シロガイ(皿貝)  

魚貝の多彩さ

貝や魚は植物・鉱物等と同じく、掘り下げるとその種類は膨大でして、細かく分類しているのは学者や好事家くらいのもんです。

しかし魚貝は日本人の食卓に欠かせない重要な商品。他の資源と異なる特徴は、比較的獲れた姿のまま消費者に届きやすい品であるということ。

他の資源は素人の目にふれる事のない工場などで、完全に加工され原型をとどめないのが普通です。つまり【消費者の判断】が生きてる商品といえます。

魚貝の種類の豊富さと相まって、一般人には見分けられないのをよい事に、昔からたびたび問題視されるのが【紛らわしい名称】です。

その典型が【かじきまぐろ】でしょう。
カジキはマグロと何の関係も無い魚だというのに、カジキを「かじきまぐろ」と呼ぶ習慣が根強い。ランクが上のマグロにあやかろうって寸法。大なり小なり他の魚貝にもあることです。

カジキは梶木、マグロは鮪

さらに最近では他の問題もある。国籍の表示問題(産地表示)輸入か国産か曖昧ってこと。どこで漁獲されたか分からない。冷凍戻しか鮮魚なのか。急速冷凍術が進化し、一部では生を上回る品質も。養殖なのか天然なのか。これも養殖技術の進歩で簡単に区別できなくなってきた。

しかし完全に種類分けするのは、どだい無理な話です。
例えばアジの仲間、ハタの仲間。仲間が多すぎて学者でもなければ正確に区分できません。JASも表示基準の法整備などで頑張ってますし、昔よりはいくらかマシになってはきてますが、ある程度業者の【モラル】にまかせるしかないってわけです。

業者と消費者が、等しく商品に対する意識を高めていくのが一番の解決法で、それしかないとおいらは思います。

なんか異常に長いマエフリになっちまいましたが(笑
白貝の話です。

シロガイはヒラガイともいいまして、正式な和名は【さらがい】
日本海側の方には別に珍しくもない貝で、よく使われます。
身はオレンジっぽいクリーム色で、食感はクセのないアオヤギってところ。
たまに和え物や前菜系用に河岸で買ってきます。

で、これもシロガイとして仕入れたんですが・・・・・

同心円上にある黒い帯状の筋。ん?ですわ。
シロガイの貝殻の表面はふつう真っ白。こんな模様は無い。

剥いてみると

身はシロガイに間違いなさそう。

マルスダレガイ目ニッコウガイ科ではある様です。
サラガイ、ベニザラガイ、アラスジサラガイと三種あるサラガイのうち、アラスジサラガイに特徴が酷似してます。

しかし黒い模様は・・?
図鑑を持ち出しましたが、それでも正確には分からない。

でもシロガイとして買ってきたのだからシロガイと思うしかない。身はいつものシロガイだし。と、料理人でも困惑する一例でした。

結局、野菜を彩りにしまして五色にし、裏漉した豆腐に白あたり胡麻を加え、出汁でのばしながらミキサーにかけて作った白酢で和えて、剥いたキュウリに盛る、「皿貝五色白酢和え 胡瓜籠盛り」にしてみました。










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