粥(おかゆ)の作り方  

おかゆの作り方

おかゆ(粥)は風邪を引いて食欲が落ちたときとか、病気で胃腸の機能が落ちている時に、体に負担をかけずに食べれる食事です。消化が非常によく内臓に負担をかけないし、冷えた体を温め、カロリーも低いので内臓機能を刺激しないからです。

米から炊く粥が【炊き粥】
ご飯から炊く粥が【入れ粥】

入れ粥はあまり飯に倍の量の湯を入れてもういちど炊いたものです。 簡単に作れて残りご飯の処理に適しますが、味は炊き粥より落ちます。

元々「おかゆ」とは釜で水炊きした米を指す言葉で、つまり今の「ご飯」を意味していました。炊いた米が「かゆ」で、蒸した米が「強飯(こわめし)」だったのです。

やはりおかゆは炊き粥です。
自動炊飯器でも作れますし、普通の鍋でもできます、できれば厚手の鍋を。美味いのは『土鍋』で作ったお粥です。



炊き粥

米は汚れを落とす程度で軽く洗えば結構です。 洗った米は30分ほどザルにあげておきます。

サラリとした粥が食べたい時は7~8倍の【七分粥】にしましょう。

鍋に米と水を入れて強火で沸かします。

沸いたら火を弱くして、フタをずらすか、割り箸を差し込んで浮かせておきます。

※おかゆは非常に吹きこぼれやすいです。フタをしなくてもお粥は炊けます。鍋蓋無しの方が簡単ですが、この場合水分が蒸発しやすくなるので、途中で水を加える必要があります。

ココトコト弱火で30~40煮れば完成です。
長くても1時間で炊けます。

塩をひとつまみ入れて火を止め、底の方から軽くかき混ぜます

※最初に沸騰した段階で塩を入れて味を付ける方法もあります。
塩を少々と少しの酒を加えて炊くと甘みが際立つおかゆに。

器に盛ります。


おかゆの炊き方【動画】

お粥の水加減

米1に対し水5~7、約5倍。
これが【全粥】で、普通に食べるおかゆです。
普段は米の5倍の水でいいでしょう。

食欲が無いときは水を10倍にした【五分粥】、
10~20倍の【三分粥(おまじり)】などがよいでしょう。

お粥は非常に熱くなりますので、猫舌の人には氷を一個入れて出しますと食べやすくなります。逆に真冬など体をもっと温めたい時等は、出汁に薄口醤油とみりんで味をつけた吸地に水溶き片栗粉でとろみをつけたアンをカユの上に張るといいです。

重湯とは

湯桶(ゆとう)に入れて出す事もあるスープの一種で、「飲み物」だと言えます。米からじっくり引き出したスープと考えていいでしょう。

昔の日本では、旅で疲れて体の冷えた来客をもてなすものだったようで、懐石の温石とつながる意味合いも持っています。

現在は主に回復食として定着しており、胃の機能が極端に落ちた病人や初期の補助離乳食などに、五分粥以上でできる「おかゆの汁(上澄み液)」である【重湯/おもゆ】を食べさせる(飲ませる)こともあります。
五分粥程度をガーゼなどで漉してすすめるといいでしょう。

七草粥の作り方

・上記の炊き粥の要領で「全粥」を作ります

・その間に七草を洗って細かく刻みましょう
(洗った後水分をよくきってから刻む)

・お粥を弱火で40分ほど煮たら七草を入れます

・七草を入れさらに3~5分ほど煮ます
(色を失わないように、早めがよい)

・火を止めて塩をひとつまみ入れます

・器に盛って胡麻やオロシショウガ、好みでしょう油を数滴

※味付けはお好み。塩味だけが普通ですが、吸い物程度の薄味にしても美味しいし、卵でとじてもいいですね。

春の七草がゆ

新春1月7日に、芹(セリ)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)以上7種類の野草(春の七草)を粥にして、一年の健康を願うお粥です。

しかし七草は旧暦の新春に出るもので、現在の2月初め頃。
正月にはなかなかそろえる事ができません。大根(すずしろ)、カブ(すずな)、セリなど入手可能なものを入れて、あとは他の若菜で代用してもかまいませんよ。

色々な粥


小豆粥(あずきがゆ)

「望ち粥」「十五日粥」ともいう。
新年1月15日に食べる風習があるお粥。

1、皮を破らないように小豆を茹でる
(一晩水に漬けて漬け汁ごと弱火で一時間程度)

2、煮汁を漉す

3、鍋に米、煮汁を米の二倍、水を三倍入れて沸かす
(これは5倍増しの一般的な白粥と同じ割合であり、固さは好みで調整してもよい)

4、沸いたタイミングで小豆を適宜(米の2%程度)加え弱火に

5、気長にコトコト、時々かき混ぜて炊き上げ最後に塩で味をつける

芋粥(いもがゆ)

さつまいもの米がゆ。
小豆粥の小豆代わりに芋を使ったともいわれる。
じゃがいも、里芋、山芋で作るものもある。

・さつまいもは厚めに皮をむき、適当に切る
(さいの目に切ることが多いが乱切りでもよい。お好み)

・切ったらすぐに水に浸ける
(芋はアクが出やすいので数回水をかえるか流水にしておく)

・米に八分通り煮えたところで芋を加え、塩味で仕上げる
(少しの醤油や酒を加えてもよい)

あんかけ粥

・普通に白粥を作る
・出汁に醤油と塩で薄味をつけて水溶き片栗粉(又は葛)でとろみをつけて餡を作る
・粥を器に盛り、上に餡をかける
・おろし生姜などをのせて供する

梅干し粥

普通に白粥を作り、当中で鍋の中心に梅干しをおいて煮あげた粥。塩は不要で適度な味が付いて美味しい。食欲がない時に良い。

茶粥(ちゃがゆ)

お茶(番茶、煎茶、ほうじ茶)を煮出した汁で炊いた粥。
布袋に茶葉を入れて煮出し、その汁を使う。
1の米に対し汁が10という分量で炊く。
米が煮立ったところで袋ごと入れるやり方や白粥を作り、器に盛ってから挽茶や新茶葉を混ぜるものもある。

霰粥(あられがゆ)

焼いた白身魚のむしり身をかゆの中へ入れる。
また、文字通りあられを散らす粥もある。



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