のり巻きの作り方  

海苔巻き(干瓢巻き)のコツ


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巻物で一番難しいのは、ややっこしい細工巻きでも飾り巻きでありません。実は一番簡単だと思われています細巻の干瓢巻です。
(慣用としてのり巻とはカンピョウ巻きを指しています

水気のある材料を芯に埋め込む料理は数えきれない程あります。菓子でなく普通の料理でも珍しくありません。その場合外殻に凝固作用のあるものを混ぜ込むのが前提です。これは当たり前ですな。水気同士では物の形にならないからです。

ところが寿司では凝固材など使えません。
そしてカンピョウは煮物つまり水物です。
舎利が含む水分量から「水と水」と言っていい。

鮨を作る職人、そしてすしが好きでよく食べる人。よくよく思い出して戴きたい。さり気無く目立たずに存在するのり巻に「シンが決まっている」のがどれだけありますかな。つまんでも裂けたりせずしっかりとしてる干瓢巻ってのはあまり無いんじゃないでしょうか。上のような理由でカンピョウ巻は大変難しいからです。

干瓢を芯に巻く太巻は、すし飯の「量」が凝固材の代わりをしてくれるから問題にはなりませんが、細巻だとそうはいきません。海苔巻と言えば干瓢巻を指していますけども、それほどオーソドックスな巻物なのにパンクさせずに巻くのがこれほど難しい巻物もないのです。


 


タネ物は角(6切)、のり巻きは丸(4切)
ところで煮物種の細巻は通常四切に落とします。
これは水分の関係で壊れやすいからという理由ではなく、折箱詰めの為です。鉄火巻等と違い、切り口を見せて立てて詰めると汁が出ますからね。水気を太さでカバー出来る太巻は例外。

敷き笹とセキショと化粧笹
八寸の折箱に巻物を詰める場合、敷笹を置いてその上に六切にした細巻を切断面を上に向けて詰め、その隣には切断面を横に向けて四切の海苔巻を詰めます。ここには笹敷は無しで、切断面に間笹(関所)を噛まします。笹はご飯粒に当てる様に用いる訳です。海苔には当てない。最後に化粧笹を乗せる。

汁が出る煮物は当然ながら横向きの四切になります。
この折詰めの配置から六切の鉄火巻や胡瓜巻は真四角に巻いてタネが見える様に、のりを見せる姿になる「のり巻」は四切で丸く巻くようになりました。つまり折詰めに都合の良い形に納まったという事です。

かんぴょう巻の場合シンボルは干瓢ではなく「のり」なんですな。ですから「のり巻」なんでしょう。干瓢巻って名が付いてながら主体(芯)は脇役で日陰者って事になりましょうか。

パンクさせないために

だからってわけでもないんでしょうが、干瓢巻をしっかり巻く鮨職人の少ない事。紐の様に細いからシンを決めるのが難しいうえに水気ときちゃ難しいのは分りますが、それだからこそ職人として工夫して欲しい。

工夫といっても非常に簡単なことです。

絞り上げる事で形が整い、しかも余分な汁を排除でき、芯が中心にも来るっていう一石三鳥のやり方です。

こうした目立たない部分に注意することから物事ってのは始まるんじゃないでしょうか。派手なところだけに目は行きがちですけども、瑣末に宿る何かにも目をやりましょう。

これは六貫落としにしたもの

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