千成瓜  

千成瓜

まだ朝晩の寒暖差が残っていますけども、どうやら今年も夏の気配が近づいて来たようですね。じきに入梅、それが終わって虹の切れ間から蒼穹が広がりましたら、夏本番です。


今年はワールドカップ。
頑張って欲しいですねぇ、日本チーム。
今回も魅せてくれると期待しましょう。

応援したくて早くもムズムズしております。
遠足前夜の子供の精神状態(笑)


さて、夏といいますと、なんといってもウリ。
子供は西瓜、大人はシロウリですね。

白瓜は雷干しが一番。
味も、薄い塩味だけが風味をより楽しめます。
そしてコリコリ感が身上ですから、シンナリには注意したいところです。

白瓜に関しては皆様もよくご存知でしょうけども、ウリの仲間は熱帯性が殆どだからか、多彩で色々な種類がございます。

これは、ハヤトウリと言います。

あまり見たことがないかも知れません。




漢字表記は「隼人瓜」、渡来地の鹿児島にちなんだ名称だと云われます。センナリ(千成瓜)という別名もありまして、自分らは和食にピタリの縁起良い千成の方が馴染みよいのですけども、一般的には隼人瓜と呼ばれる事が多いみたいです。

旬はもちろん夏場ですが、美味しいのは夏の終わり頃、盆過ぎですね。

お味は非常に淡白で、ぬか漬け、味噌漬け、煮物、汁の実、詰め物、炒め物、などにします。

しかし、この野菜は海外の方がポピュラーだと言えるかも知れません。熱帯の高地でよく育ちます。近隣では東南アジア諸国、あとカリブ諸国とか、特に原産地でもあるメキシコでよく使われるようですね。

現地名は「チャヨテ/Chayote」
最近は隼人瓜という名称よりも、こちらの名前の方が知られているかも知れませんね。

向こうのハヤトウリ(チャヨテ)は、日本のものと違い見た目が野性的。濃い緑でヒゲとトゲトゲがあります。見た目は異なりますけども、同じ種です。

料理の他、腎臓の薬にもするといいますが、特に目を引く成分はなさそうです。栄養的には胡瓜と同じようなものでしかありません。

街であまり見かけないという意味では、珍しい食材と言えるこのハヤトウリ。肝心のお味はどうか。

淡白でクセがありませんので、ある種の煮物には向いておりますが、正直に言いますと、「ぼやけて」おり、それほど印象に残るものではありません。風味も他の瓜より劣りますので、漬け物にしてもパッとしませんね。

では、なぜそんな食材をわざわざとり上げたのかと申しますと、本体ではなく、若い芽と葉が非常に美味であり珍味だからです。

ハヤトウリの葉と茎 :(外部サイト)

先に書きましたように、果実の食べ頃が夏の終わり頃ですので、新芽や若葉の旬は初夏から盛夏になりますね。

ついでに、でんぷん質の根っこの方は秋が旬になりまして、これはボイルし、芋のように皮を剥いて食べます。

ツルの先の方と、葉を摘み取り、これを新鮮なうちに料理しますと、「夏の山菜」といった趣です。 どのような料理にも出来ますが、さっとゆがいて「お浸し」が良い感じです。あとは炒め物がおすすめですね。

残念なのは、普通には入手ができない事。実だけが流通していますし、摘みたての新鮮でなきゃ風味が失せる。栽培地に行かなきゃ芽とか葉は入手困難です。

もし近場でこれを栽培している農家さんがいるようでしたら、何か手土産でもぶら下げて訪問し、葉と芽を分けてもらうといいですね。どうせ捨てるものですから、だいたいは※沢山分けて貰えますよ。
(※礼儀をお忘れなく)

そして、これは意外と栽培も簡単ですので、ご自分で作ってみるのもいいですね。

2014年05月20日

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