吸物の作り方  

おすましの作り方

吸物の味は「一番だし」と塩の良し悪しで決まります。
ダシをしっかり引き、しょっぱいだけの精製塩は使わないこと。
一番だし

吸物は、
・作りたての一番だしに塩・酒・薄口しょう油で味付けした【吸い地】
・主体の実になる魚介や肉、豆腐加工品、練り物、粉製品、その他様々な・料理の主役となりえる【椀種】
・主役を引きたてる彩のよい「脇役」である三つ葉やワカメ、きのこ類などの【つま】
・ゆずやショウガ、木の芽など香りの高い【吸い口】(口)
この四種で構成されている、単純ながら奥の深い汁ものです。

つまは、彩りを兼ねます。
青菜類など緑のものを使えば間違いありません。
例えば椀種にかまぼこ、つまに三つ葉。

種が竹の子ならつまにワカメ、口に木の芽といったあんばいですね。
はんぺんや豆腐やエビやそうめん、種はいくらでもありますし、麩にきのこ、ネギやきぬさや、どんなものでも材料になりますよ。

簡単に言えば、「動物性の種に植物性の彩をあしらう」ということ。 動物性を入れない場合は、穀物加工品、つまり豆腐やめん類等が代用です。

吸い口は香りのある季節香味野菜。
サンショウの芽や、シソ、ミョウガ、防風、ショウガ。ワサビ、ネギ、そしてユズなどです。
※実に使った野菜の葉(カブやダイコンなど)の葉を細かく刻んだものを口に使用するケースもあります。これを「共菜(ともな)」と言います。

※吸い口の代表は柚子(ゆず)
柚子の切り方

魚介をベースにした塩だけの調味を【うしお汁】と呼び、しょう油を加えるものを【すまし汁】と言います。
潮汁はタイなどの吸物に限定された言葉になっていて、清汁(すまし)が吸物を指す全般的な呼び方です。

これらの事から吸物のポイントは『濁っていない汁であること』だと言えましょう。透き通った汁の為に面倒な1番だしの作り方が存在し、調味から具、全てにおいて「濁らさない」よう神経を使う料理なのです。

しかし「ハマグリの吸物」や「タイのうしお汁」などは普通に作ると白く濁る場合があります。板前はこれを嫌いますが、実は少し濁っていた方が美味しいのです。

白い濁りはミネラル分などの栄養、つまり「旨味」が主体。なので、美味さをとるか、見た目をとるかで作り方を変えてもいいのです。

作り方ですが、使う実によって違ってきます。
基本的には椀種とツマを漆器の椀に盛っておき、そこに熱い吸い地を静かに張り、最後に口を浮かべてフタをします。

吸い地は出汁を熱し、酒と塩で味をつけます。
塩は味見しながら数回に分けて入れたほうがよいでしょう。
塩のタイミングは「出ばな」つまり沸く寸前がベスト。あまり早く塩を入れてはいけません。最後に薄口しょう油を微量入れて香りを加えたら火を止めます。

種やつまは、それぞれ下ごしらえして彩りよく盛っておきます。
青菜類は緑鮮やかに、肉類は脂を追い出しておきましょう。
何でもよいのですが、できるだけ季節の旬素材を使い、変に加工して持味を消さない様にして下さい。それ自体がドギツイ香りやクドイ味で、昆布とかつお節の出汁の香りとまったく合わない材料以外はいかなる食材でも大丈夫です。


汁を濁らせない配慮
ハマグリの吸い物
魚のうしお汁
はも吸い・吉野仕立て


ご家庭で作れる簡単結び鱚椀



伊勢海老の吸物










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