生活保護と消費税増税 


生活保護と吸血鬼

新聞大手各紙によりますと、「国民の多くは社会保障制度維持のため消費税アップを容認」しておるそうです。豪気なこってすな、お金持ちさん達は。

そこかしこで、「将来のために仕方がないんだよ、増税は」そういう会話がなされておるんでしょう。幸せな考え方。羨ましいかぎりですよ。



消費税10%から10~15兆円の税収があってとしても、そんなモンで増え続ける社会保障費が足りるわけがない。

国は「消費税は全部社会保障費に使う」と言ってます。これはね、「足りなくなったらすぐにまた増税する」という意味ですよ。

悪化の一途をたどる財政状況から考えて、この5%アップをスタートとして、10年以内に20%を超えてくるでしょう。あらゆる口実をつけて無理やりにでも上げるはずです。

国には一般会計のほかに特別会計という数百兆の金があります。だがこの金は国民の金ではなく「官僚の金」です。

これを崩されたくないのは財務省だけではない。官僚パワーの源泉は「予算配分」これがあるから企業や自治体は頭が上がらない。

餅を期待しているから天下りを喜んで受け入れる。そんな大切な餅を、ブラックホールのような社会保障などに投入する気はない。だから消費税を増税するわけです。

日本の消費税って制度はね、欠陥だらけです。ザルのように穴だらけなんですよ。

第一に正直に収めている業者がバカをみること
第二に年収の低い国民ほど負担が重くなること

消費者から消費税を取っても、それをピンハネして国庫に納めないことが容易。

国家を支える中間所得者にさらなる重圧をかければ低所得に転落する。そうなればいかに消費増税をしても税収は減っていく。

低所得者は極端な場合生活保護に頼る。でなくても税金など払えまい。

我々のような零細企業はこの不景気化の中で消費税を転嫁できません。電気代は上がる、各種の保険代も上がる、住民税も上がる、仕入れで消費税のコストを負担してもお客からは貰えない。

一方で、大企業は完全に消費税分を客に回すので無関係。しかも海外への輸出網がある大企業は「消費税が上がれば儲かる仕組み」中小企業や正直な日本人を四方八方から搾り取る馬鹿げた構造。

結果的に中間所得者を低所得層に追いやって行くのです。景気は確実に今より悪くなるでしょうからね。断言してもいいが、絶対に国家の収入は減少するでしょう。


さて、生活保護に頼るしかなくなると書きましたが、本題はその生活保護の話です。

「受給者急増! このままいけばどうなる?」と、煽りを入れるマスコミ。

で、こういう反応を引き出す。
「働くのが馬鹿らしい。俺も生保が欲しい」
「もっと厳しくしろ。制度を変えろ。いっそやめちまえ!」

冷静に考えて、この流れはおかしいでしょう。大事な「核心」が抜け落ちた論議、いや論議と言うより「流行り廃りの類」

「悪いことをしてる者(詐取)」
「モラルを問われる者(詐取すれすれ)」
こうした者達が問題なのであって「制度」の問題ではない。

これらの「問題児」が受給者全体の何パーセントか、そこが肝心。仮に10%だとしても、残りの90%の人々には何の落ち度もあるまい。

そんなことくらい考えれば誰でも分かること。なのにマスコミはその部分を言わない。「生活保護が国家財政を食い潰している」という方向に持っていくだけ。

90%の人々を黙殺しようとしている。異常だし気色が悪い。

どのメディアも狂ったようにバランス感を失い、ひたすら「ナマポ」を攻撃するのみ。

たとえ原発再稼働と消費増税から目をそらす「大政翼賛」だったにしても、「この国はマジで病気なんじゃねぇか」そう感じておりましたところ、どうにかバランスを取り戻したメディアを発見。

記事のヘッドラインを並べますと、

「生活保護カットが職務」若手ケースワーカーの“使命感”
「100円の花を飾ったら嫌味」 生活保護受給者を“監視”する職員
女性申請者に「体を売ればいい」 生活保護受給窓口の冷たい対応
【生活保護】本当に必要でも貰えず死に至ったケースがこんなにあった!
【生活保護】申請門前払い“水際作戦”で用いられる3つのパターン
【北海道姉妹凍死】死の前に3回生活保護窓口訪れ、門前払いされていた

>本来は権利であるはずの生活保護申請をさまざまな手口で阻止する役所の「水際作戦」によって、’00年代後半から全国で餓死・孤立死・自殺・心中事件などの悲惨な事件が相次いでいる。

各記事の詳細は 日刊SPA!

ヘッドラインを読むだけで一目瞭然でしょうが、「不正受給を責めるだけの態度」はまったくありません。「核心」が何か気づいた者の視点で記事を構成してますな。

異常なバカ騒ぎが気持ち悪かったのはね、「逆」だからですよ。

本当は「貰うべき人が貰えない仕組み」が問題なんです。


学生がなりたい職業のナンバーワンは相変わらず「公務員」だそうです。「安定している」のが魅力だとか。ま、めったにクビにはされないし給料が出なくなる心配もない。

でもね、「安定」の意味について考察したことがあるんでしょうか。あの「組織」がなぜ存在してるか、そこを一度考えてみればいい。

組織というのは「自己増殖」します。自らの延命が第一義となり、命を保つために増殖を続ける。

分かりやすく言うと、ナワバリを広げるのが使命になって行くのです。

あなた方学生が新人として次々役所に入れば「シマ」を拡大する。狭い日本でパイの奪い合いなのです。極端な話ヤクザのシマさえも荒らしに出るわけです。(現実に警察庁はそれに近いことをしている)

「増殖し続ければどうなるか」
それを考える人間がいない。

パイもいつかは無くなる。そうなればマッチポンプのようにならざるを得ない。火のないところに煙を・・・です。

実は、これは将来の話をしてるのではありません。既にかなり昔から日本で幅広く行われている「現実」を言ってます。

「美味しい部分」「甘い汁が吸えそうな分野」
ここを独占してる「組織」が何かを考えてみればよい。

一例をあげましょう。ボロ儲けが可能な分野としてバクチがあります。しかし日本は法律で厳しくこれを禁止。「射幸心を煽る」として警察が厳しく取り締まる。

その一方で「公営賭博」が存在する。さらには自治体の「宝くじ」がある。これらの「アガリ」は公共のために使われるというタテマエ。

ボロ儲けと書いたようにバクチは胴元が一番美味しい。だから昔からギャングビジネスの柱なのです。ところで日本の「公営賭博」「宝くじ」は「胴元の取り分が異常な高率」

ヤクザ、マフィアの実に数十倍ものピンハネ。海外で宝くじを経験した方はご存知でしょうが当選確率がケタ違い。

日本の宝くじは確率論からいって一等はゼロに近い。ベガスのギャンブルがヒト桁%のピンハネで、日本宝くじは40~50%

世界の常識からかけ離れてるんですよ。
つまり「客に勝たせる気がないボッタクリ」ってこと。

ここを運営してる「組織」と、その周辺にぶらさがる団体。これが何であるかということです。

もちろんこれは一例でしかなく、似たような仕組みは数え切れない。

パイのサイズは確実に小さくなって行きます。そうなれば「内部抗争」は時間の問題でしょう。組織の内部で弱肉強食が始まるのです。サバイバルで必死になる。

そうして、「死ぬほど困窮してる生活苦の市民」を門前払いし、受給を打ち切って「点数稼ぎ」をするようになり、困っている人を死に追いやる。そういう人間になっていくのです。

あなた方が「安定した職業である公務員」を目指せば目指すほど、この国は「ギリシャ化」していくんですよ。

いやギリシャよりも悪い。はっきり言えば「北朝鮮化」が事実。

ヨーロッパのように「手厚い市民サービス」をする文化のある国じゃない。なので、税金だけ上がる一方で市民サービスは増々悪くなる。それが加速するのは目に見えている。

吸血生物となり、日本という宿主から血を吸い尽くしたら
次はどこに寄生するつもりですかな?

2012年06月28日


ザルの穴とは「バラマキ」と「肥大化した公費」です。これを徹底して削減する他に破綻を回避する道はない。

この穴をふさがねば消費税50%であろうが足りはしません。

自律的に肥大化(自己増殖)する「公」はこれを嫌う。嫌うあまり狂気としか思えない消費増税を「力技」で押し通した。

なぜこれほどまでに乱暴な行為ができるのか。それはね、「日本人の莫大な貯蓄を狙っているのは外国勢だけではない」ってことです。

(ちなみに海外のメディアが消費増税をした野田首相を褒めるのは、この資産を狙うオオカミだからです。彼らは日本の資産が海外に出るのを期待しています)

これがあるから馬鹿のように赤字国債を発行しまくる。消費税もその一環だと考えるのが正解でしょうね。

これを吸いつくし、食いつぶすまで、彼らは「正気」に戻らないでしょうな。

つまり国家の債務(1000兆円)と貯蓄の残高が逆転する日です。それまでどのくらいの猶予があるのか。そしてそうなったらすべて終わりです。国債は暴落して金利も払えなくなる。

それを見越していながら「吸血」をやめる気がない。
だから「吸血鬼」なのです。


「生活保護も肥大化した公費の一部ではないか」
公費の構造は「逆ピラミット」の形をしています。下の尖った方が生活保護費になりましょう。では上の大きな部分は何か? それを言っているんです。

「安定」している者が、今日を怖れ明日をも知れぬ苦しい人々の暮らしが想像できるのか。それは難しいでしょう。

だからこそ、不正な者を厳しく排除し、本当に困っている人を助けられるシステム作りを急がねばなりません。

年収200万円にも満たぬ暮らしを送る若者達を増やす政策は愚。

歪なピラミットの形を円筒型に近づけるのが政治と行政の仕事です。そういう形であれば、生活保護を受ける人の総数も減るのですよ。

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