食品冷凍保存のコツ  

食品冷凍保存

美味しそうな食材をついつい買い込んで、冷蔵庫に放り込んだはいいけれど、食べるタイミングを逃してしまい、いつの間にやら腐らしてしまう。 よくある話です。

最近の冷蔵庫は、パーシャル(-3℃)、氷温(-1℃)、チルド(0℃)等の、食品の保存に適した新温度帯を保てる便利な機能を搭載したものが多いですが、これとて数日後に食べるという前提でのみ有効なんですね。

食品は生が美味しいのは言うまでもありません。しかし、毎回食べきる量だけ買出しというのは無理があるのも確かです。冷凍保存を上手に活用して、食べ物の鮮度低下を防ぎ、無駄をなくす様にしましょう。

食品には冷凍に向いたものとそうでない物があります。

冷凍にあまり適さないもの

A 水分の多い食品
凍結した水分が、組織をズタズタに破壊して旨味成分や栄養素が流れ去ってしまうからです。

B 脂がのっている食品
脂肪分は冷凍中でも酸化が進行し、「焼けて」しまいます。
脂のある新巻鮭や季節物の青魚(サバ・サンマ・イワシ等)の干物がそうですね。

C 厚みのある食品
中心まで凍るのに時間がかかり、場合によっては冷凍しなかった状態になります。基本的に凍結に時間がかかれば組織が壊れます。

ただし、ABCは家庭用の冷凍室と、業務用の-60℃にもなる急速冷凍機ではかなり差がでます。ここで業務用の話をしても仕方ないと思いますので、家庭用の事と考えて下さい。

※最近は食品冷凍の常識も覆りつつあります。
冷凍食品は氷の結晶で細胞膜が破壊されるという「壁」を越えたCAS冷凍(セルアライブシステム冷凍)などの新しい冷凍システムが開発されています。CAS冷凍は水分を瞬時に凍らせ得るので氷晶化が無い、つまり細胞を破壊しないという話です。




冷凍保存のコツ

■できるかぎり新鮮なうちに冷凍する事
■固まり肉(魚も含む)は厚みを薄くする事
■使う分量ずつ小分けし、互いに引っ付かない配慮をする事
■水切りを徹底する。余分な水滴はふき取って
■空気を遮断する事
■光を遮断する事

★アルミのバットは冷気を伝えやすいので活用しましょう。
★生野菜は必ず芯まで加熱してから冷凍。
★青菜類は硬めに塩茹でし、水切りしてから。

他の野菜も電子レンジでもよいので加熱してから冷凍。
ちなみに本ワサビも冷凍できますが、これは生で。

★パセリなど生で使用する葉ものは、葉だけにして袋に入れ冷凍。
トマトは生で冷凍します。
ただしサラダには使えません、調理用に。

★レモンを含めて、フルーツ類はカットしてから冷凍します。
甘い物は完熟を待って、皮をむき砂糖を少量振って冷凍します。
これも互いにくっつかない様にしましょう。
水気を拭き取るか、個別に仕分けすればくっつきませんが、まとめて袋詰めにしても、途中で(完全に凍結する前。入れて15分~20分)ほぐしてやればくっつきません。
*ブドウは皮つきで。(粒をバラバラにしてから)

★和菓子やケーキも冷凍した方が良い事もあります。
添加物なしの生菓子ですね。2~3日しかもちませんが、冷凍すれば1週間は大丈夫です。生フルーツ類は取ってから冷凍します。

魚や貝なども、今やほとんど冷凍可能な時代ですが、正直申し上げて、生の味わいを上回るのは無理ですね。肉と違い、身に水分が多いせいもあります。イカのおろし身は冷凍でも味を保てますけど、これは例外。しかし、油断してると生ものはすぐに腐ります。せっかくの食品を腐らせて捨てるのは、話になりゃしません。食材の為にも、上手に冷凍庫を利用して下さい。

家庭の冷凍庫の温度では、種類によって差はありますが、生鮮食品の品質を保てるのは三週間が目安です。出来るだけ早めに食べる様にしましょう。また、ケーキ等特殊なものを除いて、凍ったまま調理あるいは食べるのが望ましい事も憶えておいて下さい。

再冷凍すると食品の持ち味を殆ど失います。小分けやひっつかない配慮をするのはその為でもあります。
賢いタラコの買い方と冷凍保存

<<食品冷凍保存のやり方
魚の保存の仕方



お問い合わせ・サイトポリシー
Copyright © 2024 手前板前. All Rights Reserved.