塩が悪玉になった理由  

[1]塩が悪玉になった理由

日本人の体を、じわじわと蝕んでいるものに、砂糖の多用があり、それと平行して起きている減塩ブームがあると思います。
塩は高血圧の原因とされ、減塩は国家的常識の様相です。

厚生労働省は一日10g以下を奨励、医師は塩分過多に注意を促します。

とんでもない話ですね。

砂糖はただの嗜好品であり、摂らなくても身体に支障は無い。
しかし塩分を摂らなければ、直ちに肉体は機能しなくなります。


近代日本が、塩を専売制にしたのが明治時代の1905年。日露戦争の戦費調達の為です。戦後もこの制度は続き、昭和24年に日本専売公社が設立されて、精製塩化ナトリウムが「塩」の名で国民に浸透していきます。

そして昭和46年、政府は海の汚染や低コストを理由に、塩田を廃止して、元々砂漠地帯の海水淡水化や工業用の塩を作るための技術だった「イオン交換膜透析法」を全面導入。塩業近代化措置法を発令しての国策です。これにより純度99%を超える塩化ナトリウムが「食塩」として定着することになります。

海水には60約種ものミネラルがありますが、この製法では完全に排除されてしまいまして、これは「塩」ではなくただの塩化ナトリウムにすぎません。

こんなものは身体に悪影響を与えるのは必然で栄養価もゼロですんで、反対の声は当然上がりましたが、政府は、「ミネラル成分は他の食品から摂ればよく、塩から摂る必要は無い」と退けました。(これは砂糖にこそ当て嵌まる言葉ですね)専売公社は農水省ではなく、大蔵省の管轄であり、またイオン交換膜メーカーとの利権がらみもあったとされます。国民の健康よりも経済を優先させた好例でしょうね。


どうにか塩専売法が廃止されたのが1997年。現在は製造販売輸入が自由化されてます。デパートなどには数百種もの塩が並んでますが、自然塩といっても複雑多岐でして、やっかいな事に本物の自然塩と呼べる物は多くはありません。そして変わらず高純度の精製塩が出回っています。

たとえそれを避けられたとしても、外食店が自然塩を使ってるのはまだまだ稀だし、日常食べる加工食品は、コストの面から工場で精製塩を使っているのは明らかです。

一般的な精製塩や食卓塩は純粋に近い塩化ナトリウムでして、砂糖と同じく高純度の化学合成物質です。こんな物はほとんど食品と言えず、薬品と言うべきで、砂糖同様身体に良い訳はありません。

この30年で肉食に傾き脂肪過多になったうえに、砂糖と塩化ナトリウムで、日本人のミネラルバランスは絶対おかしくなっているに違いありません。

塩は生物に必要不可欠でして、摂らなければ確実に異常を起こし、最後は死に到ります。ただし、それは「本物の塩」の話です。

国が言う「一日10g」は馬鹿らしい事で、そんな量で足りるワケなどありません。高血圧とも無関係です(後述)。一日10gってのは、国策で国民に食わせていた化学薬品「塩化ナトリウム」の上限と考えてよいでしょう。

 

[2]国民の健康より経済優先

塩分の害を最も声高にしているのは厚生労働省です。
根拠にしているのは、アメリカの医学で、その成分分析表。
1953年に、米の高血圧学者のメーネリーという人が、ネズミを使った実験で、塩が高血圧の原因であると結論しました。

さらに同じ米の学者ダールが、日本の都道府県別に塩の摂取量と高血圧の発生率を調査し、東北地方に高血圧が多いのは塩の摂取量と一致すると発表。

しかしこの説に疑問を抱く学者も多く、日本の青木久三氏はメーネリーの行った実験を何度も繰り返し、血圧と食塩の摂取はほとんど関係ない事を証明しています。またダールは後日詳細に追跡調査した結果、塩と高血圧の因果関係は無く、東北地方に高血圧が多いのは塩の摂取量と一致するとした最初の調査は誤りだったと自ら発表しているんです。

にも関わらず何故か日本では、塩=高血圧 が定着してしまいました。

一日10グラム以下と言いますが、あらゆる食品には必ずといってよいほど塩分が含まれてまして、厳密に摂取量を計算するなど不可能だしそんな事をする必要もありません。


その人の上限量を超えれば、カラダが拒否反応を起こし、それ以上食べられなくなるからです。ここが砂糖との明確な違いです。

肝心要はミネラル同士の比率にあるんですよ。
天然の食品には必ず絶妙なミネラルバランスがあります。
カルシウムが大切なのは周知ですが、カルシウム単体では体内機能に何の役にも立ちません。カルシウムはリンやマグネシュウムとの比率が保たれてこそ体内で有効成分になるんです。同じく塩も国が広めた塩化ナトリウム塩では体内で害になるのみで、カリウムとの比率が絶対に必要なんです。
天然塩のミネラル成分を排除したのは完全な誤りだった訳ですな。

[3]塩が悪玉なのではなく犯人は【精製塩】

『体内には専売から発売されていた塩と、自然塩の区別など出来ない。従って自然塩なら20~30グラム摂っても大丈夫と言う人は無責任である』
よく見かける説です。だからやはり10グラム程度が適当である。って訳ですね。

確かに精製された純度の高い塩化ナトリウムでは10グラムが適当でしょう。
ここには天然塩のミネラルバランスと、高純度の専売塩の成分の差を比較し、それを追及する姿勢が抜け落ちています。

高純度の専売塩と、天然に近いバランスでミネラルを含有する天然塩はまったく別の物です。同じ「塩」の名前で販売されているだけ。
塩化ナトリウム99%以上の塩を、長年国民に押し付けていた責任は棚上げって寸法でしょうか。

加工食品に成分表が表示されていますが、ここに記載される塩使用量はナトリウムの含有量であって、塩そのものを記載する義務はありません。
ここから食塩相当量を算出するには、ナトリウム量に2.54をかけます。
ナトリウム量×2.54=食塩相当量
これは食塩の分子量をナトリウムの原子量で割った数字が2.54だからですね。これで食品の食塩相当量を知りましょうってことです。

それがどうしたって話ですわ。
毎日の食生活で、そんな面倒な計算などしてられる訳ありませんよ。そんな事までして一日10グラム以下に気をつけましょうって『食生活指針』
そんなモノが存在してる事自体が、今の日本の食生活の異常さを証明してるってもんでしょう。

細かな数字なんぞ出される筋合いじゃないと思うんですよ。
本来の食生活ってのは。

人間ってのは考える以上に個人差が激しいものでして、同じ高血圧でも血圧上昇の基礎疾患が見当たらないのを本態性高血圧、その種類も様々で、遺伝因子か環境因子か見極めるのも難しく、「食塩感受性高血圧」もいればその逆の「食塩非感受性高血圧」もいる。それをひとくくりに食塩は過剰な水分摂取を招きよせ腎臓から排泄するから血圧が高くなる、だから塩分を控えなさい。

そうじゃないと思うんですよ。
偏った食事を是正し、自然に近い食品を品数豊富に食べる。そうしてれば、普通に考えて10グラム以下の塩分で収まりません。

だけどそれを勧めるべきだと思うんですね。
塩の固まりを食うんじゃねえんだから、グラム数なんぞなんで気にしなきゃなんないかって事です。

要は精製塩は自然の食品じゃなく、海水から水を蒸発させただけの60種ものミネラルを含む本物の塩とはまったく違うって事を言いたいんです。

この二者の違いを目で実感できる方法があります。
元気の良い生きた貝の砂を吐かせるのに、この二種の塩を使って比べてみるとよいです。一晩置いて両方を比較すれば、精製された薬品なみの塩と、自然の塩の違いが一目瞭然です。
自然の生き物はほとんど死んでしまいます。

Posted by 魚山人 2007

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