節食記 五  

節食記 五

 

18日目あたりから良くない変化を感じる。
急速に筋肉が細くなり顔に病的な線も現れている。
(病的とは表現のアヤ。面やつれにすぎない)

体重は7キロ減で許容範囲なのだが、元々太り気味ではなく、筋肉質で身長とのバランスは理想範囲だから随分スマートになっている訳である。
しかし若者ならともかく年配の、しかも男性がスマートになっても、意味がないどころか、魅力は逆に欠けてしまい貧相であろう。

新たな筋肉の再生はこれから先かなり大変だろうし、熟年になれば筋肉量が健康をかなり左右する例をたくさん知っている。それに備え今この時期が大事なのだ。まだ働き盛りなのである。

そこで路線を少し変更する事にした。
補食を開始しジムに通い軽い筋トレを始める。
粥に豆腐、ネギ、ワカメの味噌汁。シラスにおろし大根などを少量ずつ夕食に加え浣腸をして腸の蠢動を促す。ヨーグルトやふすま粉やプルーンやイチジクの乾燥品を湯戻しにしてこれを補足する。
ジムでは上半身の筋肉を痛めつけて再生をはかる。毎日の散歩で下半身はそれほど落ちてはいないからである。

自分は料理人であり食を愛する人間である。
したがって「水だけで生きる人間」に移行するにはためらいがある。
ためらいは必ず失敗を呼び込む。
今現在は「食は人生の楽しみの大いなるものの一部。それを失う人生は味気ないものになる」という思いが大きい。もっと枯れてしまえば分からないが今はそうだ。

要するに一日一回、夕食だけは固形食に戻すのを早めるのだ。
たんぱく質を中心とした和食を採用し炭水化物は極力控える。

筋肉融解がおさまったら週に一~二度ほど水だけの完全断食を挿む。
この日数を決めるには現状を正確に知る必要がある。

そこで7月初旬から開始した食断ちから25日目、病院へ行く事にした。
人間ドッグはかなりな高額だが仕方がない。普通の健康診断では細かな数値が分からないからだ。

今回の検査結果(*クリアとは正常値もしくは以前より好転の意)
体脂肪率→7%(腹筋の割れを久しぶりに見た)
これは10~20代前半の数値。と言うよりやはり低すぎ。
現役の軽量級ボクサーでもあるまいし、これでは駄目。
しかし予想では5%を切ると思っていた。
早急に15%くらいにしないと良くない。
体脂肪率は低ければ良いというのは間違いである。
以前は18%だった。
心肺機能→クリア
視聴覚 →クリア
上部消化管内視鏡検査→クリア
超音波検査→クリア
X線検査→クリア
血液
WBC・RBC・Hb・Ht・MCV・MCHC・GOT・GPT・HbA1c・γ-GTP・アルブミン ・空腹時血糖値 ・中性脂肪・コレステロール・クレアチニン ・尿素窒素 ・ナトリウム ・カリウム ・血清
全てクリア。WBC(白血球数)は前回(二年前)は7000ほどだったのが5000をきった。減少した訳だがNK細胞は活性化が上昇している。血液内(体内)の毒素がかなり減っていると考えてもよいだろうと思う。
尿/便検査 →クリア
凝固・線溶 →クリア
脳、頸動脈 MRI・MRA→クリア


前回(二年前)に比べての際立った変化。
血糖値がかなり低下。
中性脂肪がかなり低下。
肝臓のγ-GTPは低下。
代謝活性をはかるタンパクのアルブミンは増加。
(体重が急激に減らないのはこの為である)
つまり体内の栄養状態は「節食前よりも良い」と思われる。予想通り。
総コレステロールは低下。しかしHDL(善玉コレステロール)は増加。
尿酸は低下。
アルデステロンホルモンが増えている。
ピルビン酸、尿素窒素、クレアチニンは増えている。体内老廃物はまだあるということなのだろう。それをいまだ排泄中ということで自家融解は進行中の様だ。ケトン体もみられる。

そして当たり前だが前回に比べ体重は激減。
脳波にα派が多い。副交感神経が活性化して自律神経が安定しているのであろう。そういえば少し「大らか」な気持ちになることが増えた気がする。「悟り」などというレベルではないが、思考が少し変化している感じはする。昔の記憶を鮮明に思い出したりもする。クラッシック音楽が心地良いのを発見もした。そのぶん雑音に聴こえる音楽が増えた。

しかしこれ等の数値は節食後すぐの数字なので「常態」の数値とは言えない。あくまでも「経過」と考え参考にすべきものでしかない。

医師に「ダイエットをしていますね?」と訊ねられたが「そうです」とだけ応える。身体に異常が無いのなら詳細な説明は面倒だからである。今医者と断食を議論してもそれは空論にしかならない。途中だからだ。

視覚、聴覚、そして自己診断だが味覚がかなり鋭さを増したように感じる。
血液は諸数値からだいぶ「サラサラ」のようである。
生活習慣病であったなら、かなりの改善と言えるのかも知れない。
体脂肪率はもうすこし回復させる必要がある。これは一食をちゃんと摂れば自然に回復するはずだ。
肝心の背筋の痛みは毎日出るものではないから、変化はまだよく分からない。一進一退という感じか。まだ「気のせい」のレベル内であると考えるのが順当。長年続いてるものがそんなに短期間でどうにかなるものでもないだろう。あせる必要はない。


これらの数値から熟慮した結果、水だけ断食は週一の休日に行い、他は一日一食にすることにした。豆腐一丁だけではなく、和食の一汁三菜にしてみる。
まだまだ先は長い。

 

メタボは必然
節食日記 ①
節食日記 ②
節食日記 ③
節食日記 ④
節食日記 ⑤
節食日記 ⑥
節食日記 ⑦
節食日記 ⑧
節食日記 ⑨

スポンサーリンク








Copyright © 2017 手前板前. All Rights Reserved.