包丁の研ぎ方へのコメント

おいしいものを食べたいから作る人に転進して早5年がたちました。
今は祇園の料理店で修行の身において基本動作のスキルを磨いております。
50を越してからの事ですので身体的には仮にも楽な仕事ではないです。正直にいって。
それでも仕事がおもしろい。桂剥き、ユリ根の掃除から始まって焼き、揚げまで自分のプライドがどこにあったのかと思われるくらい
毎日打ちのめされています。
魚山人様のHPが、書籍が小生の救いと言えます。
さて本題に入りますが、包丁の知識も勉強してきて基本的なことは分かっているつもりですがお金のない小生が買える包丁はたった
一本、これで桂剥き、千を打つのにどの包丁が扱いやすいかと悩んでいます。
自分が出した結論は洋包丁の筋引き包丁が一番適しているのでは?と思うのですが失敗したくない。これが駄目なら次を買うという立場にないものですから先生のアドバイスを請う次第にいたりました。
ご多忙のおりしょうぶない質問をして恐縮ですが小生にとっては一大事。
ご指導のほど宜しくお願いいたします。
Posted by 林 薫 at 2008年11月09日 10:58





はい。確かに良い判断だと思います。
筋引きは万能に使えて、実際に板前でも使用してる人は多いです。

しかし本音も書いておきましょう。
おいらの鮨の親方、それに和食の兄貴分達。彼等にもし同様の質問をしたら必ずこう言うでしょう。「修行は柳一本でやれ!」

あなたがどういう「格」の店で修行してるのかも関係があります。
おいらの知ってる範囲では、京都あたりの和食店で修行に洋庖丁を使って白い目で見られない店というのはあまり浮かびません。(レストラン形式の店はよく知りません)


まぁ迂遠な言い回しをしても仕方ありませんので答えを言いましょう。
鮨修行なら「柳刃庖丁」
鮨職人は桂剥きもケン打ちも柳です。
和食。
雑な追廻し段階ならば「ムキモノ庖丁」
和食板が桂を剥くのは薄刃です。しかし見習いならムキモノ庖丁で充分代用できます。ある程度の万能性があるので見習い期間はこれ一本でいいのです。

どっちみち「出刃」「柳」はいずれ絶対に必要になりますし、「薄刃」も必要になります。あなたの店がどんな「店置き庖丁」(使用してもよい店の庖丁)を用意してるか分かりませんので、「何か一本を」と問われても和食の場合即答できない訳です。また「5年」という年季も判断に迷います。まだ「半年」そこらならば「ムキモノ」を買いなさいとズバリ言えるんですけどね。あなたのポジションと店の格が分からないから答えようがありません。

正確に言えば、板前を続けて行くのでしたら最低でも出刃と柳は必需品になりますから必然的に「一本で」というのは無理です。
しかし「板前」という世界においては「洋包丁」のみで修行しても違和感がない場所が全国に広がっているのもまた事実。そういう場所におられるのでしたら万能性のある洋包丁が便利ではありましょう。しかしちゃんとした和食店におられるのでしたら、安価なV金などでも銀鋼などでもかまいませんので、和庖丁を使った方がよろしいのではないかと思います。
Posted by 魚山人 at 2008年11月09日 22:44

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