バイト女子の家庭事情  

苦言

苦夏休みに入りますと学生さんのアルバイトがまいります。通年も居る事は居ますが、夏場は忙しないですのでね。毎年の事で、もうバイトの累計数も憶えてはおりません。

その種の団体からの紹介、伝手、店頭への張り紙、タウン誌への広告、既存のバイトからの紹介、きっかけは色々です。

そのへんは女将に完全にまかせておりますのでタッチすることもありません。女将はプロですので信頼して下駄を預ける形です。

女将の考えもありますのでバイトはほぼ女の子です。
着物を着せたがっておりますが、苦戦してる模様ですな(笑)

以前こんなことがありました。

夏の初めに店を訪うた10代の女の子。
女将の厳しい面接を難なくクリアし、朗らかな性格とハキハキした仕事振りでたちまち女将のお気に入り。おいらに対してもまったく屈託がないので、よく話をしました。

頭の良い子でした。
たった一つを除いて。

おいらはちょいとばかり耳がたちましてね、その子は北関東のある県から都内の大学に来たというふれ込みでしたが、その地方独特のアクセントがゼロだったんですよ。神奈川の甲府寄り。そう思いました。

気にはなりましたが、その場で追求はしません。女将の面目がありますのでね。後で女将に確認させる事にしました。履歴書を突きつけて詰問した様ですな。

家出少女でした。

その結果女将はどうしたか。
[自分の家で引き取り身元保証人になるからこの子をここで使って欲しい]

芯のある芸者上がりです。言い出したら引きゃしません。

「ともかくおいらにも詳しい話をしてくれよ」

そうして女の子から色々な話を聞きだしました。

家庭の子や夫に関心が消えた母親。
暴力を子に振るう父親。
家庭にまったく居場所ってもんが無いわけです。
特に父親の暴力は耐え難く、家を飛び出した。

そんな事情は今でも多いらしく、毎年行き場を失った子があても無く街を徘徊しているといいます。毒牙にかかる子も出ましょう。

「ふざけるな!」そう言いたい。

100%責任がある親に対してですよ。

子を授かるのは幸せ以外のなにもんでもねぇ。
感謝すべきでしょうよ、幸せをくれた子供に。

自分の命と引き換えに愛さなきゃいけませんよ。
それが出来なきゃ人間じゃねぇ。
動物だって出来るからそれ以下だ。

自分の血肉を分けた分身を大切にしましょうよ。
どれほど可愛かったか忘れ果てたわけでもないでしょうに。
畜生道で人生を閉じる前に、我が子の笑顔を取り戻しましょうや。

もっとも。江戸っ子女将の意見は辛辣でした。
「そんな親は一時反省してもすぐに戻る。獣と同じだから。」
「そんな家にこの子は返さない。私が面倒をみます。」

2009年07月31日

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