暖かいのは結構ですが、これでは季節感ってものがありませんなあ。年々春夏秋冬のメリハリってものが薄くなっております。昨今は正月でも松飾は少なくなり、しめ縄もあがらない。その代わりハロウィンだとか意味の分からぬシロモノが喧しい。まったくもって芯のねぇ国です。
今年は去年よりさらに家庭経済は緊縮財政でもって年の瀬を迎えるでしょうし、正月の形骸化はさらに加速するんでしょうねぇ。言ってはいかん言葉だと承知はしてますけども、つい「昔は良かったなあ」ですよ。
それでも和食の約束事は変わりません。いくら季節感が無くなろうと料理に季節を写し取る。四季を表現するのが日本料理のテーマです。
今旬真っ盛りといえば、ご存知日本伝統のフルーツ【柿】
※此れは柿ではなく卵と昆布で季節の柿を表現した八寸料理です。
→柿卵
柿の種類は1000種もあるとされますが、少し整理してみましょうかね。
原産は日本を含めた中国など東アジアだとされます。
長江流域に自生が見られますが、早くから栽培もされ栽培歴においては日本もかなり古く、また栽培種は日本で成功したと考えてよいでしょう。そのきっかけとして日本固有種(日本だけにある突然変異種)【甘柿】が1214年に国内で発見された事が大きいかもしれません。
英語では柿を Persimmon と表記しますが、学名は kaki。日本からヨーロッパへ伝わったのは1789年。北米には1870年。ヨーロッパではそのまま「カキ」で通ります。
※近年は SharonFruit(シャロンフルーツ)と呼ばれる事が増えました。キブツ(集団農場)などの成功で食料自給率90%以上を成し遂げた農業立国イスラエルの柿が知名度を高めた為です。SharonFruitはイスラエル産柿のブランド(登録商標)
神奈川県川崎市麻生区の王禅寺で、1214年に発見されたという日本初の甘柿【禅寺丸】
現在柿の栽培は日本、中国、韓国の東アジアだけはなく、ブラジル、イタリア、イスラエルでも盛んで、他にもオーストラリア、ニュージーランド、アメリカの一部、メキシコ、イランなどでも作られています。全体で260万トン/年くらいですが、その7割以上を中国が生産しています。日本国内では和歌山県、福岡県、奈良県、岐阜県、愛知県、山形県が主な生産地として知られます。(国内生産はおよそ20~30万トン)古くから日本国民に馴染み深い果樹ですので広く栽培されており、個人宅の庭先にも多くみられ、北海道と沖縄を除くほぼ日本全土で見る事ができます。