和菓子・甘味  

和菓子各種

和菓子のあん和菓子と茶の作法和食のデザート

 


和菓子の分類

和菓子は大別して【生菓子】、【半生菓子】、【干菓子】の三種類
水分含有量によって区別します。
40%以上が生菓子、(餡や寒天を使うものは30%)、
20%以下の和菓子は干菓子(打ち物や飴などは10%)
干菓子と生菓子の中間が半生菓子です。

 並生菓子
普通の和菓子はほとんどこれになり、「朝生菓子」とも呼ばれる茶菓子です。
餅菓子や蒸し物や焼き物など。

 上生菓子
おもてなしや進物に使われる高級和菓子。
練切り、羊羹、錦玉、求肥、雪平など。

 引き菓子
引き出物用の和菓子。練切りや羊羹など。
内容の組み方は2、3、5、9個が一般的。

 特殊な和菓子
雲平菓子=観賞用の飾り菓子。芸術的なものであり【工芸菓子】ともいう。
蒔物菓子(まきものがし)=日本伝統の歌舞音曲の発表会に客に渡す生菓子。
茶席菓子=濃茶では主菓子(おもがし)という。生菓子(「こなし」などの生地で作る)
薄茶には干菓子が伝統(今は各様です)


 

 和菓子は日本古来の伝統的な食べ物です。 主流となっている人工的な甘味料を使う菓子は、平安時代に仏教と一緒に中国から伝わったものですが、それ以前の時代から菓子類は在来し、「水飴」「甘葛」「蜂蜜」「柿の皮」などの自然甘味料を使っていました。もっとも古いものは餅になりましょうが、これは甘味や嗜好品という位置ではなく、主食に近く(代用食。つまり凌ぎです)、また神事にもう使う、極めて重要なものでもあったようです。

 

菓子という言葉は元来、自然の草や木の実、そして「くだもの」を表します。 桃、苺、柿などで、現在和食でいうところの【水菓子】ですね。
 ※日本の菓子の祖神は「田道間守」(だじまもり)であり、香菓(かぐのこのみ)[柑橘類の一種]を初めてもたらしたと云う。

 

仏教と時を同じく日本に渡来した加工度の高い菓子は、貴族から庶民に広がって行き、精進や懐石が形になっていく室町あたりには「喫茶」も定着。茶菓子として重要な位置を占めるようになり、江戸時代に全盛を迎えます。

 

金平糖や有平糖やカルメラなど、砂糖をたっぷり使う菓子は、江戸以前の戦国期にポルトガル人が伝えたとされますので、信長や秀吉も口にしたのでしょう。

 

江戸期には現在の和菓子の殆どが完成の域に達しており、あるいは今よりもこの時代の方が優れた物があったと考えられもします(工芸菓子など)

 

餅・もち菓子

  搗き餅

日本で「餅」と言えば、普通【搗き餅(つきもち)】を指します。
「餅」という文字は原料である粘り気の強いモチ米を意味しており、搗き餅は、といだモチ米を一晩ほど吸水させ、水気を切って蒸し上げる。それを杵と臼で粒がなくなるまでついたものです。

餅を搗く工程がいわゆる【餅つき】で、現在は年中行事や祝い事などに限定されつつあるようですが、日本の各地で一種の文化として根強く、幅広く行われています。年中行事の筆頭とも言えるのが正月であり、この時期の消費がぐんを抜いて多い。のしもちや丸もち。また、この時期には【鏡餅】も欠かせません。

・搗き餅で作るもの
板状にのばした「のし餅」、それを切った「角餅(切り餅)」
丸く成形した「丸餅」
半楕円形に伸ばした「なまこ餅」
祝儀に使う卵型の紅白餅「鳥の子餅(別名 つるのこ餅」

【餅菓子】
明確に和菓子(つまり甘味)として扱う餅として、
草餅、安倍川餅(きなこ餅)、甘古呂餅、おはぎ(あんころもち)、 おかき、花びら餅、菱餅などがあります。

ですが実際に搗いて作るのは安倍川餅や草餅あたりまで。
昔は半搗きにして作ったおはぎも、今は「あんころ餅」と同じく炊いて作るのが普通。

練り餅

餅には、搗き餅の他に【練り餅(ねりもち)】があり、こちらは上新粉(うるち米の米粉)などを湯や水で練って蒸すだけで、「搗き」の工程はありません。和菓子の餅の多くは、この練り餅になります。「ちまき」、「求肥餅」、「白玉」などですね。

餅・もち菓子は以上のように練り餅と搗き餅から作られますが、 モチ米で作るもの、うるち米で作るもの、などがあります。

蒸し物

せいろで蒸して仕上げる菓子で、「まんじゅう」がその代表的存在です。

流し物

寒天に甘を加えて型に流し、加熱して固めた菓子。
・あんを加えるもの=羊羹(ようかん)
・加えないもの=錦玉羹(きんぎょくかん)

焼き物

どら焼き、きんつば、鮎焼きなど、彫り型やオーブンで焼いて作る菓子。

練り物

加熱しながら練りあげたもので、求肥、練切り、こなし、雪平など。
手技が必要になる菓子で、上生菓子はほとんどこれになります。

打ち物

焼きみじん粉、砂糖を混ぜ合わせて木型にて打ち出す菓子。
穀物の粉で作るのが【落雁(らくがん)】。
「押し物」もほぼ同じもの。

その他、すり蜜を使う「かけ物」や、鹿の子などの「岡物」という和菓子もあります。

和菓子の材料

和菓子の原料は本体になる「穀物の粉」、餡になる「豆類」、そして「砂糖」が主なものです。つまり「炭水化物」と「糖類」が主体。脂肪分は殆どありません。

モチ米の粉
(和菓子では求肥に使用することが多いです)
・もち粉=もち米を洗って乾燥させ、粉にしたもの
・白玉粉=もち米を次の手順にしたもの 浸水→磨り潰す→水さらし→脱水→乾燥

モチ米を様々に加工した粉類
・煎りみじん粉=煎って粉にしたもの
・みじん粉=餅にして焼き、それを粉にしたもの
・道明寺粉=蒸す→乾燥→砕く  桜餅などに使う
・しんびき粉=道明寺粉を細かくして煎ったもの
・上南粉=しんびき粉の粒が細かいもの
・こいろ=しんびき粉を焼き焦がして薄茶色にしたもの
・寒梅粉=みじん粉をふるって細かくしたもの。みじん粉同様、打物、押物に使う

うるち米の粉
うるち米を精白して洗う→少量の水を加えて製粉→ふるい分ける これを糝粉(しんこ)という。
目の粗いものから順に並べると以下のようになる
・新粉/並新粉=下の二種よりも粗い粉。団子・すあま等に。
「かるかん粉」とも呼びかるかんにも使う
・上新粉=やや細かい。草餅・柏餅・外郎などに。
・上用粉=非常に細かい。薯蕷饅頭に。薯蕷粉とも呼ぶ。

でんぷん
澱粉には芋類、葛根など地中根から作る「地下澱粉」と穀物などから作る「地上澱粉」があります。
・葛粉
透明感と滑らかな舌触りが特徴で風味も良い。「吉野」ともいう。 葛の根のみから作る「本葛」と、甘藷澱粉を混ぜたものがある。 塊を割ると鋭い鋭角が出るものが良品
※国産の葛粉が非常に少ないため、いい加減な表示がまかり通っているのが現状
消費者庁が規制に動く前に、業界は自主的に明確表示を徹底するべきでしょうね
・片栗粉
今はほぼ馬鈴薯澱粉(じゃが芋でんぷん)であり、カタクリの根から作るものは希少品
和菓子では主に「打ち粉」「取り粉」として使う
・浮き粉=小麦澱粉。くずもち、薄い皮、つなぎ等に使う
・コーンスターチ=トウモロコシの澱粉
・タピオカ=キャッサバの澱粉

小麦の粉
ご存知のように小麦粉は「薄力粉」「中力粉」「強力粉」(さらに細かく分ける場合もある)の三種。
和菓子ではあまり使わないが、焼き菓子などに用いることもある。

大豆の粉
きな粉
黄大豆の粉。「黄粉」「黄な粉」とも書く。
青大豆からは「うぐいすきな粉」
州浜などの菓子に使ったり、餅菓子にからめたりする。

抹茶
蒸した緑茶を乾燥し(碾茶)、粉末にしたもの

豆類

餡に使う豆は主に「小豆」「ささげ」「いんげん豆」
生産地は国内では北海道が筆頭。輸入品も多い。
光沢は品質と関係ない。傷や虫食いは除いて使うこと。

普通小豆
アズキという場合はこれを指す。赤小豆。
100粒の重量が17グラム未満

白小豆
上生菓子に使う高価な小豆。
普通小豆と同じで色のみ違う。

大納言小豆
粒あんなど粒を見せるものに使う美しく味も風味も良い小豆
100粒の重量が17グラム以上

ささげ
小豆とよく似ており代用とてして使われる。
浸水時間が3時間と短く、煮崩れしないなど、良い点が多い。
手亡(てぼう) 隠元豆のひとつで白餡の原料。
大手亡→大ぶりで使いやすい。
姫手亡→やや小ぶりで主要品種。中手亡と小手亡に分類。

白いんげん豆
やはり白餡を作る主要品種。
隠元豆には他に「とら豆」「金時」「うずら豆」「大福」など種類が多い。また、隠元豆の代用として輸入が多い「紅花いんげん」も使われる。
紅花いんげんの「白花豆」は白餡に利用する。
他に「紫花豆」もある。同様に「ライ豆」も使用される。

えんどう豆
赤・青・白があり、赤は豆大福に。主に使われるのは青えんどう。
そら豆
餡や豆納豆に使う。

甘味

砂糖を日本に持ち込んだだのは鑑真だという説があります。奈良時代のことで、やはり仏教の伝来と深く繋がっている訳です。純度の低い【含蜜糖】はコクがあり複雑な味が出せる反面少しくどい。純度が高い【分蜜糖】は水に溶けやすくしっとりしており多用されます。

含蜜糖
・和三盆糖=四国で作られる風味豊な和糖。高価である。
・黒砂糖=サトウキビを煮詰めて作る。糖蜜・灰分が多くコクがある。
・白下糖
・赤砂糖(カソナード)

分蜜糖
粗糖と精製糖があり精製糖を使う。
以下は精製糖。
車糖
・上白糖=白砂糖。使いやすく一般に砂糖といえばこれを指す。
・中白糖=やや転化糖が多く淡い黄色。
・三温糖=灰分が多く淡い褐色。煮物向き。
ザラメ糖(双糖)
蔗糖を結晶させたもので純度が高い
・白ザラメ(白双糖)=結晶が粗く純白。
・中ザラメ(中双糖)=結晶は白ザラと同じだが色は淡い黄褐色。
・グラニュー糖=上白糖の次に多用される。純白極小結晶。
加工糖
・粉糖=白ザラメを粉にしたもの。デコレーションなどに。
・顆粒状糖=純度が高く甘さが上品。溶けやすい。
・氷砂糖=白ザラメを溶かし大きく再結晶させたもの。
・角砂糖=グラニュー糖をシロップで固形状に固めたもの。

砂糖以外の甘味料
・水飴=麦芽糖で甘味は弱い。独特の粘りがある。つやが出せる。
・蜂蜜=レンゲ蜜という種類が一般的。
・メープルシロップ=カエデ糖。煮詰めて結晶化したのがメープルシュガー。
・果糖=吸湿性がよく、カステラに使うと乾燥を防げる。
他にステビア(キク科植物抽出)やアスパルテーム(人甘)などがある

その他

膨張剤
ガス(炭酸・アンモニアなど)を発生させて饅頭の皮などを膨らまさせる。
・重曹(じゅうそう) / 炭酸水素ナトリウム・重炭酸ソーダー・ベーキングソーダ
50度くらいでガスが発生。膨張率が高い。生地が黄色くなる事があり苦味や臭いが残ることも
・ベーキングパウダー=合成膨張剤
重曹に分散剤や酸性剤を加えたもの。苦味が残らない。
焼き菓子全般に幅広く使われる。小麦粉の2%前後を加えて使う。
・イーストパウダー=イスパタ
塩化アンモニウムの業務用膨張剤。酸性。
菓子が白く仕上がるので広く使用される。

寒天
海藻が原料の凝固剤。湯で溶け室温で固まる。再加熱で溶ける。
・粉寒天=凝固力は強力。溶けやすい。弾力性は劣る。
・角寒天=凝固力は弱い。溶けやすい。弾力性が出る。
・細寒天=糸寒天。凝固力、弾力性も強い。
・カラギナン・アガー類
凝固力は弱いが弾力性が優れた(ゲル化する)寒天原料に紅藻類を使った【カラギーナン】やアガー類があり、ゼラチンのかわりに粘性のあるデザートに使われる。和菓子でもフルフル感・滑らかさを出したい時に用いる。やはり室温で固まり酸に強く、蛋白質分解酵素を持ったパインやキウイも固めるられる(ただ乳酸発酵食品には弱い)


和菓子でよく使われる他の材料として【やまいも】や【植物の葉】がある


和菓子材料


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