【細巻】ネギトロ巻とイクラ巻  

ネギトロ巻とイクラ巻

細巻き寿司の芯になる具材も時代とともに色々変化してまいりました。
マグロの鉄火巻、干瓢の海苔巻、胡瓜のカッパ巻、こうした昔からある細巻きに加えて今はサラダ類やら野菜系、珍味系、洋物系、職人の発想次第でバラエティ豊かなもんです。

特徴としましては、「柔らかい物が多い」って感じになりましょうか。
代表的なのが「ネギトロ巻」と「イクラ巻」でしょうね。

ところが鮨屋を回っていますとね、こうした細巻きに妙なモンが多いのですよ。ネギトロ巻きは芯がただの線になってシャリと同化しちゃってる。イクラ巻きはイクラ色のシミみたいのが見えるだけ。

どうしてそうなるのか、その理由は明白です。
鉄火やカッパと同じ要領で巻いているからですな。
仕上げにマキスを締めているからですよ。

巻きネタを潰しているんです

考えてみれば柔らかいネタを圧せば潰れるのは当たり前のことなんですが、何故か考える事をしない。どうしてでしょうか。(おそらく忙しすぎる?)

下のネギトロ巻きは線にこそなってはいませんが、ネタが中心に納まっていません。
 


 


ネギトロ巻きの巻き方

シャリは、均一にする方法でも、向こう山でも、谷形でもかまいません。

この記事を参照 鉄火巻きの巻き方

ネタの四倍の広がりと、厚みが四方同じになる様にすれば良いのです。

問題はこのシメの場面です。

他の細巻きと同じように〆てはいけません。
押して形を整えるのもダメです。

豆腐を扱う様な感じでふんわりと巻き上げます。
 

イクラを細巻きにすればその意味がはっきりと分かります。
イクラの粒は押せば当然ながら潰れてしまいます。

粒を完全に残して巻き上げましょう。

※鮨職人さんから「細巻はカドをつけるべき」との指摘を頂戴しました。
それについて答えておりますのでご覧下さい。
全ての細巻きは角をつけるべきか

ふんわり巻いてあえて角をとらなくても、盛り込むと見た目には角になります

ネギ代わりに沢庵を巻いたもの

ネギトロ巻きやイクラ巻きの要領は、納豆巻きなどにも通じるものです。サラダ系はネギトロやイクラに比べれば簡単なのでそう神経質になる必要はありません。芯を決める事に集中すればいいと思います。

さらに言えば、トロ芯自体があまりにベチャベチャだと、いかに巻いても仕上がりが悪くなります

その辺は段取りをよく考えてみましょう。

簡単な解決法は「凍ったまま巻く」ことです。
しかし、イクラ巻やウニ巻では無理ですし、職人であればテクニックで克服するべきですね。

ウニ巻

柔らかいタネと言えばウニ

ウニの細巻きの巻き方は極地でしょうね。
イクラよりもさらに難しいです。

と言うより、粒を残して寿司の細巻きにするのは不可能に近いです。
それは巻き寿司ではなくて和食の八寸の範疇になるでしょう。
八寸なら粒の形を残したままの形成方法もあります。

ですが今は巻き寿司の話です。
圧に耐えらないウニの粒なので潰れるのは仕方ないにしても、せめて貧弱にならぬ様にたっぷりのウニで芯を決めるようにしましょう。切断面が黄色いシミや線のようになったモンなど、何の巻き物から分かりませんので。


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