大皿盛り付けは絵柄を意識  

大皿(絵柄)の盛り付けワンポイント

一般的に会席料理で大皿を用いる事は殆どありません。
懐石でも取り回しの大鉢は使えど、大皿の出番は少ないようです。

しかし大皿の魅力は捨て難いものがございます。
備前に代表される、素焼きのざっくりとした趣きも大変素晴らしく好きなのですが、大き目の器はやはり絵柄が多いもの。上絵の華麗さや深みは和食器の眼目です。

いくら美しかろうと料理人にとって器は器。飾り物にしておくのはどうか。土佐の皿鉢料理ほどまではいかなくとも、折にふれて使ってみたい器ではありますね。料理を食べて行くにしたがって器の絵柄が徐々に表れて、食べる人の目を楽しませる。これがまたよいのです。

 

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大皿(絵柄)の盛り付け

人の目は平面的な広がりを持つものを見るとき、自然と中央に向けてフォーカスされます。

碗や鉢といった深みのある器、これらは料理を盛ると自然に中心が決まります。料理が山の形になるからですね。皿にしても向付、千代口などの小さい皿はその面積から自然に立体的になります。また深みを伴うので「円形」になっているからでもあります。

したがって、鉢や碗の盛り付けは基本的に難しくはありません。
彩りとバランスに配慮すればまず見苦しい事にはならないのです。

しかし八寸だとか大皿ですとそうはいきません。
先ほど書いたように食客の視線は中央に寄りますので、それを計算して配置しないと構図が歪になるからです。大皿は円形の場合もありますが、面積からして食客には「平面」と変わりありません。

具体的には「視線を外に流す」ような配置にします。

食客の視点

器の左下の辺りに一品を置くと、それがまず目に飛び込みます。
その次に今度は右上の辺りに一品。
これで目線は中央に偏らず器の外に向かって広がります。
飛び出していかぬように右下にも一品。
これによって食客の視点は器全体をバランスよく移動できます。

この配置は【不等辺三角形】が最も適しているでしょう。

等辺ですと視点がまとまってしまいやすく内側に集まります。
一見意味のない不等辺に配置することで広がりを得るのです。

つまり「不自然さの自然」ということですね。

これは、実は自然界に存在する山塊とほぼ同じ。
等辺な三角形をした山は多分存在しません。
見事な三角形に見える富士山ですら、精緻に見れば等辺ではない。
だからこそ自然の山脈は美しく、人を魅了するのでしょう。

以上は無地の素焼きも含む全般的な基本であります。

さて絵柄の大皿ですが、描かれているのは花鳥風月が多く、動植物などが主なものであり、特に樹木や花が多いですね。抽象的な線を主体にした一見何をモチーフにしているのか分からぬものあれば、写実的な微細さをもって描かれているのもあります。

いずれに致しましても、銘銘皿に料理を移して行くと美しい絵柄が徐々に姿を現し、二重に食客を楽しませる絵皿。その意味を押えて盛り付けしましょうということです。

これらの絵皿とて歪にならぬようバランス良く盛り付けるのが基本ですが、せっかくの絵柄を活かす配慮をしてみるのもよいですね。

料理で絵を覆い隠してしまうのではなく、最初から絵柄を意識した盛り付けをしてみるのです。

この場合、その絵柄に関連した配置と料理がいいでしょう。
器と料理のコラボという訳です。
簡単な例を言いますと梅の裸樹が描かれているとすれば、枝の先にあたる部分に梅花を模した品を配置するなどです。
大輪の花が描かれているのなら鳥や草、あるいは樹木を思わせる品を巧みに配置する

そこまでしなくとも、絵の流れにそって料理を配置するだけでもいい。
下の画像ですが、料理をお見せする事ができませんので、汚いもので大変申し訳ないのですが、絵柄を意識して盛り込みをやろうとしている例です。

絵柄が単純であるぶん、何をしようとしているのか何となくお分かり頂けるのではないでしょうか。

ちなみに、貴重な絵皿に盛り付けをする場合、鉄の盛り箸は使わない方が賢明です。木製の箸を使うようにしましょう。

盛り付けと掻敷

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