牛肉の選び方  

牛肉の選び方

おかしな話ですが、「国産牛」とは日本で生まれた牛のことを指す表示ではありません。どこで生まれようが「一定期間日本で育った牛」全体を国産牛と呼びます。

これは牛肉に限らず、魚貝などでも同じようなもので、日本行政の「複雑なしくみ」が見えてくる「変な決まり」の一つではありますが、合法なので仕方ありません。
ま、日本語がオカシクなるのも仕方ありませんわな、これでは。

そのかわり、「和牛」の表示は日本で生まれ育った牛を示します。ブランド和牛である松阪牛や神戸牛などの「黒毛和牛」が代表ですね。そのリブロース(霜降り)は世界一の品質だと称されます。たしかに柔らかいし絶妙な食感です。

しかし、特にブランドにこだわる必要もないと思います。

脂肪が絡んだ肉が栄養的にどうかということもあるし、肉本来の旨味というのはたんぱく質の多い赤身にあるからで、ブランドよりも部位や肉質で選べば結構なのですよ。

 

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牛肉の選び方

と畜から10日前後熟成させた牛肉が食べ頃で、肉屋の店頭に並ぶのはちょうどそのくらいの加減です。うまみ成分であるイノシン酸がこの頃にピークになるからで、ここを頂点にして質が下落して行き、やがて腐敗します。(冷蔵の場合。冷凍が主流ですから、それに合わせて加減してあります)

良い牛肉

・鮮やかな赤色で黒ずんでいない
・きめが細かい
・ドリップがない
・脂肪が美しい白か乳白色
・その脂肪と赤身の境目が鮮やかでメリハリがある

肉に力がなく、赤身と脂肪の境界がぼやけているものはダメ。
鶏肉や豚肉はツヤのあるピンクが良いが牛肉は鮮やかな赤色。

牛肉の部位

牛肉はそれぞれの部位の特徴がはっきりしており、その料理に向く箇所がおおよそ決まっております。

上から行きましょう。

ネック

頭の下、つまり「クビ」の部分です。
一番可動する箇所なので肉質は硬くて粗い。
煮込み・スープ材料、ひき肉ななどに使います。

かたロース

背中の首に近い部分の筋肉。
やや粗くて硬いが、適度に霜降りも入り、用途が広い。
何にでも使えるが、筋があるのでステーキなどは「筋切り」してから。

かた

かたロースの下、前脚の付け根あたり。
かたくて粗いが、ゼラチン質でエキスも濃いのでスープに向く。
薄く切れば他の料理にも使える。

かたばら

かたの下にあり、バラの前の部分になる。
バラなので脂身が多いが筋が多くて硬い。
シチューなどがメインだが、薄切りにして他の料理にも使う。

リブロース

かたロースの後方になる背中の肉。
筋が少なく、霜降りが出来やすく、全般的に柔らかく風味がある。
厚切りステーキやローストビーフに最適。
薄切りにしてすき焼きやしゃぶしゃぶにも良い。
リブロースは分厚い肉であり、切断面の中央あたりの長円形部分を「リブアイ(芯)」と呼び、ここはロースの中でも最上品とされる。

サーロイン

リブロースの後方になる背中の肉。
運動量が少ない場所なので筋が少なく柔らかい。
霜降りになりやすく、ステーキに最高の場所。

ヒレ(テンダーロイン)

牛肉で柔らかい部位のベストスリーは以下のようになります。
1位=ヒレ
2位=サーロイン
3位=リブロース

つまりヒレが一番柔らかく、脂肪も少なめ。
サーロインの内側にある細長い部分がヒレで、全体の3%しかとれない、いわば本マグロの大トロのような肉です。3センチ以上の厚切りにしたステーキが良く、焼き過ぎないのがコツ。

高級レストランなどではヒレの各部を以下のように呼び分けます
一番太い部分=テート
その下の部分=シャトーブリアン
その下の部分=フィレ
その下の部分=トゥルヌド
その下の部分=フィレ・ミニョン
中でも一番柔らかく美味しいのがシャトーブリアンということになってます。

ともばら

腹の肉というか、肋骨周辺の肉です。
つまりバラ肉であり、バラのやや後方全体を指します。
肉質はかたく、粗い。しかし霜降りになりやすく脂身が多い。
味が濃厚なので、スライスして焼肉の「カルビ」として人気。
他に煮込みやシチューにも使う。

らんぷ

背中の最後方で、サーロインの後ろの肉。
赤身であり柔らかい部分です。
牛刺、牛タタキに最適な肉ですね。
良いものはステーキにもなるし、ローストビーフなど利用範囲は広い。

そともも

らんぷの後方にある脚の付け根の肉。
やや粗いが何にでも使える便利な部分。
コーンビーフは主にこの肉で作る。
ポトフなど煮込み、スライスして炒め物などに。

うちもも

もも肉の内側部分で、一番脂肪が少ない赤身肉。
どんな料理にも使えるので、脂肪を避けたい人には最高。

しんたま

もも肉の一部で、うちももの下にある丸い塊。
きめが細かく柔らかい赤身なので何にでも使える。
カツや焼肉、すき焼き、ステーキ、煮込みなど。

すね

足のふくらはぎ。硬くて筋が多い。
この筋はコラーゲン、エラスチンなどのたんぱく質。
このたんぱく質は煮込むとゼラチンに変化して柔らかくなる。
煮込みの他、スープに良い。

※牛肉はたんぱく質の宝庫であり、ビタミンB群やミネラルもある。肉食である西洋人が大柄なのも頷けるが、話は単純ではない。人間が必要とするたんぱく質はそう多くはなく、牛肉を食べ続けるとすぐに必要量をオーバーする。たんぱく質も過剰になると体内に様々な不具合をもたらす可能性が高い。

ようするに「牛肉は常食にせず、時々楽しんだほうが良い」です。

※内臓類はビタミンやミネラルがどっさり。とくに肝臓はほぼ全てのビタミンを高率で含む。(残念ながら「レバ刺し」は禁じられましたが) 内臓類は酵素の活性が高く、腐りやすいので注意しましょう。

※フォン・ド・ヴォー
子牛の骨や、骨付きすね肉でつくった出汁がフォン・ド・ヴォーです。

生後10ヶ月未満の子ウシ肉は高たんぱく、低脂肪、低エネルギー。さらに肉質はきめが細かく柔らかい。なので西欧で人気が高い。特にイタリア料理で多用されます。

脱脂粉乳だけで育てた生後16週ほどの子牛が「milk fed」
これは黒毛和牛に匹敵する高値で取引されます。

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