包丁を磨く過程で人間も磨かれて行くという話  

包丁を磨く過程で人間も磨かれて行くという話

読者投稿の包丁画像〔#66〕 

投稿者:竹風(男)
職業:漁師(釣り船)


魚山人さま

おかげさまで食料自給率が少しアップしました


まさかHPを閉じられることはないと思いますが、海外移住とか聞くと、今のうちにお礼を言っとかなきゃって思い、やっと錆を落とし磨いた包丁を包丁Galleryの方へ投稿させてもらうことにしました。





この9寸の柳刃は30年ほど前に知り合いから頂いたもので、築地正本の霞です。出刃を海へポチャンしてから出刃の替わりもさせていたりで、刃は欠けるは深い錆はあるはで、もうどうしたらいいんだろ状態でした。


そこで数年前からブックマークしてある手前板前HPの包丁の研ぎ方や使い方を開いたのが3ヶ月ほど前。そして裏スキの錆をヤスリや砥石の角で落としそれがまた錆になったところを300番の耐水ペーパーでこすり始めたのですがこれがまったくだめ。240番、120番、80番と下げてもだめで、ペンシル型ルーターを買い、その先にロールペーパーや砥石など色々と取り付け、ともかく錆を落としたのです。


そこから80番でキズをならし、120番、240番、400番と磨いていくのですが、600番までくると深い傷が浮かんできて、またルーターの番数の高いのでならし、ペーパーの80番からやり直し。


これを裏だけでなく表も全部やったのですが、ルーターで最初に付けた深いキズや筋がやっかいで、これがなかなか消せないのです。一本一本またルーターでなぞりながら消すのです。キズがあるていど薄くなったらまたペーパーでゴシゴシ一からやり直し。


こんなことを仕事の合間にトータル12日間(作業は半日ぐらい)ぐらいやったのですが、最後の方は鏡面をめざし、800番、1000番、1500番、2000番とペーパーを使ったり、ルーターにゴム砥石や研磨剤を付けてキズをならしていきました。小さな深いキズは全部取れなかったけど、もうここまでと一気にアルミナを木片に付けて磨き上げ、なんとかピカピカすることに成功。途中で気持ちが折れそうになりました。


包丁を磨くことと研ぎはまたまったく違いました。本刃を付けることも砥石を平にすることも砥石に番数があることもちっとも知りませんでした。

とりあえず荒砥と1000番の中砥と3000番の仕上と面直しのセラッミック砥石をホームセンターで買ってきました。それまではカミサンの使っていたたぶん800番ぐらいの中砥のみ。もちろん真ん中がへこんでました。


魚山人さんの解説を何度も読みながら錆落としの途中から荒砥で刃を付けたり、1000番で本刃を付けたりしてたのですが、いじくり回したせいか1000番でもなかなかかえりが出てきません。研ぎ込んでやっとかえりが出て仕上げ砥石で研いでほっとしました。鏡面に仕上げたところに擦り傷がついたので、またアルミナと木っ端で磨いたのですが、水洗いしてみたらキズだらけ。使った木が硬すぎたのです。


たしかHPには吉野杉とか書いてあったなと、ホームセンターで普通の杉を買って来て磨いたらオッケー。こんなことも経験でした。

この柳刃研ぎにもう一本同じ包丁が買えるぐらいのお足を使ったので出刃は6000千円ほどの黄紙の5寸を調達し、これもすぐさま鏡面仕上げにしました。


で、それからは釣り船でお客さんの少ないときに積極的にサオを出すようにし、魚料理にあらためて挑戦中。昔から自給自足が夢とか言いながらここのところ釣りもさぼりぎみで釣っても魚はかみさんにほとんど丸投げ状態。これが料理を全部自分でやり、包丁を使うたびに研ぐようになると、汚れ物をシンクに残せずすぐ洗うし、かみさんの包丁もついでに研ぐしいいことだらけ。



そして、研いでも研いでも刃先をツメに当てるとすべるところが2箇所あったのがついにかえりが出るようになりました。新聞紙を丸めたのが一発で切れて感動もの。これつい最近の話です。

夢だった寿司、押し寿司を2回、にぎり寿司は4回目、シメサバがなんとかそぎ切りできたときも感動でしたね。


研ぐ場所の裏をしっかり押さえるというのがなんとなく分かるようになり、切っ先も「しの字」にやってます。ただ小刃止めとか蛤刃なんてのはトライしてません。


ともかく気になるタイトルのページを片っ端からを開き、分からないところは何度も読ませていただきましたが、2、3ヶ月ではとても全て読み切れない内容の多さ濃さです。だけど、包丁を錆びさせず、なんとか研げるようになったいま、料理をいかに上手く造れるかの方に気持ちが傾いていて、これからは料理のページを中心に読み込んでいくつもりです。


田舎に住み、近くの山で山菜を採り天ぷらなどにし、釣った魚のガンバラを照り焼きにしたり、霜降りしたアラをみそ汁にしたり、土鍋で7分粥を造ったり。

これらすべて魚山人さんからいただいた知識です。ありがとうございました。





2015年09月03日

Comment
スポンサーリンク








Copyright © 2017 手前板前. All Rights Reserved.