「くび木茶」を作って飲む
奄美の自然健康飲料、「くび木茶」を作ってみました。健康飲料というより島では「万能薬」として昔から用いていたらしいです。風邪や冷え性などに良いというお話です。
もちろんそんな木やお茶など僕が最初から知っていたわけではなく、ある日山で雑木を刈っていたとき、そばにいた嫁から「その木は使えるから捨てないで」と言われないと、「くび木」も雑木と一緒に燃やしていたはずです。
クビギとはなんぞや?と検索してみると、「ツルグミ」が本来の名称であり、グミの仲間でつる性の常緑低木だとありました。
奄美では主に枝を煮出して使いますが、実、葉、根にも薬効があるらしく、おそらく中国や台湾で漢方薬の一つとして利用されていたものでしょう。テルペノイド系の成分が多く、利尿作用があるそうです。良い匂いがするだけでなく、抗菌性もあるため、医療が進んでいない時代には薬として重宝され、今に伝わったのでしょうね。
クビギ茶の作り方
クビギを切って乾燥させる
くび木(ツルグミ)の枝を10cm程度の長さに切り揃えて

四つ割りにします

この状態で乾燥させます

(できるだけ長く乾燥させた方が木の雑味が消えて飲みやすくなるそうです)
乾燥クビギを煮出してお茶に
最低でも数週間乾燥させたクビギをお茶にします。
適量を水から10~20分ほど弱火で煮出して


濾しながらティーポットなどへ移す

紅茶みたいな色合いですね


木の枝を煮出したにしては臭みなどもなく、思ったよりも飲みやすいですね。もっと乾燥させると微細な雑味も消えるのかなという感じです。
今回は温めて頂きましたが、冷蔵庫で冷やしても美味しいのではないでしょうか。
Posted by 旬爺 at 2020年◎管理者mail◎
Comment
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元赴任マン より:
グミの実を取るんじゃなくて、枝切って飲むんですね…
全国各地に様々な〇〇茶がありますが、先人たちのチャレンジ精神には恐れ入りますね。タラの芽をとるタラノキも、まさかの根が胃薬になるとかで煎じて飲む人もおられるようです。
湯沸かしに薬缶という名前がつくくらいなんで、きっとなんでも放り込んで煎じてたのかもしれません。
旬爺より:
元赴任マン様、ありがとうございます。
出来上がるまでは正直「飲めるんだろうか」という気持ちでしたが、とても飲みやすくて驚きました。
僕たちは現代文明に埋没してしまい、こういうものを意外だと受け止めてしまいますが、よく考えてみると喫茶というものはすべて始まりはこういう感じだったのだったのかもですね。それこそ神農よりもずっと前から人類は試行錯誤していたと。
カルスト より:
先日書き込みました、カルストです。
くび木ですか、懐かしいですね。よく飲みにいっていたスナックのお姉さんにも勧められたことありますし、自分でも何度か作って飲みました。お医者さんの中にも、風邪の時にくび木を勧めるがいらっしゃるそうです。
皮ごと乾燥させた木を煮出すので癖がありそうなのに、それほどでもないのがいいですよね。何より、乾燥した木なので少々余ってもそのまま保管できるのがいいです(笑)。カフェインが入ってないですから、寝る前でも飲めるところも便利ですね。
さて、他の離島の例に漏れず、奄美大島も若い人の多くが島外で就職します。なんとか島の中で就職できるよう、地元の人も頑張っていると思いますが難しいですね。ですから、世界遺産登録は観光客の増加が期待でき、観光業の働き手が必要になるのである意味喜ばしいのですが、せっかくの自然が損なわれないかという懸念もあり・・・。難しいですね。
それでは、これで失礼します。
旬爺より:
カルスト様ありがとうございます。
おっしゃる通りです。
住民の暮らし、過疎化・人口減少、開発、自然の保護、どれも互いに矛盾を孕み、一筋縄にはいきません。
難しい問題ですが、日本全国で中国人インバウンドに頼り切ってしまった危うさを、他山の石とせず、住民にとって本当に大切な事は何か、それを落ち着いて考える必要もあるでしょう。
小石噛んじゃった より:
ある日山で雑木を刈っていたとき、そばにいた嫁から「その木は使えるから捨てないで」と言われないと、「くび木」も雑木と一緒に燃やしていたはずです。
こういう知恵があるっていいですよね!
春告魚さんのような自家製ポン酢とか憧れます!