散々書いてきましたが、飲食店の経営は難しい。小資本ならさらに存続自体も厳しくなります。「上昇」「拡大」の時代はとうに去っている。
「拡散」から「霧消」
これがバブル崩壊以降のお客さんの流れです。一筋縄ではいかないってことですね。
流動性が拡大し、定着性がないのです。こんな時代に顧客を開拓するのは容易ではない。
モノとサービスが沸点を超え、飽和状態なのですよ。テレビの空騒ぎに乗らず、若者は車に興味がない。これは一つの象徴でしょう。
日本人は物質(モノ)に飽きてしまったのです。そして料理というのはモノの一種なのです。一世を風靡した、かの巨大ファミレスが消えた事がその証し。
これを乗りきる方法は最初から一つしかありません。
「大量集客を狙わない」ですな。
間口を大きくする利点はなにもありません。坪数が増すほどにマイナスばかり大きくなる。
一人の料理人が面倒をみれる客数。あるいは料理長とその部下で対応可能な席数。初めからこれ以外の選択はないはずなのです。
見込みを間違えて巨大店舗を開く。その結末は悲惨なものにならざるを得ない。飽きっぽい現代人を大量につなぎ止めるのは不可能ですから。
もう「群に混じる」のはウンザリなのですよ、日本人は。
したがって「行列のできる店」とは噴飯ものです。そんなものはできない方が良いに決まっている。
お客か料理人か、そのどちらかが壊れる前兆に他ならない。そしていずれどちらかが壊れる。あるいは店とお客双方が「壊れた事に気づかない」ままでいる。
それならどうやって商売をすればいいのか。お客さんが来ないと商売にならないではないか。
それはね、一人ずつ増やしていけばいいんですよ。むしろ一気に大勢のお客が来るのは警戒すべきなんです。
どうやって徐々に増やしていけばいいのか。微妙な話になりますが、書きましょう。
渡った吊り橋は切って落とす
例えばこの板前サイトですが、HPと合算すれば平均1日5~7千のアクセスがあり、今までに延べ数百万のご訪問です。ところがブログを始めた当初なんぞ一日2~3アクセスがせいぜい。
でもね、何百万のご訪問だろうと、その大半はただ通過して去っていくだけの事なんですよ。つまり大半の人とご縁は出来ません。
通過なさる方は、ページを一瞥するや「自分の好みではない」と感じてどこかへ移動していくのでしょう。
では誰とも縁ができないかといえば、そうは言い切れません。何かを感じ、興味を持ち、また読みに来て下さる方がね、一人、また一人と増えていく。それが100万アクセスを突破した因子になりましょう。
しかし最初の「一日2~3アクセス」からどう脱すればいいのか。そのままそこから出られないのではないか。
おいらもただ寝ていたわけではありません。自分で打てる手は打ちました。Yahooに登録。Googleのページランクを上げる為世界最大のディレクトリdmozに登録。 それが「外的努力」
「内的努力」も必要でしょう。それが徹底的に「魚山人」になりきる事。その慎重さと覚悟も忘れません。結果として、時間をかけ、一人また一人と訪問者が増えたのです。
ここまで書いては「自慢話」にしか聞えないでしょう。ですが自慢話なんぞ書く気は毛頭ございません。ウザイでしょうが、もう少しお読み下さい。
インターネット上で現実のおいらが魚山人として接する相手は「人間串」ただ一人。なぜそうしたか。決してネット犯罪を企んだのではございません。
リアルとの繋がりを切断することで「裸の魚山人」だけの勝負になります。現実に寄りかかる事はできなくなるが、そのかわり文章から「遠慮」を完全に排除できます。
今書いてる様な、好き勝手な事を自在に書けるのですよ。自分流の「背水の陣」ってわけです。
足を踏み出した以上、backはできねぇ。あとはもうアクセスを増やすしかない。
しかし何処の馬の骨とも知れぬサイト初心者、そんな素のおいらに訪問者を呼び込み、惹きつける方法はほとんど無い。日に1人か2人がせいぜい。
それはもう見事なくらい方法はありません。ただし、たった一つを除けばですが
。あくまでもお客さん側の目線を忘れず、初めて訪れてくれた、和食を知らない訪問者の方にも読める、平易な分かりやすい内容。その為ならば「手間と面倒を厭わない」 これしかないわけですよ。おいらにできる事はね。
ここに来てね、ただ通過して行く方もいる。そして留まる方もいれば、 ここから去っていく方もいらっしゃる。
その繰り返しのなかで、少しずつ、一人ずつ、お客様になって頂く。それしかないし、それが結局いちばん重いとおいらは思います。
先ほど、「自慢してる訳じゃえねぇ」と言いました。その理由ですが、おいらは自分のサイトを見て、1度たりとも「これはいい」とか「よく出来たなぁ」とか、まして「最高」だの、「満足」だのと感じた事はありません。
サイトを始めてから数年、毎日毎回、自分のサイトを見てガッカリします。「なんだこりゃ」、「全然なっちゃいねぇ」、「まったく足りない」、「おいらは馬鹿なんだろうか」、です。
さんざん時間をかけて色々やってるのに出来上がってみればカス。失意と疲労でめまいがしてきます。
「店内」を狭く、また重くしない為、小さな世界に固着せぬ為、そして足りないサービスを補う為、なにより目で楽しんでもらう為、アフィリエイトも導入しました。
アフィリやってらっしゃる方はご存知でしょうが、利益など出るシロモンじゃありません。労力が何十倍にも増えるだけ。
あまりの面倒臭さに発作を起こし、サイトを全部削除したくもなる。だがいつまでも赤字にしておくこともできません。
まぁ要するにですな、「何をしてもまだ足りない」「不足が過ぎる」 「これでは不完全過ぎる」「だからもっとやるしかない」「工夫を重ねてやりなおし!」 こうなってしまうのですよ。
「ああ、満足(^^)」
そんないい気分になった事は一回もありません。
常に胃が痛い。苦痛の方が大きい。そんなある種悲惨な状況を、なんで「自慢」できますか。自慢など無理なこって。
ただね、商売ってなぁこんなもんじゃないでしょうか。
お客様は「手間ヒマと苦痛」を買いに来ているんじゃないかな。少なくとも「天狗の高い鼻」を買いには来ないでしょう。
正気の人間ならそうだと思いますよ。そしておいらは正気でないお客はお断りです。
ネットを例えに出しましたが、なんで長々書いたのか、読み込んでくだすっていると思います。つまり現実もまったく同じだって事です。
でも間違えてはいけません。
「外的努力」は顔を売ることではないのです。
何かに書きましたけども、料理漫画なみの料理勝負とかね。あんなものは笑止千万。我々は闘鶏場の軍鶏ではないし闘牛でもない。料理勝負の相手は料理人ではなく、【お客さん】です。
努力の仕方はね、【砂金とり】です。大量の砂粒をザルですくう。そのほとんど全部はただの砂でしょう。水に流れていくのみ。
しかし諦めずに毎日毎日すくっては水でさらす。「とる場所さえ間違いなければ」、いつか砂に砂金が混ざる。
そいつを一粒一粒大事に磨く。たとえ砂金がとれなくても、石ころだっていいじゃありませんか。
なにやら狂気の様な記事を書いてしまいました。疲れておるのでしょう。思い返せば、初期は検索エンジンで「板前」というワードでトップページに表示されるのが目標でした。
それが達成され、ついでに五百万アクセスを超えました。そろそろ店じまいの頃合とも言えましょう。
でもまだ当分おいらは書くかも知れませんね。なにしろ「手間と苦痛」が嫌いじゃありませんので
2010年07月11日
この記事へのコメント こんにちは魚山人さん。 |