マナガツオのさばき方と西京焼きの作り方  

マナガツオと西京焼き

 

西京焼きの代表選手がマナガツオです。
昔は俗に「西海に鮭なし、東海にまながつおなし」などと言われ、関東人にはさっぱり縁の無い魚ですが、中部以西、特に関西方面ではごく普通にどころか魚の中の魚「真魚」として珍重される事この上なし。

エボダイ系の身は照り焼きや味噌漬にして絶品。特に京都の甘味噌「西京味噌」に漬け込んで焼く「西京焼き」では、これに勝る魚はないでしょう。京都で名のある店でふらりとブランチすればミニ懐石や松花堂。付いて来る焼物はたいがいマナガツオの西京焼になります。

カツオとは無関係。
名は産卵や回遊の時期がカツオとほぼ同じで、身質が硬いなどの共通点からだと云われます。カツオの代わりになる魚なんですね。漢字では真名鰹、真魚鰹、似鰹。しかし我々和食板前は魚+昌の字を使う事が多いです。地方名はマナ、チョウチョウ、マナガタ、ケイフク、メンナ、ギンダイ等。

本州中部以南、西太平洋、東シナ海、黄海、インド洋に分布してまして、外洋のものはトロールで獲れます。くらげを好んで食べる事から食道に歯があり、また内蔵が小さめなのが特徴。産卵期は7~8月。冬から春が旬だとされますが、近海物の旬は夏場だと考えてもよいでしょう。四国あたりでは夏を代表する魚でもあります。

身質は水分が100gあたり70.8g、柔らかく上品な味わいです。
健康に良い一価不飽和脂肪酸が多く、ビタミンAが多いのも特徴。

新鮮なマナガツオは刺身にもなりますが、

鮮度の良いのは関東では入手が難しいです。

マナガツオは細かい銀鱗にびっしり覆われていまして、極めて新鮮なマナガツオはこの銀鱗が黒光りしています。従って体色が黒く感じるほどです。しかしこの「黒い銀鱗」は剥がれやすく、関東の市場に来る頃にはほぼ剥がれてしまいます。

新鮮(鱗が黒い)

画像元

やや落ちる(鱗があまりない)

だいたいこんな感じになりますね。

ではマナガツオのさばき方と西京漬の作り方を説明いたします。
まずはさばき方から。

マナガツオのさばき方

細かい鱗を庖丁の刃を使って残さずに引きます。

頭部をカットして上下のヒレを落とし

頭は割っておきましょう。

卵も煮付けや汁物に。

三枚におろしましょう。他の魚との違いは中骨の柔らかさ。庖丁で中骨が切れますので、そこだけ注意。柔らかいという事は食べやすい事でもあります。骨は骨せんべいに。

大きさに合わせ2~3等分にサクを出し血合い骨部分は外す。

横からサイズを合わせて行木(直線)に切ります。(他の切り方でも可)

西京漬の作り方

さて西京味噌ですが。この白味噌は塩分が少なく(5%前後。普通の味噌は12~13%)板前が別名「公卿みそ」と呼ぶ様に、上品と言いましょうか大変に甘いです。米糀の配合が多いのも特徴。

塩分が強いと魚が固くなるのでこれが良い訳ですが、慣れぬ関東人にはいささか甘すぎるかも知れません。ですんで、初めて使う関東以北の方は麦(田舎味噌)や豆(八丁味噌)を少し加えた方がいいかも知れません。

このあたりの京都「あらみそ」を今回は使います。

味噌に味醂と酒を加えて練ります。

(味醂は魚の身をかたく締める性質があります。少し減らして甘酒や白酒、はちみつ等を加えるとそれを防げます。しかし甘くなるので好みですが)

 

そこにマナガツオの切り身を漬け込みます。
これは直に漬け込む「どぶ漬け」ですが、ガーゼやキッチンペーパーで身を包んで漬ける方法もあり、これだと焼く時に味噌を落とす手間が省けます。

そのまま半日置きますと魚の水分で味噌がゆるくなりますので、味噌を練り直しさらに半日おきます。つまり丸一日(24時間)で漬かる訳です。

西京焼き

焼く時は味噌を落とし(洗わない方がいい)皮目一面に2ミリ幅の切り込みを入れて、皮の方から焼きます。

串を打ちます
これは行木刺しの代表例。

両端近くに二本の串を真っ直ぐ打ちます。

西京漬を焼きます。

ほんのり甘味がする味噌の香りと、適度に上品な脂を持つマナガツオの身は最高に相性が良く、その味は抜群ですよ。

<魚のさばき方

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