野菜の切り方:打ちもの  

打ちもの

 

野菜の切り方は非常に種類が多いものです。殊に和食では多くなります。割烹の割に突出しているのが和食の特徴ですので。

しかし大きく分けますと『剥き』と『打ち』の二種類になります。

「打ちもの」とは単純明快。材料をまな板にのせて切っていく事。
素材の円形を残す
「輪切り」「半月切り」「いちょう切り」など
素材に角をつける
「色紙切り」「短冊切り」「拍子木切り」「さいの目切り」など

そして細長い材料を端から薄く切っていく方法を「小口切り」と言いますが、大概の野菜は端から切っていくものです。ですので「小口から切る」のが打ち物の典型になるでしょう。
「みじん切り」「せん切り」「薄切り」「ななめ切り」「ぶつ切り」「乱切り」「くし形切り」などはその仲間になると言えます。

なかでも特に多用しますのが「小口切り」「薄切り」「せん切り」そして「みじん切り」になりましょうか。これを称して「打ちもの」と呼ぶのが一般的です。

コックさんは何と言っても「タマネギ」
そして板前は「大根」「キュウリ」そして「ネギ」
これが打ち物の代表でしょうか。

もちろん和食でも玉葱を打ちます

そして「小口切り」の代表キュウリの薄切り

大根を「拍子木切り」 これも小口から。

飾りに剥いて小口から打っている筍

茗荷(みょうが)を打っている場面
 

大根のケン打ち

「つま」と「けん」

しかしやはりネギを打つ場面が多くなりますね現場は。
青ネギの打ち方です。

ネギの打ち方(葱のきざみ方)

青葱は水を嫌いますので、悪い部分を除く程度で洗いません。

ばらついては切りにくいので布巾、マキス等でまとめて

先の方は少し落として切り始め部分を真っ直ぐにします。

その落とした箇所の上に右をかぶせて打てば無駄になりません。

(先に落とした先端部が下に隠れています)

青葉の部分から打っていきます。

※これはあくまでも一例です

白葱と異なり、青葱は水でさらしません。水分を避け空気接触を出来るだけ避ける方法で冷蔵保存します。冷凍もできますが、冷凍葱は「薬味」としての意味がまったく無いシロモノになります。

白髪ネギの打ち方

上手な打ちものとは

さて、上手な打ちものについて書いておきましょう。

普通の感覚ですと、プロのコックや板前が「タタタタッタンッ」って感じで凄い音をさせて目にも止まらぬスピードで切っていますと「さすがプロ、凄いもんだ」そう感じるかも知れません。

しかしね、あれは駄目です。
音がするのは「まな板を叩いている」という事なんですよ。

庖丁は叩くものではなく「切る」道具です。
本当に上手い人は材料の切れる音が勝り、まな板の音はほとんどさせません。庖丁は引くか押すかの縦運動をさせて使うのが基本。ナタではありませんので直線的な叩きは問題外です。

打ちものは「押し切り」が多くなりますが、矢印方向に大きく動かして刃の鋭さで材料をカットします。

「打ち物は庖丁が切れなくなる」とこぼす板前が多いですが、それはまな板を叩いているから。真に切れ味の良い包丁ならば力など必要ないのでまな板を叩く必要はありません。これは手入れのよい庖丁は結果的に長持ちするって意味にもなるんですよ。まな板をぶったたいてりゃ庖丁によい訳がありませんからね。

※タマネギやネギをきざんで涙が出る原因もこれです
切れる庖丁で「切って」いれば涙ぐむ事もなくなります。

切った野菜が庖丁に付いて困る

もうひとつ書いておきます。
小口から薄く材料を切りますと、切った材料が庖丁に引っ付いてどうにもならないって場面があると思います。

ですから「穴あき庖丁」などが売られているわけですが、これは簡単な工夫で回避できます。

庖丁を気持ち外側に向けるだけです。

(ミネを内側に倒し、刃の方が外向きになる)

これは指を切らない安全対策にもなっていますので、経験を重ねたプロは無意識にやっているんですよ。

※材料が庖丁に吸着するのは庖丁を垂直に入れているからで、刃先を外向きか内向きにすれば材料は離れる理屈です。従って内向きでもかまいませんが、危険がありますので外向きを紹介しています。

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