子持ち昆布  

子持ち昆布

 


数の子 | 子持ち昆布

子持昆布は正月料理に使われそうでいて、数の子みたいにはあまり使われない食材です。子孫繁栄の縁起物数の子、喜ぶの昆布、めでたい同士が二つもひっついている食べ物なんで、もっと使われてもよさそうなもんですどね。


子持昆布

隙間無くびっしり数の子が付いた子持ち昆布が上物です。

自然の産物に拘る繊細な日本料理板前は、その「あざとさ」みたいなものがひっかかるのかもしれません。人工的な感じがいなめないからです。

ニシンは昆布やワカメ等の海藻類に集団で産卵する習性がありまして、春の産卵期に沿岸に入ってきます。
まだ腹に入ってる卵巣卵が数の子、昆布に産卵したのが子持昆布です

このままの状態で採取した子持昆布は、昔は珍味とされ喜ばれていたんですが、「あるきっかけ」で全国的に使用される様になり、また同じ頃にニンシ自体が国内の漁場から激減したこともあり、囲い込み・追い込みによって昆布を用意した場所で産卵させるという方法が主流になりまして、この方法で採取したものを天然物と呼んでいます。

すこし微妙な感じがしますが、「吹きつけ加工」で作った完全に人工の物が存在しますので、これでも天然は天然なんでしょう。

あるきっかけとは寿司ネタの開発です。
どこかの気の利いた寿司職人が、まぁ昭和の前期でしょうが、にぎり寿司にこの子持昆布を使い始めた。それが一気に広まったのは回転寿司がこのネタを取り入れてからでしょう。

回転寿司に採用されたネタの使用量ってのは半端じゃなく膨大でして、余談ですが例の「エンガワ」
あまりの消費量に、北海からカラスカレイが消えてしまうんじゃないかって心配になるほどです。
月2千万円以上を売る回転寿司店が使用するエンガワの量は、一店舗だけで数百キロ単位ですわ。(エンガワのみでこの量。身はまったく別。魚の体積に占める縁側の少なさを考えるべし)
これが全国に数えきれないほどあり、数十年も経過してる。心配にもなろうってもんですよ。
そんな需要があればこそ、人工生産されてる訳ですが。

また、囲い込み産卵による天然は現在ほぼ全て輸入ものです。

「縁起の良い食べ物」として素直に使用できない心ある板前が多いのも当然なのかもしれませんねぇ。まぁこの回転寿司の品ってのがひっかかるってだけの御仁もいらっしゃるんでしょうけども。

(ちなみに、あの回転のエンガワ(カラスカレイの白い奴)ですが、おいらはあれを握り寿司や刺身で食べる板前(まともな)を今まで一人も見たことがありません。一度だけ口に入れた事がありますが、喉に通すことが出来ませんでした。回転職人でエンガワ握って出してる板前も沢山知ってますが、そいつらも食いません。板前がおかしいのか、飛ぶように売れるというアレを食う膨大な数の日本人がおかしいのか、一度徹底的に考えてみるべき不思議な現象ですね)

また悪いクセがでちまいやした(笑  
話がすぐ変な方にいっちまう。
今日は子持昆布料理の話だってのに、話が脱線しちゃった。面目ねぇ。

子持ち昆布の握り寿司

こいつは天然子持昆布、強塩がしてあります。

カットして、水に浸けて塩抜きします。
(味付けは数の子と同じかやや薄め)

子持昆布の握り寿司です。

中か外に糸ガツオを挟んで。

 

子持ち昆布の揚物

他に前菜や小鉢などでも使いますが、どちらかというと酒肴の傾向がありますね和食では。それでは面白くありませんので、家庭向きの料理を紹介しましょう。

飛龍頭の具にしてしまいます。

飛龍頭(ひりゅうず)とは要するに「がんもどき」です。
おでんダネや含め煮でお馴染み。
木綿豆腐を潰して、野菜と混ぜて揚げ、野鳥肉を模したもの。

その中に子持昆布を小さく賽の目に切って入れて、揚げるだけです。フライにしたのに串を打つと、楽しげな串揚げに仕上がります。

下のは巾着袋、紅衣で紅白に。濃出汁の天ツユで食べます。

 

この料理のミソは芯まで火を通さない事です。プチプチした子持昆布の食感が失せては台無しですから。

これは賄いの一種ですから、店で出す品ではありません。
もし出すとしたら、サイズをこれの1/3くらいして作ります。


数の子 | 子持ち昆布
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