大間産のクロマグロ  

大間産のクロマグロ

大間産のクロマグロ(本まぐろ)、日本最高の鮪というブランド・バリューが浸透した感があります。TVの影響でしょうなぁ。

築地のセリ値でキロ1万円くらいですんで、仕入れすりゃ赤身のブロックでも数十万円、大トロのある「腹上」なんぞは目の玉が飛び出すお値段。

一般のクロマグロがヨンマルからゴーマル(キロ単価4000~5000円)ですんで、吃驚する高値と言えましょうね。

「いくつかの特殊な事情と条件」が揃った店でないと、なかなか仕入れは難しいですなこんなモンは。それでもすぐに引かれて行くってのは、この東京にゃそんな店が沢山あるって事なんでしょうなぁ。

料理用の原材料として仕入れた商品の価格がもし単体で数十万、数百万円するとしたら、売価の設定が非常に難しくなります。たとえ細分化して売るにしても、まず通常の売値設定は不可能だと考えていいでしょう。結果的に利益を得られる可能性が低い訳です。

特殊な業界を除けば、そのような財務を悪化させるリスクの高い物は仕入れを控えるのが普通であり、ましてや厳しい飲食業ならなおさらの事です。

飲食業ってのは「太く短く」的な発想をしてはいけない商売です。価格破壊・安値攻勢も愚ですし、いたずらに超高級を狙うのも愚かな選択です。

「自分にできる方法でお客様を大事に」を積み重ねてポジションを得なければ、長く続けられはしないもの。鍵は「自分にできる方法」になりましょう。

この方法で差別化を図るものであり、値段に走るものではありません。今の風潮として安値競争が激化しておりますが、これは「タコが自分の足を喰う」のごとし。いずれ良くない結果をもたらすでしょう。




難しく考えずとも商売の鉄則は「仕入れを安く」です。
ところが「近海の生本マグロ」は例外。

「特殊な事情と条件」に納まっています。
色々な事情がありますが、要するに「看板」って事ですわ。

勿論おいらは大間マグロを仕入れたりはしません。
鮨専でも華亭でもありませんのでね。そんなもんは要りません。

しかしお客さん商売です。馴染の客の要望を無視する事はできません。宴会の単価もお客の都合に合わせて柔軟にしています。まあ下限ってものはやはり有りますが、上限を押し付ける事はできません。

それでたまに仕入れる事もあります。
旬にもなって来ましたしね。

ズケ(赤身)

普通なら食べれない腹腔膜側の「手くず」を握ってつまみ食い。
ホンマの赤身は独特の酸味があるので万人受けはしないもので、おそらく多くの方は冷凍のインドやバチやキハダの方が美味いと感じると思いますけども、やはりこの大トロは質があきらかに違います。

2009年12月01日

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