ホオズキに盛る料理  

鬼灯の萼に盛る料理

ホオズキの時期ですねぇ。
もちろんアコウダイによく似た、魚のホウズキ(フサカサゴ)ではありませんで、『ほうずき市』の方です。ナス科の多年草のホオズキ(鬼灯・酸漿)です。



 


全国あちらこちらで『ほうずき市』はございますけども、なんと言っても浅草は浅草寺の『ほうずき市』でしょう。今年はあいにく本堂が改修中なので例年より露天なども少なめらしく、混雑も気のせいか緩かったように思います。
(確か数年前からやっておる様ですが、いつ終わるのでしょうか?)
しかしまぁ涼しげな江戸風鈴の音色は相変わらずです。
いいもんですなぁあの音は(^_^)

ホオズキは100種類にもなるといいますが、観賞用と食用に大別してもいいでしょう。

食用ホオズキは秋が旬、秋田の上小阿仁村の特産で、最近は北海道でも作っています。これは完熟すると萼が茶色になりまして、実は黄色くなり、その実を砂糖漬けや酢漬けなどにします。生食も可能です。甘味のある「フィサリス」、酸味がある「トマティーヨ」の二種が主体で、両方ともアメリカ大陸原産です。

一方この夏場に出回るホウズキは6~7月に白い5弁の花が開花しまして、花が咲いたのち、果実を袋状に包んだ六角の萼(がく)が熟してオレンジ色になります。観賞用栽培物の主な品種は「タンバホオズキ」で小振りの「三寸ホオズキ」なんていうのもあります。和食で夏のあしらいに使うのはこのオレンジ色をした袋状の萼です。

タンバホオズキは実が大きく、その実から種を揉み出し、その種を口に中に入れて鳴らして遊びます。子供の時に遊んだ記憶のある方も多いでしょう。子供が頬を膨らませているその様子から「頬づき」~「ホオズキ」になったとの説もあり。

漢の『爾雅』にも日本の『古事記』にも記述がありますので古くから親しまれていた様ですが、例によって「薬草」として重宝された様です。鎮静、解熱、咳、痰、冷え性などに効能があると伝わっています。

さて『ほうずき市』ですが、浅草寺では7月10日は結縁日で「四万六千日」の観音詣。前日の9日を含むこの期間に参詣すれば四万六千日(126年)詣でたのと同じ功徳があるとされます。全国のほうずき市も似たようなもので、つまり縁起物。

これはホウズキの外観が提灯と似ている事などがその由来かも知れません。漢字では「鬼灯」とも書き、英名でChineselanternplantまたは日本の提灯とも。霊を迎えるこの時期に熟す提灯の様な植物。自然にこうした事に使われる様になったと想像ですますね。

ところが「ほうずき市」には別の見方もありましてね、先ほど書いた様にホオズキの根・茎は「酸漿根」という薬として使われて来ましたが、ナス科の植物はほとんどがアルカロイドを含んでいまして、酸漿根にはヒストニンも含まれています。ヒストニンは子宮を刺激しますので江戸時代にはこれを流産用の堕胎薬として使用していたらしいです。

つまりね、「ほうずき市」の時期7月上旬に妊娠すれば「つわり」がひどくなるのは秋の収穫期になるわけです。ですからこの時期に妊娠したらホウズキで子を流す。そのような「厳しい時代の日本の暗部的」な伝承もあるようです。反面「田」を持たない漁師は秋の収穫繁忙期はありませんので、夏場の貝「あわび」を「目の綺麗な子が産まれるし、滋養強壮だから」って嫁に食わせる。

しかしこれはまぁ「秋ナスは嫁に食わすな」と似て、民話伝承の類でさしたる根拠は無いとも思えます。色々矛盾するし「こじつけ」が目立ちますのでね。

あしらいや器にする事が多いホウズキ。

今年は何を盛りましょうか。
魚板前がどんな料理をホウズキに盛ったのかは想像して頂くとしまして、あなたならどんな一品を作って盛りますか

ちなみにホウズキの花言葉は【偽り】

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