街。
その犠牲によって、
Aの声が初めて国家を動かせるほどの力を持てたのです。

やっとの事でAがまともに暮らせる世界になった。

ところが世の中は単純ではない。
始めはAの代弁者であったはずの共産主義国家が、
次々と狂気に支配された自由のない独裁国家になってしまう。
「市民の開放」どころか、自分の国の市民を殺し始める。
社会主義ならぬ、実態は官僚が支配する秘密警察国家です。

これによって息を吹き返したのが、大人しくしていたB。
「赤」の恐怖を煽りたて、世論を右に傾け始める。

この頃からですね、「右翼・左翼」という言葉が登場したのは。
それ以前の19世紀は違う言葉で表現されるのが普通でしたので。

単純化すれば、
大衆を抑圧し、金を吸い上げる資本家
それに抵抗する大衆(市民)
それがこの200年、世界を動かしてきた原動力です。

もともと王や貴族や資本家に抵抗する市民運動は、運動する側から「左翼」だと主張していたわけではありません。日本でも明治政府の押し進める専制政治に抵抗する自由民権運動の人々が自ら左だと名乗っていたわけでもない。

彼らは「独裁」「独占」に反対し、「自由」を求めたにすぎません。

彼らを「左翼」「赤」だと決めつけたのは体制側です。
自由を求める声を「反政府運動、国家への反逆」だと主張
はては「ソ連」「中共」のスパイ容疑をかける。

このヒステリーを煽ったのはいうまでもなく「資本家」です。
「行き過ぎた自由化は北の国の侵攻を許すことになり支配される」
「赤い思想を持った国民をどうにかしないと国がソ連や中国みたいになる」

当然本気でそんなことを言ってるわけではなく、
狙いは「資本の独占を国民の目から遠ざけるため」
つまり、
「違法なボロ儲けを狙う行動に文句を言う人々を黙らせる」のが狙いです。

資本家という人種はね、自分の国が戦争している相手にも武器を売る。
敵も味方もない。金をくれる相手かくれぬ相手、それだけしかしない。
悪魔に魂を売るというチンケな話ではなく、悪魔そのものと言ってよい。

そんなものにイデオロギーや国家に対する理念などあるわけがない。
誰も気づかないのであれば、連中は北朝鮮にさえ核関連の技術を売るでしょう。
盛んに中国へ進出し、毒性食品を日本で売ってんのは誰だってんです?

金をピンハネできる場があれば、宇宙にだって出ていく輩です。

(3)王様の親衛隊
悪魔を監視し、かろうじて破滅を避けてこられた理由。
それはAの存在です。Aに発言力(と投票という名の主権)があったからこそ、悪魔を何とか押さえつけてこれた。野放しにすれば、Aには明日がなくなる。なので必死にBの暴走を止めてきました。

Bが頭を悩ませるのは、いかにAを黙らせ、主権を骨抜きにするかということ。
政治と役所とメディアは「金で解決済み」

だが、それでも黙らぬ者達がいる。
「草の根」までは支配できないでいるのです。

偽善者、嘘つき、詐欺師は金で支配できている。
で、もう一種類の連中を利用する。

バランスのとれていない人々を利用するのです。
この種の人々はややもすると「思想」を信じてしまう。
ありもしない虚妄があると思い込み、すぐにのせられてしまう。
金が目当てのカルト教団に信者が絶えないのもこの種の人が多い証拠。

この種類の人達を狙い「誘導」をするのです。
仮想の敵を創り出し、その恐怖を言い立てる。
片方で愛国心を煽り、「国家」を美化する。

これによって反発心と、分裂と対立を誘発させる。
これに火をつけれる「文化人」も、少々の金で動いてくれる。

彼らは阿修羅のように何本もの手があり、抜け目がない。
なので後ろの手で「左翼勢力」とされる団体にも金を出している節がある。
当然の計略であろう。争わせるには「敵」が必要なのだから。
見当違いの「赤い言動」をする役割を与え、その報酬を与える。

セットアップが整えば、
偏っている「文化人リーダー」に点火させ火をつける。

幸いにして話題には事欠かない。
北朝鮮、中国の増強、韓国の経済成長。

直ちに「ネトウヨ」と呼ばれる連中が点火に反応する。
残念ながら、どんな問題でも「ザイニチ」と「サヨク」が原因だとする単純な理論しか展開できないので、説得力は全然ない。

だが、それでも目的は達成できる。
同調者を増やす気はなく、説得力の問題ではないからです。

狙いは「黙らせること」
つまり掲示板なりを愚かで低俗な語で満たし、信用を落とすのが目的。
普通の人が書く気を失くして行けばそれでいいのです。

原発再稼働反対者はザイニチかサヨクか北の人達。
消費税反対者も同じ。デモする人もザイニチかサヨク。
しまいにゃ大震災が起きたのもザイニチやサヨクのせい(笑)

馬鹿げており、幼児以下の理屈ですが、それでもいいんですよ。
彼らを動かしている連中の目的は、そういう話題を消すことだからです。
諸問題の根本的原因は彼ら資本家にあり、そこを公にされたくないのです。

簡単なことですよ。
仮に本物の思想的愛国団体が存在するとします。
その組織がやることは決まっておりましょう。
「国家を破壊している連中を倒す」はずです。
国を愛しているならね。
ならば、この団体こそ「資本家の天敵」になるわけです。

仮に本物の左翼思想を持った連中がいるとします。
その連中は北朝鮮に亡命するでしょうな。本物なら。

なら今現在「サヨク」とか「ウヨク」とか自称してる者は何か。

右翼が憂国集団であり、ザイニチや北の国が危ないと本気で思っているのならば、自衛隊に入り込みクーデターを狙うはず。売国奴の代議士や外務省職員に天誅を加え、北京やソウルに「日本帝国軍伝統の奇襲攻撃」を行い、空爆で壊滅させる。
少なくとも度胸がある男であれば、高性能爆薬を巻いて国会で自爆する。
20トンの火薬を積載したトラックで朝日新聞やテレ朝に体当たりしてる。

のはずが、資本家の味方をする発言ばかりしておる始末。

対警察庁・対公安調査庁どころか、テロひとつ起こせない「極左集団」
タリバンの戦士が100人死んでもこの連中は誰一人死なない。
そんなモンに「サヨクはどうこう」と言っているネトウヨの方が白痴に見えてくる。

朝日系は自らが「権威」になってしまい、誰がみても資本側。
共産党ときたひには、何をやっており、何が政策目標なのか分かる日本人がいない始末で、何の組織なのかもう誰も分かりはしない(笑)

なんでそうなのか。
上に書いたように彼らを動かしている動機は同じだからです。
【経済的事情】ですよ。
双方が「資本に寄りかかっている」のです。

同じように資本家の掌の上、
そこで相撲をとっていて、「ウヨク」も「サヨク」もあるまい。

寝ぼけた事ばかりしているから、原発が爆発したのであり、
経済を破壊する消費増税が強行されるんですよ。

大衆のやるべきことは「独裁」の監視。
資本の暴走を許せば、市民の生活は悲惨なことになっていく。
そのような子供でさえ分かる理屈が理解できず、資本家の番犬となる愚。

「外から見える自分の姿」がどのようなものか。
その想像力を失わないのがバランスを保つ方法なのです。

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去年の3・11以降、政治的な記事が多くなりました。
あまり好きな話題ではないのですが、復興にも原発問題にも関心がなく、狂ったように増税に突き進み、果てはせっかく止まった原発も再稼働してしまう政権。いいかげん頭にくるし、本当に日本の先行きが不安になって書かずにはおれなかったのですよ。

今、少し後悔があります。
政治的なことを書き続けたからか。
違います。
毎日でも無理してでも、もっともっと書かなかったことを悔やんでます。

誰もが黙るから日本は何も変わらない。
国民が何も言わないと思っているから政治家はナメきっている。

反省すべきは我々一人ひとり。
そのことを痛感しております。

今日も近所の子供達が元気のよい声で挨拶してくれました。
とても可愛い。
この子達が10代20代で絶望して自殺したりする国。
そんな国にしてしまう可能性が日々高まる。
そのような国にするのは我々なのです。

2012年07月02日 魚山人


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